2022.02.21

「ご縁がありましたら」に込められた意味とは?使う時の注意点も解説

採用試験の返事やコンペの結果で「ご縁がありましたら」と告げられる場合があります。「これっていったいどういう意味?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。今回は「ご縁がありましたら」に込められた意味と、正しい使い方や注意点を紹介します。

「ご縁がありましたら」の言葉にはどんな意味がある?


就職活動中に受けた採用試験の結果連絡で、「ご縁がありましたら」という文言を見聞きしたことがありませんか。

メールや文書に書かれている場合が多いですが、電話で告げられることもあります。
一瞬「どういう意味だろう?」と思いますが、おおむね不採用の場合が多いです。

「今回は不採用とさせていただきますが、またのご縁がありましたらよろしくお願いいたします」のように使われることが多いですね。

随分回りくどい言い方だな、と思うのではないでしょうか。
しかしこれは、本音と建前を上手に使いわける日本人ならではの断り方だと言えるのです。

ハッキリと「不採用です」とだけ告げられるよりも、次回また機会があるかもしれないという含みを持たせる柔らかい断り方ですよね。
ただし、面接時にその場で「ご縁がありましたらよろしくお願いいたします」と言われた場合には注意が必要かもしれません。

その時点では、まだ採用とも不採用とも決定してないからです。
面接担当者がその場で決断や返事をできない場合には、そう告げるパターンが多いですね。

この場合の最終決定は、上の立場の人や採用担当者がすることになります。
合否が決定次第、正式な結果が届くでしょう。

そのため、面接の場ではいったん「ご縁がありましたら」と告げられることになるのです。

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そもそも「縁」とはどんな意味


ところで、この「縁」という言葉にはいったいどのような意味があるのでしょうか?

「縁」は「えん」または「えにし」と読み、もともとは仏教用語ですね。
物事や人との関係性を表す言葉です。

「そのようになる巡り合わせ」や「関係を作るきっかけ」などの意味があります。
男女の間柄や結びつきを表す言葉としても使われますね。

「前世からの縁」など、日本では古来よりさまざまな場面で使われる言葉でした。
スピリチュアルな意味があり、『運命』を表す言葉でもあります。

どうしようもなく不条理な場面で、自分や相手に言い聞かせる時に「これも縁だからしょうがない」というセリフが使われますよね。
そういった意味合いから、不採用など伝えづらい連絡の時に使われるようになったのかもしれません。

「ご縁がありましたら」をビジネスで使う場面とは


「ご縁がありましたら」は、主にビジネスシーンで使われることが多い言葉です。
ビジネスシーンでは口頭やメールで使われます。

言いにくい事を伝える時に多用されるので、どちらかといえばメールで使われる場合が多いでしょう。
ここからは不採用の連絡以外では、どういった場面で使われるのかを詳しく見ていきましょう。

次回の期待を込めた連絡


「ご縁がありましたら」は今回は残念ながら断ってしまうものの、次に機会があったらぜひ一緒に仕事をしたい相手に伝える言葉でもあります。
たとえば今回の提案は不採用だったが、ぜひまた提案して欲しいと思った相手に対して使うのに最適です。

その場合は「今回の提案は不採用とさせていただきましたが、ご縁がありましたら次の機会にも御社の提案を期待しております」のように使います。
「ご縁がありましたら幸いです」や「ご縁がありましたら、ぜひ今後ともよろしくお願いします」なども、次回に続く可能性がある言い方です。

コンペの提案や仕事の誘いを断る時の連絡


競合コンペや、先方からいただいた仕事の誘いを断る場合にも「ご縁がありましたら」の文言を使います。
断りにくい案件や気を使う取引先に対して、丁寧に断りたい時に適している言い方です。

例えば「今回は遠慮させていただきます」だけだと、ちょっと冷たくて失礼だと感じてしまいますよね。
こんな場合は「またのご縁がありましたら、よろしくお願いいたします」と一言添えておくと柔らかい印象になります。

自社よりも商流が上の会社からの誘いを断る時など、返事に気を使う場面で役に立ちます。
相手に不快感を与えないように、メールの文章を締めくくる時に使うと良いでしょう。

相手から断られた場合の返信にも使える


こちらから提案した時に、相手に断られることもありますよね。
相手からお断りの連絡が届いた場合、こちらから再度了承のお返事を差し上げなくてはなりません。

そんな時にも「ご縁がありましたら」の文言が使えるのです。

具体的な使い方としては「今回は私どもの力不足で、御社様のご期待に添うような提案ができずに申し訳ございませんでした。ご縁がございましたら、次回以降もよろしくお願いいたします。」のようになります。

このように、「ご縁がありましたら」の文言は断られた側が使うこともできるのです。
使い方によっては、今回はダメだったけれど次回以降にチャンスをつなげられる可能性が生まれるかもしれません。

志望動機の最後に伝える


こちらは、就職の面接を受ける側が使う場合の言い方です。
面接の最後に「なにか最後に一言ありますか?」などと面接官に聞かれることがあります。

その時に、「御社とご縁がありましたら○○の経験をいかして○○の業務で貢献していきたいです」などの言い方でアピールすることができます。

最後の一言を求められて、言葉に困った時に使うと良いでしょう。
この最後の一言で人間力や、とっさの対応力を見る面接官もいますのでぜひ試してみてください。

面接の最後だけでなく、志望動機を書くエントリーシートなどの最後に同様の言葉を書き添えるのもおすすめです。
具体的でありながら、熱意と誠意が伝わる一言になるでしょう。

「ご縁がありましたら」の正しい使い方や注意点


「ご縁がありましたら」の言葉には、様々な使い方がある事をご紹介しました。
意外な使い方もあったのではないでしょうか?

ところで、この「ご縁がありましたら」は使い方を間違えると大変失礼な印象になってしまいます。
仕事で採用やコンペの担当になった場合に多く使用する言葉なので、失礼にあたらない使い方をマスターしておきましょう。

ここからは「ご縁がありましたら」の正しい使い方や、使う際の注意点について解説していきます。

「残念ながら」を冒頭につけて誤解が起きないようにする


採用担当者として「ご縁がありましたら」を使用する場合の注意点について、説明していきましょう。
「またのご縁がありましたら幸いです」だけでは、不合格だと伝わりにくくなります。

勘違いや誤解がおきないように、「残念ながら、今回は不採用とさせていただきます」と最初に伝えておきましょう。
不採用という言葉を使いにくい場合でも、「今回はご縁がございませんでしたが」の前置きをつけることが大切です。

本音と建前を使い分けたいところですが、あまりにも遠回しな言い方だと伝わりにくくなります。
きちんとメッセージが伝わるように、気をつけて使いましょう。

今後も関係を続けていきたい相手に使う場合


コンペなどで今回の提案は残念ながら不採用となってしまったが、次回も提案して欲しい相手に使う場合にも注意が必要です。

「次回も提案をお願いします」という意味を込める場合ですね。
そんな時には、以下のように伝えるのが良いでしょう。

「残念ながら今回のご提案は不採用とさせていただきますが、ご縁がありましたら次の機会にも御社のご提案を期待しています」
このように伝えれば次回への期待も伝わるうえに、悪い印象も持たれないのではないでしょうか?

ぜひ今回で終わりにせずに今後も提案して欲しい、という気持ちが伝わりますよね。
ただし、次の提案も不採用になってしまった場合には、失礼に当たります。

次回に相手の提案を採用する可能性が本当にあるかを、よく考えてから使うべきです。
今後も関係を続けたい相手に対しては、「ぜひ今後ともよろしくお願いします」というメッセージの方が誤解を生まないでしょう。

次につなげたい時にはこう使おう


今後積極的に取引を行っていきたい相手から提案があったが、今回はスケジュールの都合でどうしても無理という場合があります。
今回はどうしても無理だが次回になんとしてもつなげたい、という場合にも「ご縁がありましたら」が使えるのです。

積極性をアピールしたい時には、「ご縁がありましたら、ぜひ今後ともよろしくお願いします」と伝えましょう。

この言い方なら丁寧なので、今回はやむなく断るとしても好印象を与えられます。
前向きな姿勢を見せられるので、次のチャンスにもつながっていきそうです。

使う相手を間違えない


当たり前ですが、今後も継続して業務が続く相手には使いません。

普段から深い付き合いがある相手にも、もちろん使ってはいけないので注意しましょう。
ビジネスマナーとして常識です。

うっかり使ってしまうと失礼に当たり、取引自体が終了になってしまう恐れもあります。
メールなどで、誤って書いてしまうと命取りになってしまうこともありますよ。

多忙でもメールの文章はきちんと読み返して、送信前の確認を怠らないようにしましょう。
逆に、今回限りでご縁が切れてしまう相手に使用するのも厳禁です。

これも失礼な印象になり、会社の社会的なイメージを大幅にダウンさせてしまう原因になるでしょう。
いくら今回でいったんお付き合いが途絶える相手だとしても、気を付けておきたい部分です。

あなた1人が気をつけるのではなく、部下や会社全体にも周知しておきましょう。

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「ご縁がありましたら」の類義語とは


「ご縁がありましたら」の使い方について解説しました。

しかし、「ご縁がありましたら」だと堅苦しく感じる場合もあるかもしれません。
「ご縁がありましたら」が使いにくい時には、類義語を使うのがおすすめです。

ここでは、どんな類義語があるのかを詳しく解説していきます。

「機会がありましたら」


「ご縁がありましたら」だと少しおおげさに感じる場合には、「機会がありましたら」を使うのがおすすめです。
「今度ご一緒する機会がありましたらよろしくお願いします」のように使えます。

似たような言い方で、「機会があれば」もあります。
少しくだけた言い方なので、職場の同僚や友人に対して使うのに向いています。

「機会があったなら」という言い方もありますね。
こちらは仮定を含む言い方なので、実現の可能性が低い時にも使えます。

今回は断ってしまったが、次回に似たような機会がありそうな場合に使うと良いでしょう。

「また何かございましたら」


「また何かございましたら」という言い方も丁寧で使いやすいですね。
今回は断ってしまったが、次回はお応えしたいという場合に使うのがおすすめです。

少しくだけた言い方にしたい場合は「また何かありましたら」でも大丈夫。

逆に少し丁寧さをプラスしたい時には、「何かの折には」という言い方もおすすめです。
「折」というのは「機会」と同じ意味合いになります。

かしこまった言い方になるので、目上の方に伝えたい時の言い方としても最適です。

またのチャンスがありましたら


「ご縁」だとちょっと重たく感じそうな時には、「チャンス」と言い換えるのもおすすめです。
「またチャンスがありましたらよろしくお願いいたします」というように使います。

こちらからお断りする時に使うのではなくて、事業を提案したい場合やコンペなどに挑戦する立場の時に使うのに向いています。
こちらの前向きな姿勢を表すのに、ぴったりな表現です。

相手が今回断ったことに対して申し訳ない、と思っている場合の返事に使うといいですね。
「断られたことを気にせずに、また挑戦します」という気持ちを表現できる言い方になります。

ビジネス以外の場で使う「ご縁がありましたら」の意味


「ご縁がありましたら」はビジネスの現場以外でも使われることがあります。

かなり昔から使われてきた言葉ですが、近年使われるようになった言い方もありますよ。
いったい、どんな場面で使われているのかを見てみましょう。

旅先で意気投合した人や世話になった人との別れ際


こちらは、昔から多く使われている言い方なのではないでしょうか?

旅先や出先などで偶然知り合った人と、意気投合する場合がありますよね。
初めて会ったのに、気が合って話が盛り上がるような出会いもあります。

しかしお互いに旅人ですから、次の目的地に出発する時にはお別れです。

そんな時に、「ご縁がありましたらまたお会いしましょう!」という言葉をかわします。
このような使い方は、とても素敵ですよね!

現代では連絡先を交換することもあるでしょうが、大昔だったらそうはいかなかったはずです。
きっと昔から旅人たちは、この言葉を交わしながら旅をしてきたのかもしれないと考えるとロマンティックな気分になります。

お見合いなどの縁談


「縁」というのは、男女間の関係にも使われるということを先にご紹介しました。

実際に結婚などにつながる関係のことを『縁談』といいますよね。
お見合いなど縁談の場でも「ご縁があれば」という言い方をします。

結婚が決まることを「縁談がまとまる」とも言いますよね。
また、「今回はご縁がなかったということで」という言葉を耳にする事もあります。

これは、お見合いの相手にお断りされてしまった時のセリフです。
仲人さんから間接的に言われることが多いのでしょうか。

婚活アプリが全盛の今、お見合い文化が廃れてきています。
「今回はご縁がなかったということで」という言葉も、縁談の場では廃れてしまうのでしょうか。

神社での祈願


結婚につながるご縁は「縁談」だということをご紹介しました。
それと似たような言葉をもうひとつ。

「ご縁がありますように」という願掛けの言い方です。
主に神社などで良縁祈願をする時に使います。

結婚相手や、良い出会いを求める時の言い方になります。
神社でお願いする時には縁起を担いで、五円玉をお賽銭として入れることも多いです。

恋愛や結婚に関する縁ばかりでなく、友人関係や仕事関係でも「ご縁がありますように」と願うことがあります。
懸賞応募やお金にまつわる事に関して「ご縁がありますように」と願う人も多いです。

フリマアプリ

最後は現代ならではの使い方です。

最近はすっかり生活に馴染んできた、フリマアプリ。
実は、ここでも「ご縁がありましたら」の言葉が多く登場します。

フリマアプリで取引をした場合、最後に出品者と購入者がお互いに評価をつけあいます。
そのメッセージ上でよく見かけるのが、この言葉です。

主に出品者が「ご縁がありましたら、またよろしくお願いいたします」というメッセージを書き込むことがあります。

これぞ「ご縁がありましたら」の現代らしい使い方なのではないでしょうか?
フリマアプリでの出会いも確かにご縁ですから、使い方として合っていますよね。

「ご縁がありましたら」の意味を正しく理解しよう


今回は「ご縁がありましたら」の様々な使い方をご紹介しました。
思いのほか、たくさんの使い方があって驚いたのではないでしょうか。

「ご縁」という言葉はとても日本らしく、情緒のある言葉です。
昔から使われてきた言葉ですので、これからも大切に引き継いでいかなくてはなりません。

ぜひ正しい使い方で、良いご縁を築いていきましょう。

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早乙女フミカ(ライター)
早乙女フミカ

ファッション美容恋愛メインのオールジャンルライター

大手アパレル勤務時にレディースブランド2店舗を担当。その後ファストファッションブランドに転職、レディースとメンズを担当。異性ウケするファッションが得意。美容好きのコスメマニアでもあります。趣味が高じてコスメ薬事法管理者資格と化粧品検定3級を取得。読書が趣味で図書館にも長年勤務していたので本についての知識も豊富。

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