2022.02.09

ギフテッド診断はどこでする?IQチェックや見分け方のコツ

ギフテッドの特徴は、人それぞれ異なることから診断が難しいと言われています。発達障害などと誤診されることも少なくありません。この記事では、「ギフテッドかも?」と思ったらまずどう行動したらいいか、ギフテッドの診断はどこですべきなのかを紹介します。

ギフテッドかも?と思ったら


「ギフテッドかもしれない…」
「ギフテッド診断できないかな…」

そんな疑問を感じたら、まずは日常行動をチェックしましょう。

①「ギフテッド児の共通特性」での行動チェック


まず、おすすめしたいのが『わが子がギフテッドかもしれないと思ったら』(春秋社)という著書内にある『ギフテッド児の共通特性』での行動チェック。

ギフテッド児に共通してみられる特性を23項目にあげています。
ギフテッドには複数の検査がありますが、日常行動もギフテッドと判定する重要な事柄です。

著書内の『ギフテッド児の共通特性』に多くのチェックが当てはまった場合、ギフテッドである可能性は非常に高いと言われています。

この著書の原書は、ギフテッド教育にもっとも影響を与えた人物である、ジェームズ・T・ウェブが手がけたもの。
彼は、数多くのギフテッド児の相談に関わり、数十年にわたる膨大な資料からギフテッド児に診られる「共通特性」を導き出しました。

②「NAGCのギフテッドの才能の特徴」で言動をチェック


アメリカのギフテッド教育推進団体である「NAGC」のWEBサイトには、
「我が子はギフテッドかもしれない」と感じた親御さんに向けた「ギフテッドの才能の特徴」を

①認知
②クリエイティブ
③感情
④態度やふるまい

4つの項目に分けて紹介しています。
ここでは、1部を抜粋し、紹介します。

①認知
・豊富な語彙力
・目標に向かって粘り強く行動する
・興味や能力の多様性

②クリエイティブ
・創造性・創意工夫
・鋭いユーモアのセンス
・刺激に対する寛容さ、幅広い興味

③感情
・異常なまでの感情の深さと激しさ
・他人の感情に対する感受性や共感性
・自己と他者への期待が高く、しばしばフラストレーションの感情を持つ

④態度や振る舞い、行動
・無限の情熱
・常に疑問を持つ
・しゃべりっぱなし、おしゃべり

出典:「NAGC」(外部リンク)
(※WEBサイトに提示されている特徴を抜粋し、日本語へ翻訳したものを掲載しています)

『わが子がギフテッドかもしれないと思ったら』と『NAGC』で確認できる特徴は似ている部分が多くあります。

個人的には、『わが子がギフテッドかもしれないと思ったら』の方が特徴の表現の仕方が分かりやすく感じました。
「ギフテッドかも?」と感じたら、活用できるものを参考に、行動チェックからはじめるといいかもしれませんね。

ただし両者とも、あくまでひとつのチェックリストとして活用してください。
ギフテッドに共通する特徴はたくさんありますが、全て当てはまるとは限りません。

ギフテッドの診断方法


ここからは、より具体的に「ギフテッドの診断方法」について掘り下げていきます。

IQテスト


ギフテッドかどうか判断する際、「IQ数値」は大きな判断基準とされています。

そもそもIQ値とは、人間の知能レベルを数値化して表したもの。
言語能力や問題解決能力を中心に測定されることに用いられます。

IQ数値の目安は以下のように扱われています。

IQ90〜109は平均
IQ110〜119 平均より上
IQ120~129 優秀
IQ130以上 極めて優秀

出典:『ギフテッド(+発達障害)ってなに? : 10才からのGTサバイバルガイド』(外部リンク)

TV番組では「この問題が解ければIQ〇〇!」というように使用されますよね。
あれは、「あなたの知能はこのレベルです!」と表現していることになります。

IQの平均値が「100前後」だとすると、IQ130を超える場合「ギフテッド」である可能性が高いと言われています。

しかしながら、IQテストもあくまで判断基準の一つ。
『わが子がギフテッドかもしれないと思ったら』という著書の中には、

『知能指数は全体像の一部だけを映し出したものだ。ギフテッドであるということは、知能指数で示される以上の意味をもつ。』と記されています。

出典:『わが子がギフテッドかもしれないと思ったら』(外部リンク)

つまり、IQが130を超えるからと言って、必ずしもギフテッドであるとは言い切れません。
IQはギフテッドの判断基準としても使われますが、子供にあった教育を決定するために用いられることもあります。

知能検査WISC-IV(ウィスク・フォー)


「WISC-IV ウェクスラー式知能検査」とは、世界的に使用されている子供の知能指数を測定する検査のこと。
日本でも一般的に行われ、5歳〜16歳11ヶ月までが検査対象とされています。

WISC-IVは、全検査IQテストの他に

・言語理解(言葉の知識や言語を用いた推理力や思考力の診断)
・知覚推理(積み木やパズルなどを用いた、視覚的情報を推理する力の診断)
・ワーキングメモリ(情報を記録し、処理する能力の診断)
・処理速度(情報処理するスピードを診断)

の4つの科目を検査します。

WISC-IV検査の最大のメリットは、「得意分野」と「苦手分野」の凹凸を数値化できること。
つまり、全てのテストで高スコアを出せば「ギフテッド」と判断されるわけではありません。

全検査IQテストで、「120」というスコアだったとしても、「言語理解」または「知覚推理」が130以上であれば、「ギフテッド」と診断されるケースもあります。
得意・不得意を数値化することで、児童の特性を見極められ、適切な支援内容を知ることができます。

QEEG検査(定量的脳波検査)


QEEG検査とは、脳波検査の一つ。
検査対象は、3歳1ヶ月の子供から大人まで幅広い世代が検査可能です。

QEEG検査は、脳状態を可視化することで、どの部位が平均よりも活性化しているか診断できます。
脳波は4種類に分けられます。

・デルタ波(ノンレム睡眠時に見られる)
・シータ波(夢を見ている時、レム睡眠時に見られる)
・アルファ波(安静、覚醒した時、ぼーっとした時に見られる)
・ベータ波(物事を考えている時に見られる)

出典:BRAIN CLINIC(外部リンク)

QEEG検査では、これら脳波の特徴や変化、脳の情報処理量を可視化・解析できます。
脳波の特性と医師の問診をふまえ、ギフテッドの程度を診断できるものです。

検査によって、児童にあった薬や治療提案が可能になります。

ギフテッドはどこで診断できる?


ギフテッド診断を日本で行う場合、どこで診断できるのでしょうか。
3つの診断場所を紹介します。

①専門の医療機関


まずは、「精神科クリニック」もしくは「児童精神科」の診療科目を構える専門の医療機関を訪ねてみるのがおすすめです。

医師の問診に加え検査を行い総合的な判断から、明確な診断を受けることができます。
医師による診断が出るので、安心できますよね。

②市町村の教育センター


市町村ごとに、設置されている教育支援センター。
今後どういった支援が必要なのか、相談員や理学療法士等に相談ができます。

場合によっては、教育センターで「WISC-IV検査」の実施も可能です。
ただし、教育支援センターはあくまでも検査結果をもとに「児童にとって適切な学びの場を支援する」ことが目的。

公的な支援が受けられるのは大きなメリットですが、医師からの診断は受けられないので注意が必要です。

出典:神奈川県横浜市「横浜市特別支援教育総合センター」(外部リンク)
出典:東京武蔵野市「就学相談に関するよくある質問」(外部リンク)

③大学


各大学に設置されている「心理相談センター」でも、WISC検査を受けることができます。
様々な大学で検査を実施していることから、検査実施までスムーズに進められることも!

「病院への通院や、出入りを周りに見られたくない」
「でも検査はしてみたい」

そんな風に考える方に、大学利用はおすすめです。
ただし、教育支援センターと同様医師の診断がでるわけではないため、注意が必要です。

出典:神奈川大学(外部リンク)

ギフテッドの見分け方


ギフテッドと診断されるには、医師の診察や検査を受けるのが一般的です。
しかしながら、「WISC-IV検査」や「QEEG検査」は発達障害などを診断する際にも活用されています。

ギフテッドと発達障害の違いはどういった点になるのでしょうか。

発達障害とは


発達障害とは、生まれつき脳機能の働き方の違いにより、行動や情緒に特徴があること。

発達障害のある人は、他人との関係づくり・コミュニケーションが苦手です。
一方で、優れた能力を持ち合わせています。

出典:政府広報オンライン(外部リンク)

「発達障害」の中にはいくつか種類があります。

①自閉症
②アスペルガー症候群
③注意欠如多動性障害(ADD/ADHD)
④学習障害

これら発達障害は、ギフテッドと重なる特徴も持つ場合があることから「誤診」が多いと言われています。
ギフテッドの中には、発達障害とギフテッドを合わせ持つ「2E」と呼ばれる人も存在するため、誤診が多いのもうなずけます。

しかしながら、「発達障害」と「ギフテッド」は分けて考えるべきだと言われています。
なぜなら、発達障害と同じ支援方法では、ギフテッドの「強み」を活かせないからです。

ギフテッドの持つ特性は、強みであり、弱みでもあります。
例えば、探究心が強い(強み)という特徴は、集中すると周りが見えなくなる(弱み)と言い換えることができますよね。

確かに、「集中すると、周りとコミュニケーションがうまく取れなくなる」という場面だけを切り取ると、発達障害の特性が現れてるように感じてしまいます。
しかしながら、探究心が強いから、周りとのコミュニケーションがうまく取れないというわけではありません。

「周りとコミュニケーションが取れなくなる」のは、「結果論」です。
ギフテッドの場合、状況が異なればこうした行動が現れない可能性があります。

一方で発達障害は、複数の場面で特性が一貫して現れます。
発達障害はそもそも他人とのコミュニケーションが苦手という特性があります。

これは、「結果論」ではありませんよね。
ギフテッドと発達障害の違いは、「複数の場面で同じ特性が現れるか」と言えるでしょう。

自閉症・アスペルガー症候群との違い


ギフテッドと​​自閉症・アスペルガー症候群を見分けるのは非常に難しいと言われています。
しかしながら、

①他人とのコミュニケーションが、人や環境によらず一貫して現れるか
②他者への感情や意図への理解を示すか
③自己理解があるか

3つのポイントに絞ってみると、ギフテッドと​​自閉症・アスペルガー症候群を見分けるポイントとして活用できます。

①他人とのコミュニケーションが、人や環境によらず一貫して現れるか

​​自閉症・アスペルガー症候群の場合、他者との関わりや社会性の問題は人や環境にかかわらず一貫します。
一方でギフテッドは、同じ興味関心を持つ人同士のコミュニケーションは、問題なく構築することができると言われています。

例えば、興味関心の高い将棋や数字・鉄道などの知識を通じたコミュニケーションは問題なくおこなえ、場合によっては高いリーダーシップを発揮することもあるのです。

②他者への感情や意図への理解を示すか

​​自閉症・アスペルガー症候群の場合、他者への共感や理解が難しい場面があります。
一方でギフテッドは、高い共感力をもつため、かえって人間関係に疲れてしまうというケースもあるほどです。

③自己理解があるか

​​自閉症・アスペルガー症候群の場合、

・周囲が自分をどのように理解しているか
・自分の行動・問題どのように理解するか

などが難しい場合があります。
一方で、ギフテッドは自己理解していることがほとんどです。

注意欠如多動性障害(ADD/ADHD)との違い


注意欠如多動性障害もギフテッドと重なる特性も持ちます。
しかしながら、

①不注意・多動・衝動性に一貫性があるか
②多動性が現れる時、モチベーションや本人の意図は関係するか
③大人からの指示を理解できるか

3つのポイントに絞ると、ギフテッドを見分けるポイントとして活用できます!

①不注意・多動・衝動性に一貫性があるか

注意欠如多動性障害の場合、場面や課題に関係なく特性が現れます。
例えば、注意欠如多動性障害には「集中できない」という特性があります。

ギフテッドにも同じ特性が見られる場合がありますが、特定の関心を持つテーマ・課題を目の前にした時は、長時間集中力を持続させることが可能です。

つまり、ギフテッドが「集中できない」場面には一貫性がありません。
注意欠如多動性障害が「集中できない」場面には課題や環境に左右されないため一貫性を持ちます。

②多動性が現れる時、モチベーションや本人の意図は関係するか

ギフテッドは、「興味関心がない事柄に対して集中できない」という弱みがある反面、「興味のあることには周りが見えなくなるくらい没頭できる」という強みがあります。
これは、本人と意図やモチベーションが関係してくる問題です。

しかしながら、注意欠如多動性障害の場合、「興味関心がない」に関係なく、「課題そのものの存在を忘れてしまう」という特性があります。
これは、本人のモチベーションや意図は関係しません。

どのような場面で多動性が起こるのかは、ギフテッドとの大きな違いと言えるでしょう。

③大人からの指示を理解できるか

注意欠如多動性障害の場合、説明や指示への理解が不十分な場合が多く、そのまま行動してしまう場面があります。
一方でギフテッドは、説明や指示を聞いていないように見えても、内容を理解できているか他ずれると、十分な理解を確認することができます。

少しの差ではありますが、「理解できているかどうか」という点に焦点を当てると、2つを見分けるのに大きく役立ちます。

ギフテッドの接し方


ギフテッドはそれぞれの持つ才能を伸ばすことで、大きく飛躍し社会で活躍できる存在です。
では才能を伸ばすためには、日頃どんな接し方をすればいいのでしょうか。

ギフテッドの診断や診察を行う、精神科クリニック「ブレインクリニック」が掲げる「ギフテッドへの家庭での接し方」を参考に、ギフテッドの才能を伸ばす接し方を3つ紹介します。

出典:ギフテッドへの家庭での接し方(外部リンク)

①その子にあった学習環境を与える


ギフテッドは、発達障害と誤診されやすいと言われています。
もしも発達障害と診断された場合、つい「弱み」にばかり目が行きがちになり、その子の持つ強みや才能を伸ばしきれません。

そもそも誤診がないよう、セカンドオピニオンが必要だったり、日頃から言動に注目したり…
大変なことはたくさんありますが、「神からの贈り物」と言われる才能を伸ばしきれないのは非常に残念ですよね。

才能を伸ばすためには、その子にあった学習環境を整えることが非常に大切です。
例えば、話を聞いて理解するのが苦手でも、文字・イラスト・図などを読み解く力が群を抜いて強い場合。

文字やイラストを交えたコミュニケーションの方が、より才能を開花させることができます。
その子にあった学習環境を与えるのは、「弱み」に目を向けるのではなく「強み」に目を向けることが大切です。

②好奇心を刺激する


才能を伸ばすためには、その子がどんな特性を持つのか知ることが非常に大切です。
そのためには、日頃から好奇心を刺激する機会をたくさん与えてあげましょう。

たとえば、

・種類豊富な絵本や本を与える
・多数のスポーツを経験させる
・博物館・美術館などに連れて行く

など。
その子が「どんなものに関心を持つのか」「どんな点に興味を示すのか」を一緒に見つけてあげることが大切です。

③安心できる居場所をつくる


ギフテッドは、周りが平気でできるようなことも苦痛に感じてしまう場面があります。
特に、集団で行動することが求められる学校はストレスも多いでしょう。

自分を理解してくれる人、環境を作ることが非常に大切です。
例えば、

・教室以外に心を休められる場所を作る
・家庭では「ほっ」とできる空間を意識する

など。
これには周りのサポートが欠かせません。

ギフテッドはレベルの高い知能を持ち合わせています。
しかしながら、周りの理解やサポートがあるからこそ、その才能を十分に伸ばすことができるのです。

ギフテッド診断は専門家へお願いしよう


ギフテッドを診断する方法や場所について紹介しました。

お子様の日常の行動やIQの高さなどから「ギフテッドだ」と判断できる場面もあるかもしれません。
しかしながら、ギフテッドの診断は専門家への相談がおすすめです。

ギフテッドは「発達障害」と誤診されるケースも少なくないからです。
海外では誤診がきっかけで、「ギフテッドには必要のない薬を投与し、精神的に不安定になってしまった」というケースも報告されています。

また、ギフテッドは生まれ持った才能を持ち合わせています。
誤った診断結果から、せっかくの才能を伸ばしきれない可能性もあります。

つまり、ギフテッドは正確な診断や接し方次第でその子の人生が大きく変わることを視野に入れなくてはいけないのです。

一度診察を受けた経験があっても、診断結果に疑問を感じたら

・ギフテッドへの高度な知識を持つ医師を探す
・セカンドオピニオンを検討する

などの行動も必要です。
ギフテッドの診断に迷ったら、まずは専門家への相談を視野に入れて行動しましょう!

※参考著書
『ギフテッドの個性を知り、伸ばす方法 』(小学館)

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はみがき(ライター)
はみがき

自分らしく働く大切さを伝えたい!複業WEBライター

働く女性を全力で応援するWEBライター。ブライダル業界に5年勤務。20代前半に激務のこなした経験から、女性がもっと輝けるための「働き方」「ライフスタイル」の提案が得意。現在は、対人接客の経験を生かし「行動心理学」「心理カウンセラー」の資格勉強中。サウナとドラマが大好物。サウナ・スパ健康アドバイザーの資格を所持。

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