ギフテッドの子ども・高校生・大人別の特徴

ここでは、子ども・高校生・大人と、世代別にギフテッドの特徴を解説します。
自らの幼少期の特徴や、自分の子どもの特徴に当てはまっているものはないか、考えながら読んでみてくださいね。
ギフテッドの子どもの特徴

言葉を覚えるのが早い
ギフテッドの子どもは、言葉を覚えるのが早い子が多いといわれています。
語彙力に優れていることが理由で、両親の会話やテレビから流れてくる言葉を聞いただけで、どんどん自分の中の語彙を増やしていくのです。
ただし、言葉を覚える早さと話し始める早さは比例しません。
もちろん覚えた言葉を早いうちから話し始めるギフテッドの子どももいますが、中には覚えた膨大な言葉に口がついていかず、話し始めるのが遅い子どももいます。
大人が驚くような質問をする
子どもらしい素直な面も持ち合わせているギフテッドの子どもは、わからないことがあると何でも大人に質問します。
時には大人でもすぐには答えられないような難しい質問をして、周囲の大人を驚かせることがあるでしょう。
IQが高く幅広い物事に興味を持っていることが理由で、学校の勉強が始まる前から文字や数字、英語に興味を持つ子も多いです。
集中力が持続する
子どもが集中できる時間は「年齢+1分」が目安とされており、大人以上に集中力がないのが当たり前。
しかしギフテッドの子どもは、大人顔負けの集中力を長時間キープできます。
もちろん集中できるのは興味のあることに限りますが、自分の知的好奇心を刺激するものに対しては、何時間でも興味を失わずにいられるのです。
また、子どもだからこそ欲望に忠実で、一度集中すると寝食さえ疎かにすることも珍しくありません。
ギフテッドの高校生の特徴

勉強ができる
ギフテッドの高校生は、学校で優秀な成績を収める人が多いです。
高校生にもなれば勉強は難しくなり、ギフテッドの知的好奇心はますます刺激されます。
自ら進んで勉強するうえ、理解力や記憶力に優れているため、テストでは毎回のように良い点数が取れるでしょう。
ただし中には「知りたい」という欲求が強すぎて先生に次々と質問し、授業を中断させてしまうギフテッドの高校生もいます。
クラスで孤立することがある
クラスで友だちができず、孤立してしまうギフテッドの高校生も多いです。
ギフテッドの高校生が興味を持つ対象は多岐に渡り、時には政治や経済など、同世代の興味とは別方向のものに惹かれることもあります。
そうするとクラスメイトと話がかみ合わなくなり、次第に浮いた存在になっていくでしょう。
また、ギフテッドは集中すると他のことをしたくなくなるため、友だちにうまく合わせられず孤立することも珍しくありません。
生きづらさに悩むことも
高校生にもなると感受性はさらに豊かになり、ギフテッドは「自分は人とは違う」と確信を持ちます。
人との違いをプラスに受け止められれば問題ありませんが、高校生という多感な時期だからこそ、違いをマイナスに捉えてしまうギフテッドも多いです。
しかしそうすれば、生きづらさの自覚や今後の人生に対する不安が生まれやすくなり、悩みに繋がります。
有能だからこそ感じる「生きづらさ」は、ギフテッドなら誰もが一度はぶつかる壁といえるでしょう。
ギフテッドの大人の特徴

仕事で大成功することがある
近年は企業も社員の「多様性」を認める傾向が強く、ギフテッドの人でも働きやすい労働環境が整いつつあります。
よって、大人になり自分の才能を生かせる職種や職場を見つけたギフテッドは、仕事で成功を収めるでしょう。
また、ギフテッドは単に能力が高いだけでなく、リーダーシップも取れるのが特徴。
才能や特徴が職場で高く評価されれば、スピード出世を果たすことも不可能ではありません。
他にも、独創的な視点やセンスを生かして独立し、成功を掴むギフテッドもいます。
職場の人間関係に悩むことがある
仕事そのものは評価されることが多いものの、職場の人間関係に悩みやすいのは、大人のギフテッドならではの特徴です。
苦手な人との接触を避けられた学生時代とは異なり、職場は全員で協力して仕事を行う必要があります。
しかし、人間はIQが20ほど離れている他人と会話するのは難しいといわれており、ギフテッドの大人はさまざまな知能指数の人が集う職場の人間関係に苦労しやすいのです。
この他、ギフテッドの中には仕事に完璧を求める人も存在し、周囲と軋轢を生んでしまうことがあります。
成長意欲を失わない
大人になると「もう年だから」「若い人には敵わないから」と理由をつけて、新しいことを始めず保守的になる人が多いですよね。
しかし、ギフテッドは年齢を重ねても成長意欲を失わず、いつまでも探求心と向上心を持ち続けます。
もちろんギフテッドだって自分の年齢は自覚していますが、それ以上に好奇心が勝つので、どんどん新しいことにチャレンジできるのです。
常に最先端のものを取り入れるためフレッシュな感性を保ち続け、若々しい人が多いのも大人のギフテッドの特徴といえます。
ギフテッドの大人は顔つきや男女差に特徴が現れる?

顔つきや男女の性差でギフテッドが見抜ければ、わかりやすくていいですよね。
ギフテッドの大人は、顔つきや男女差に特徴が現れることがあるのでしょうか?
ギフテッドの特徴は顔つきで見抜ける?

例外もありますが、ギフテッドの大人は男女ともに中性的な容姿をしているという特徴があります。
ギフテッドの人は「男らしさ」や「女らしさ」に捕らわれず、フラットに物事を考える人が多いです。
性差にこだわらない考え方が、見た目やファッションにも投影されるため、ギフテッドはどことなくユニセックスな雰囲気をまとった人が多いといわれています。
この他、まるで語りかけてくるかのような強い目力を持っているのも、ギフテッドの顔つきの特徴です。
「目は口ほどに物を言う」というように、人の眼差しには思考や感情が宿るもの。
ギフテッドは思考力が深いため人よりも目に力が宿ることが多く、視線を向けられた人は思わずドキッとするかもしれません。
ギフテッドの特徴は男女で違う?

あればギフテッドを判断しやすくなるのですが、現時点では「ギフテッドの男の子ならではの特徴」や「ギフテッドの女の子ならではの特徴」は存在しないといわれています。
そもそもギフテッドは、性別に捕らわれない柔軟な思考をするので、ほとんど男女差がないのです。
ただし、女の子のギフテッドのほうが自分の才能を隠そうとする傾向があります。
女性は男性以上に「同調」を重要視していることが理由で、女の子のギフテッドは周囲になじむために自然と能力を見せないようにするのです。
また、日本にはまだまだ「男性を立てる」という風潮も残っており、これも女の子のギフテッドが萎縮して能力を隠してしまう理由だと考えられます。
大人のギフテッドとアスペルガーの違い

大人のギフテッドの特徴はアスペルガーの特徴とよく似ており、誤診されることも少なくありません。
また、ギフテッドの要素とアスペルガーの要素、両方を持ち合わせている人もおり、完全に誤診だと断定するのが難しいのも事実です。
ギフテッドなのかアスペルガーなのか?と迷ったら、以下のような違いがあるか確認してみましょう。
広い分野に探求心を持つ

興味や探求心を持つ分野の広さは、ギフテッドとアスペルガーのわかりやすい違いです。
ギフテッドはさまざまなものに興味を持ちますが、アスペルガーは1つや少数の物事にこだわって興味を持ちます。
ただし、興味を持ったものにはとことん集中し完璧主義になってしまうのは、ギフテッドとアスペルガーの共通点。
よって、ギフテッドとアスペルガーの違いを見極めたいときは「集中力の高さ」ではなく「好奇心の強さ」に注目するといいでしょう。
統率能力がある

アスペルガーは自分のペースを大切にする人が多く、周囲の様子をうかがったり、人を引っ張って先頭に立ったりするのが苦手です。
一方でギフテッドは、周囲に合わせて統率能力を発揮することも得意とし、リーダーシップが取れます。
もちろんギフテッドにおいても、統率能力の高さには個人差があるものです。
しかし、必要にかられれば人前に立つことをいとわないのであれば、アスペルガーよりもギフテッドの可能性が高いと考えられるでしょう。
コミュニケーション能力がある

相手の立場にうまく立てず、コミュニケーションにつまずきやすいのは、アスペルガーの大きな特徴。
対するギフテッドは、相手の感情を読み取ることや言葉のニュアンスを感じ取ることも得意で、コミュニケーション能力が高い人が多いです。
豊富な語彙の中から、自分の気持ちやその場に合わせた言葉を的確にチョイスできるので、周囲の人からは「おしゃべり上手」と思われることもあるでしょう。
ただし中には、わからないことを即座に質問してしまったり、相手の間違いを鋭く指摘したりして、場の空気を壊すギフテッドも存在します。
よって、コミュニケーション能力の高さだけでアスペルガーではないと決めつけるのではなく、他の違いと合わせて総合的に判断してくださいね。
ギフテッドの大人は生きづらい?理由は?

ギフテッドは、周囲の人から注目されたり憧れられたりすることも少なくありません。
しかし実際は、多くのギフテッドが大人になるにつれ「生きづらさ」を感じています。
なぜ、ギフテッドの大人は生きづらいと感じてしまうのでしょうか?
他人と違いすぎる

人間は、自分の個性を重んじる一方で「共感」や「同調」も大切にする生き物です。
「自分と誰かは同じである」という事実は共感を生み、安心感をもたらしてくれます。
しかしギフテッドは、高すぎる知能や能力のせいでなかなか人と同調できません。
物事の捉え方はもちろん取り組み方、出せる結果まで、ことごとく違うのです。
あまりにも他人と自分に相違点があると、ギフテッドの中には不安を持つ人もいるでしょう。
なかなか他人に理解されない

ギフテッドの大人が生きづらいのは、高い能力のせいで他人から理解されにくいのも理由でしょう。
普通の人とギフテッドとでは、あまりにも知能指数が違いすぎるためお互いを理解できず、衝突してしまうことも珍しくありません。
さらに、最初にお伝えしたようにギフテッドには医学的診断がないことも、生きづらい理由の一つ。
明確に「ギフテッドである」という証明ができないため周囲の理解を得られず、肩身の狭い思いをしているギフテッドはたくさんいます。
周りに合わせるのが苦痛

ギフテッドの大人の特徴の一つに、自分の能力を隠して周囲に溶け込もうとするというものがあります。
自分の才能をありのまま発揮すれば孤立することがわかっているため、ギフテッドはむりやり周囲に合わせて力を隠してしまうのです。
しかしそのような生き方は、常に自分を偽って過ごすことに繋がり、精神的負担を伴います。
目立たず普通に生きるためには自分を偽る必要があり、このジレンマにギフテッドの大人は生きづらさを感じるでしょう。
嫉妬から人間関係トラブルに発展しやすい

人よりも優れた面を持つギフテッドの大人は、仕事でも好成績を残しやすいです。
仕事ができるのはいいことですが、時には周囲の人から嫉妬心を抱かれ、人間関係がうまくいかないことがあるでしょう。
ただの僻みなので気にしないのが一番であるものの、人の気持ちに敏感なギフテッドだからこそ、悪意や敵意を的確に把握して傷ついてしまうケースが少なくありません。
孤独や落ち込みを感じやすい

ギフテッドの大人は、高い知能や能力のせいで話が合う人がなかなか現れず、孤独を感じやすいです。
この他、やりたいことが多すぎるからこそ何から手を付ければいいのかわからず、悩んだり落ち込んだりしてしまうギフテッドもいます。
しかし、孤独や悩み、落ち込みを長時間一人で抱え続けると、精神的不調に陥る可能性もゼロではありません。
事実、ギフテッドの中にはうつ病を併発してしまう人も存在します。