2021.12.09

一人称「自分」はどんな人?女性も使う?ビジネスシーンでのマナーは

一人称で「自分」を使う人がいます。特にビジネスシーンではそのような男性を見かけることがあるのではないでしょうか。また、女性でも一人称「自分」の人は存在します。今回は一人称が「自分」の人に見られる特徴や心理についてご紹介します!

一人称が「自分」の人は周りにいる?


自分のことを表す際に使う言葉である一人称。
一般的な一人称として「私」「俺」などが挙げられます。

一方で「自分」を一人称として使う人がいます。
特に男性は「僕」「俺」と一人称の選択肢が多く、その中のひとつとして「自分」を使うケースも。

1割強の男性が「自分」を使っているのだとか。

英語では男女とも「I」とシンプルな反面、日本語では種類がたくさん。
過去に存在したものを含めれば「吾輩」「某」「拙者」など、さらに多くの一人称が存在します。

一人称は自分が自分をどう思うかを表し、個性がにじみ出るもの。
今回は一人称について考えていきましょう!

関連記事

一人称で「自分」を使う人の特徴


一人称で「自分」を使う人はさまざまですが、ある程度のタイプに分けられます。
どんな特徴を持ったタイプがいるのか、チェックしましょう!

硬派


自らを「自分」と呼ぶのは、硬派なタイプである可能性があります。
真面目で上下関係を大切にする傾向が強いでしょう。

元々、自らを「自分」と呼ぶのは軍隊での風習と考える説も。
戦時中のドラマや映画などで「自分は○○であります!」と主張しているシーンを見たことがあるという方もいるでしょう。

そのようなイメージから「自分」を使う人に男らしく、硬派な印象を抱く人も。
逆に「頑固そう」「ちょっと不器用そう」といったイメージを抱くこともあるかもしれません。

体育会系


体育会系出身であるために「自分」と言う人もいます。
規律の厳しい体育会系の中では、年上の人に「俺」とは言いにくいもの。

また、強い自分を演出するために「僕」と言うのもはばかられます。
その中で「自分」という一人称を使うようになる体育会系の人が多いのでしょう。

確かに、体育会系出身の人で社会人になっても自らを「自分」と呼ぶ人はよくいますよね。
インタビューなどで、スポーツをしている人が「自分は…」と言う姿もテレビでよく見られます。

上下関係のはっきりしている集団の中では、一人称の使い方も影響を受けるのですね!

自信がある


一人称に「自分」を使う人の特徴として「自分に自信がある」ということも挙げられます。
硬派で力強いため、そのようなイメージを持たれることがしばしば。

しっかりと自己主張をする人も多く、ハキハキとした話し方をするという人もいます。
または体育会系でいつも堂々としているという人もいるでしょう。

もしくは、弱い人間と見られたくないために自信があるように振る舞っているケースもあります。

内気


「体育会系」「自分に自信がある」と反対のように思えますが、一人称が「自分」の人の中には内気な人も多くいます。

「自分」はビジネスシーンでは誰に対しても使える言葉です。
普段から「自分」で統一しておけば、目上の人の前でうっかり「俺」と言ってしまうこともありません。

波風を立てない無難な選択とも言えます。
また、他の一人称に対して下記のような心配をする人もいます。

  • 「俺」は格好をつけているイメージ
  • 「僕」は子供っぽいイメージ
  • 「私」は丁寧すぎるかもしれない

そうした心配を持つ人にとって「自分」は無難で、妥当な印象を受けるのでしょう。
このような理由から「自分」と呼ぶ人は思慮深く、慎重な性格である可能性が高いと言えるでしょう。

フラットな立場でいたい


「僕」と言えば甘えているようなイメージを与えてしまう可能性があります。
しかし「俺」と言えば上から目線と思われかねません。

一方「自分」には、そのように上下関係を印象付けるニュアンスはありません。
上下関係が生まれにくく、好印象を抱かれることも。

力関係に配慮したいと考えている人は、そのような理由で意図的に「自分」を使うことがあります。

ビジネスシーンだけではなく、プライベートでも「自分」という人もいます。
対等でありたいと考える人は、恋人の前でも「自分」と言うことがあります。

一人称で「自分」を使う人の仕事の特徴


一人称に「自分」を選ぶ人は、ビジネスシーンでどのように活躍しているのでしょうか。
仕事の傾向について見ていきましょう!

着実に物事を進める


自信がなく内気だったり、普通でありたいと思っていたりするタイプは、仕事にもその姿勢が現れます。
一人称に「自分」を選ぶ人の中でもその傾向が強い人は、仕事を着実に進めるタイプが多いでしょう。

与えられた仕事はしっかり行い、大きなトラブルを起こすことはめったにありません。
自分から意見を発信することは少ないですが、黙々と仕事をするので、信頼されていることも!

上司に忠実に従う


体育会系出身で上下関係を大切にしているタイプであれば、上司を尊重するケースが多いでしょう。

上司から言われたことに対しては忠実に従います。
「目上の人から言われたことは絶対」と、無意識に考えていることもあります。

また、取引先の企業や顧客に対しても礼儀を大切にして接します。
気を使って話しかけたり盛り上げたりすることもあるため、周りからよい印象を持たれていることも多いでしょう。

アイデアマン


周囲からの見られ方や自分の立ち位置などを考えて、意図的に一人称を「自分」にする人がいます。
そんなタイプは工夫して行動することが習慣になっており、考える力も高め!

仕事では自ら提案して難しい局面を乗り切ったり、新しいアイデアを出したり…。
柔軟に活躍できる人も多いでしょう。

一人称「自分」はおかしい?嫌い?


一人称「自分」を使う人を、周囲の人はどう思っているのでしょうか。

「自分」を使う男性に対して、真面目な感じがして好感を抱くという人がいます。
上から目線というイメージを感じず、礼儀正しさを感じるのでしょう。

「年下の男性が使うと、爽やかさや素直さを感じられて可愛い!」と感じる女性も。
しかし中には、一人称「自分」は苦手という人も…。

  • 正しい一人称ではない
  • ビジネスシーンにそぐわない
  • 体育会系で、逆らえないように感じてしまう
  • 多用されると自己主張が激しいように感じる

「自分」を使う人に対して、このような理由からよくない印象を持つ人もいるのですね。

「自分」以外の一人称


たくさんの一人称の種類がある日本語。
どのような一人称があるか、おさらいしてみましょう。

意外な発見があるかも?

わたし


「わたし」は女性が普段から使うことの多い一人称です。

ビジネスシーンでは男女関係なく使うこともあります。
男性は上司や取引先の担当者など、目上または社外の人に使うケースが多くあります。

中には「あたし」と発音する人もいます。
こちらはくだけた雰囲気であり、元気で若い女性の一人称とイメージする人が多いようです。

また男性も落語家が使用することもあります。
地域によっては「わたす」「わだす」「あだす」など、多くのバリエーションがあることも!

わたくし


ビジネスシーンで一般的に使われている一人称です。
「わたし」よりもかしこまった場面で使われます。

大切な取引先との会話や、就職活動における面接など、特にフォーマルな場では「わたくし」を使うことがマナーとされています。

普段は「わたし」でも、電話口では「わたくし」を使うという方もいるでしょう。


穏やかで優しそうな印象を受ける一人称です。
主に男性がプライベートで使います。

また、ビジネスシーンでも使用することがあります。
部下や後輩といった目下の人に対して使う傾向があります。

また、親しくて年齢が離れていない先輩など、比較的近しい人であれば目上に対して使ってもいいという雰囲気があります。

しかし「僕」は、堅苦しい場では控えることがほとんどです。
面接や大切な商談などでは、避けることが多いでしょう。


プライベートで、家族や恋人・友人に対して使われることの多い一人称です。

ビジネスシーンで「俺」と言うと偉そうな印象を抱かれるため、避ける人が多いでしょう。
「品がない」「公的な場所で使うものではない」という見方がされることもあります。

現在は男性が使うことが一般的ですが、元は男女関係なく使っていたと言われています。

また、一人称ではなく二人称として使っていた時代もあるのだとか。
時代によって言葉のイメージが異なるのも興味深いですね!

うち


関西方面で使われる女性の一人称です。
また、他の地域でも若い女性を中心に使う人がいます。

特に近年では、小学生〜中学生の女子で「うち」を使う人も増えているのだとか。
一部の地域では男女関係なく使用されています。

わい


一人称である「わし」が変化したものと呼ばれています。
男性的なイメージがありますが、青森県の一部地域では男女関係なく「わい」を使うこともあります。

近年ではSNSなどの影響で、女子高生が自分のことを「わい」と呼ぶこともあると、一時期話題になりました。

「わたし」と言うのはなんとなく違う…と感じるのだとか。
「わい」は短くて便利という意見も!

関連記事

一人称が「自分」の男性との恋愛


恋人や好きな人の一人称が「自分」だったら、どのように接するのが良いのでしょうか。

どのような意図から「自分」を使っているかによっても異なります。
それぞれのタイプごとにチェックしてみましょう!

適度に頼る


体育会系出身で「自分」を使う男性に対しては、頼ることでアプローチしてみましょう。
何事も積極的、人とコミュニケーションをとることが好きなタイプは、リードしたいと考えている人が多くいます。

頼り甲斐のある彼氏でいたいと思っていることがしばしば。
「強くありたい」「自分の力を示したい」と考えていることもあります。

そんな彼の気持ちを、適度に満たしてあげることを意識するといいでしょう。

リードする


真面目でおとなしいタイプで「自分」を使う男性は、こちらからリードする気持ちを持つといいでしょう。

女性に対して緊張したり、傷つきたくないと感じていたりするケースがあるためです。

このようなタイプの男性は、自分の言動に自信を持てないことも。
自分の判断で物事を進めていくことに対して抵抗感があります。

こちらから連絡やデート誘いをするのもOK!
デートの内容を提案してあげてもいいでしょう。

一人称で「自分」を使うおとなしいタイプの男性には、リードすることを意識しましょう。

本音を出す


友人や家族に対しては「僕」「俺」を使うのに、女性に対しては「自分」を使う男性がいます。

相手との関係が定まらなかったり、まだ打ち解けていなかったりするため、とりあえず無難な「自分」を使うというケースがあります。
中には、恋人になっても「自分」を使い続けるという人も…。

そのような男性に対しては、もう少し打ち解けると「僕」「俺」を使うようになるかもしれません。
自分から本音を話すなどして、距離を縮めていくといいでしょう。

一人称が「自分」の女性の特徴は?


一人称「自分」を使うのは、男性の方が多いもの。
しかし、女性が使う場合もあります。

女性が「自分」を使うのは、どんな理由からなのでしょうか。
チェックしてみましょう!

女性らしさを出すのが照れくさい


女性の一人称の中でも、一般的なのは「わたし」です。

しかし女性らしいと思われるのが照れくさいという理由から「わたし」を使うのがなんとなく恥ずかしいと思う女性もいます。

女性が使うその他の一人称は「うち」、もしくは自分の名前という人もいるでしょう。
どちらも幼いイメージを抱かれることがあり、特にビジネスシーンには不向きです。

そんな女性がどんな一人称にするか考えた結果「自分」になるケースがあります。
男性も使う一人称であるからこそ、照れくささを意識せずに使えるのでしょう。

女性であることで弱く見られたくない


性別によって自分の立場を左右されたくないという場合に「自分」という一人称を使うことがあります。
中でも、周囲に男性が多い職場の中では顕著です。

女性らしくいることで下に見られるなど、損をしてしまうケースも…。
そのような立場にいる女性は、弱くみられたくない、男性に負けたくないと思い「自分」を使うことがあります。

「部下が男性で、自分は女性」という場合もあります。
男性部下のプライドを傷つけてトラブルになるくらいなら、女性らしさを出す必要がないと考える人もいるのでしょう。

また「性別を変に意識してほしくない」「気をもたせたくない」という理由から、性別に関係ない「自分」を選んで使うこともあります。
女性であることを意識させないため、一人称で工夫しているのですね。

男性的な感覚を持っている


全ての女性が、女性らしい可愛らしさを目指しているわけではありません。

ボーイッシュなファッションを好む女性や、格好良い自分でありたいと思っている女性など、人によってその価値観はさまざまです。

男性的な感覚を持っている女性は、女性らしくいることが苦手なケースも。

かといって、男性的なイメージの強い「僕」「俺」を使うほどでもない…。
もしくは、周りの目を気にして「僕」「俺」を使わないという場合もあります。

そんな女性は、性別を意識せずに使える一人称である「自分」を選ぶことがあります。

一人称が「自分」の女性に対しての印象は?


一人称が「自分」という女性に対して、男性はどのような印象を持つのでしょうか。

「仕事で関わる人や友達であれば特に気にならない」と感じる男性がいます。
真面目で誠実、遊んでいないという雰囲気を感じて、好印象になることも。

反面、女性らしさを感じないという意見も…
「硬い感じがする」「距離感を感じる」と考えるのでしょう。

特に恋人や近しい関係なら、距離が遠い感じがして寂しいと感じる男性もいるかもしれません。

とは言っても、一人称は自分らしさにかかわるもの。
性別や周囲の視線に関係なく、好きな一人称を選びたいものですね!

一人称で「自分の名前」を使う女性の特徴は?


女性を中心に、自分の下の名前を一人称にしている人がいます。
子どもの頃は自分の名前を使っていたという人もいるでしょう。

しかし中には、社会人になっても自分を名前で呼ぶという人も。
番外編として、一人称が「自分の名前」の人の特徴や心理もチェックしてみましょう!

クセになっている


子どもの頃から自分のことを名前で呼ぶ習慣があり、クセになっているという人がいます。
中には大人になっても、恋人や家族の前では名前を使っているという人も。

そんな人でも、会社や友人の前では「わたし」などと言うようにしている人がほとんど。

しかしクセになっているため、ふとした時にうっかり自分の名前を使ってしまった…ということが!

子どもの頃から可愛がられて育ってきた人は、大人になってもその感覚が残っていることがあります。

兄弟の中では末っ子で、親からも兄弟からもたっぷりの愛情を受けて育ってきたというケースも多いでしょう。
「○○はね〜」と、いつも自分の話を聞いてもらっていたのかもしれませんね。

また、一人称が自分の名前の人には、名前が2文字の人が多いのではないかという意見も。
「わたし」と言うよりも短くて楽なのかも?

そのような人は特別な理由がなく、大人になった今でも自分の名前を使うことがあります。

可愛いと思われたい


かまってほしい、可愛いと思われたいという理由から、意図的に自分の名前を使うケースもあります。
中にはそんな女性のことを可愛いと感じる男性もいるそう!

また、中には親から十分な愛情を受けられなかったなどの理由から「甘えたい」「かまってほしい」といった感情が生まれることも。
自分のことを可愛がってほしいという欲求の表れかもしれません。

家族や恋人など、特別親しい関係にある人以外に対して使うのは、トラブルのもと!
幼いイメージを持たれたり、反感を買ったりと、何かと損をしているかも。

ビジネスシーンで適切な一人称とは


厳密に言えば、ビジネスシーンで使う「自分」はマナー違反です。
「自分」を使うのは、旧日本軍での文化。

それを知っている人からは、あまりよくない印象を持たれかねません。
「融通がきかず、お硬い感じ」と思われてしまうことも。

また、関西では「自分」を二人称として使うことも。
誤解や混乱を防ぐためにも、相手の出身などによっては避けることが無難でしょう。

もちろん、自分の名前を一人称にするのもNG。
同期など、親しい同僚に対しても使わないという人が大半でしょう。

「わがままな人なのかな?」「ちょっとズレている人なのかな?」と思われかねません。
ビジネスシーンでは、「わたし」「わたくし」で統一することが無難です。

加えてビジネス文書では「当方(とうほう)」が使われることがあります。
自分や、自分が属す組織などを指す表現で、こちらも男女問わず使用できます。

しかし、中にはそこまで気にしていないと言う会社も。
会社の雰囲気や、その時の状況によって許容範囲は変わるのですね!

まとめ


一人称が「自分」の人はその理由や背景はさまざま。
一人称だけでその人の性格を判断することはできません。

しかし「自分」を使う理由を考えることが、相手に対しての理解を深めるきっかけになる可能性もあります。
これを機に、一人称について考えてみてはいかがでしょうか。

関連記事

この記事をシェア

Twitter
Facebook
a_fuji(ライター)
a_fuji

Webライター、経営者サポート、社会福祉士のパラレルワーカー。穏やかに楽しく生きていく方法を模索中です。

このライターの記事を見る