LDLコレステロールの基本
そもそもLDLコレステロールとは一体なんなのでしょうか。
なぜLDLコレステロール値が高いと問題なのでしょうか。
まずはLDLコレステロールを下げる方法について考える前に、LDLコレステロールの基本をおさえておきましょう。
2021.10.22
健康診断でなぜかLDLコレステロール値だけが悪かった...そんな女性は多いと思います。というのも、LDLコレステロールには女性ホルモンが深く関わっており、女性特有の原因が存在するからです。今回はLDLコレステロールが高い原因とその対処法をまとめました。健康でいたい女性必見です。
そもそもLDLコレステロールとは一体なんなのでしょうか。
なぜLDLコレステロール値が高いと問題なのでしょうか。
まずはLDLコレステロールを下げる方法について考える前に、LDLコレステロールの基本をおさえておきましょう。
コレステロールは脂質の1つで、健康な身体を維持するのになくてはならないものです。
コレステロールには幾つか種類があり、HDL(善玉)コレステロールとLDL(悪玉)コレステロールの2つがよく知られています。
LDL(悪玉)コレステロールは肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割があります。
これが増えすぎると血管の壁に蓄積していき、血管の壁が厚くなっていってしまいます。
その結果動脈硬化を引き起こしてしまうのです。
一方HDL(善玉)コレステロールは、増えすぎたコレステロールを回収する役割があります。
さらに血管の壁に蓄積したコレステロールを取り除く働きもしますので、LDLコレステロールとは逆に動脈硬化を防ぐ役割があります。
コレステロールは身体に必要不可欠なものですが、HDLコレステロールとLDLコレステロールの比率が悪くなると健康に問題を起こす可能性がでてきます。
LDLコレステロールだけが高くなると、HDLコレステロールとのバランスが悪くなります。
バランスが悪くなると、動脈硬化の原因となり得ます。
動脈硬化は自覚症状が少なく気づかないうちに症状が進行し、「心筋梗塞」や「脳梗塞」などの合併症を引き起こす可能性があります。
ここからは、具体的にはLDLコレステロールの値がどこからが危険信号とされているのか確認していきましょう。
HDLコレステロール値とのバランスも大事です。
健康診断などでは、以下の数字を外れると一般的に「脂質異常」と判断されます。
LDL(悪玉)コレステロールは高いとダメで、HDL(善玉)コレステロールは低いとダメということですね。
ですがこれはあくまでも「目安」でしかありません。
高血圧や糖尿病など動脈硬化になるリスクが高い人は、LDL(悪玉)コレステロール値の目標値がこれより低くなるので注意が必要です。
健康診断ではコレステロールの値としてL/H比もでてくることが多いと思います。
これはLDLコレステロール値とHDLコレステロール値の比率です。
LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値で算出します。
最近はLDLコレステロール値が高いからダメ、HDLコレステロール値が低いからダメということではなく、このL/H比が重視されるようになっています。
L/H比により血管の内部の状態が以下のようになっていると推測できるからです。
L/H比 | 血管内部の状態 |
---|---|
1.5以下 | きれいで理想的な状態 |
2.0以上 | コレステロールの蓄積が増えていると考えられる 動脈硬化の疑いあり |
2.5以上 | 血栓ができている可能性あり 心筋梗塞のリスクが高い |
LDLコレステロールを下げるだけではなく、HDLコレステロールとのバランスも意識していきたいところですね。
LDLコレステロールだけが高くなると、結果としてHDLコレステロールとのバランスが悪くなってしまいます。
ですが、なぜLDLコレステロール値が高くなってしまうのでしょうか。
LDLコレステロール値が高くなる原因には、一般的なものと女性特有のものとがあります。
LDLコレステロールが高い原因としては、主に以下のものがあります。
家族性高コレステロール血症という、遺伝的にLDLコレステロールが高くなりがちな人がいます。
またケーキなどの飽和脂肪酸の多い食べ物や、アルコールやたばこもLDLコレステロールを上げる原因です。
加えて、女性の場合もう1つLDLコレステロールが高くなる特有の原因があります。
女性特有の原因、それは女性ホルモン「エストロゲン」の分泌減少です。
エストロゲンはLDLコレステロールを肝臓に呼び込む働きがあり、エストロゲンが十分に分泌されているうちはLDLコレステロールが高くなる可能性は低いです。
エストロゲンの分泌は20代後半から30代前半がピークですが、ホルモンバランスの乱れによりその年代でもエストロゲンの分泌が少ない人もいます。
20代後半から30代前半の女性で、太ってもおらず食生活にも気を使い、たばこもすわないのにLDLコレステロール「だけ」が高い人の場合、その原因としてエストロゲンの分泌が十分ではないということも考えられます。
LDLコレステロールが高い原因を取り除くには、以下の2点を意識するようにしましょう。
女性男性関係なく、LDLコレステロールを下げるにはまずは生活習慣の改善が大切です。
LDLコレステロールが高い原因として、食習慣・運動習慣が関わっていることが多いからです。
後ほどご紹介するLDLコレステロールを下げる食事、L/H比を改善する運動を参考に生活習慣を見直しましょう。
女性ホルモン・エストロゲンの乱れは、LDLコレステロールが高くなってしまう原因になり得ます。
エストロゲンの分泌低下を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?
まずはストレスをためないようにしましょう。
自分の好きなことをする時間をとり、よく寝て身体を動かし規則正しい生活をおくりましょう。
冷えはホルモンバランスが乱れる原因です。
冷房の使いすぎ、冷たいものの飲みすぎ、身体を冷やさないよう要注意です!
女性ホルモンと似た働きをもつイソフラボンを積極的に摂取することもおすすめです。
豆腐や納豆などに沢山含まれますよ。
LDLコレステロール値には生活習慣が大きく関わってきますた、その中でも一番大きい要因が「食事」です。
LDLコレステロール値改善のためには以下の4つを意識した食事をとるようにしましょう。
質の悪い脂とは飽和脂肪酸のこと。
飽和脂肪酸は常温で固まる脂のことで、LDLコレステロール値改善の鍵になるものです。
飽和脂肪酸は動物性の脂にたくさん含まれてています。
例えばバター、パン菓子やケーキ、生クリームなどにたくさん含まれており、知らず知らずの間に意外とたくさん摂取してしまっているものです。
バターや生クリームなど飽和脂肪酸をたっぷり含んだ洋菓子より、ヘルシーな和菓子を選びたいものですね。
また肉にも飽和脂肪酸は含まれてます。
とは言っても、肉は良質なたんぱく源にもなるもので、むやみに減らすことはおすすめしません。
肉の選び方と食べ方を変えて飽和脂肪酸を減らしましょう
まず食べ方ですが、お肉の脂肪は除いてから調理してください。
肉の脂肪部分は飽和脂肪酸とカロリーの宝庫。
脂肪部分をとるだけで、カロリーも飽和脂肪酸も劇的に減らすことができます。
次に選ぶ肉の部位も大事です。
鶏肉ならモモ肉よりささみがおすすめです。
牛肉なら肩ロースなど脂肪の多い部位より、ヒレ肉などの良質な赤身を選ぶようにしてください。
和食中心の食生活を心がけると、自然と飽和脂肪酸の摂取量は減りますね。
脂というとLDLコレステロールの大敵というイメージがありますがそうではありません。
質の良い脂肪酸は、逆にLDLコレステロールを下げる働きがあります。
質の良い脂はとしては以下のようなものがあります
いずれも取りすぎはカロリー過多など別の問題も出てきてしまいますからNGですが、例えば調理の油をごま油やオリーブオイルに変えるなどして、良質な油を摂取するようにしたいですね。
食物繊維はLDLコレステロールを増やしにくくしたり、心筋梗塞のリスクを下げると言われています。
キノコや海藻、玄米を積極的にとるようにしましょう。
また野菜ならごぼうや白菜、キャベツなどに食物繊維が多く含まれています。
コレステロールの1日の摂取目安は「1日300㎎以下」です。
コレステロールは動物性の食品に多く含まれます。
特にコレステロールが高い食品は、肉や魚の内臓や卵、魚卵、および卵を使ったお菓子などです。
具体的には以下のような食品に多くのコレステロールが含まれます。
食品と100gあたりのコレステロール
食品 | コレステロール |
---|---|
すじこ | 510㎎ |
いくら | 481㎎ |
牛タン | 97㎎ |
牛レバー | 97㎎ |
卵黄 | 1,400㎎ |
シュークリーム | 230㎎ |
カステラ | 160㎎ |
ショートケーキ | 140㎎ |
バターケーキ | 170㎎ |
プリン | 140㎎ |
どれもとても美味しい食べ物ですが、食べる頻度をできるだけ減らす、あるいは食べる量を減らすなどしていきたいものですね。
生活習慣改善と言われたら、食事の見直しと運動不足の解消が大切ですね。
LDLコレステロールだけが高いときも、前述した食事の見直しと運動が大切です。
なぜ運動が重要なのか、どんな運動をすればよいのかみていきましょう。
実はLDLコレステロール値の改善と運動にはあまり関係がないとも言われています。
LDLコレステロール値を改善したいときは、運動よりも食事の改善が一番効果的です。
しかし直接関係ないとはいえ「LDLコレステロールだけが高い」ときには、やはり運動もとりいれたいところ。
その理由はL/H比です。
適切な運動はHDL(善玉)コレステロールを増やすと言われています。
HDL(善玉)コレステロールが増えることで、結果としてL/H比が改善していくことが考えられるからです。
HDL(善玉)コレステロールを増やし、L/H比を改善するにはどんな運動をすれば良いのでしょうか。
それは有酸素運動です。
ウォーキングや軽いランニング、サイクリングや水泳などが効果を発揮します。
最近の研究では、少なくとも週120分の有酸素運動が必要です。
また1回あたりの運動の時間が長ければ長いほどHDL(善玉)コレステロール値が増えたことが発表されています
このような結果から、週に3~5回、1回40分程度~を目安に有酸素運動を取り入れると効果的と考えられます。
日常的に運動を取り入れるのが難しいのであれば、職場までエレベーターを使って上っていたものを階段にしてみたり、バス停1つ分歩くなど、できるところから工夫して運動量を増やすようにしましょう。
巷にはLDLコレステロールを下げるサプリが沢山売られていますよね。
LDLコレステロールを下げるサプリって実際きくのでしょうか?
結論から言うと「補助的に使うのはアリだけれど、やはり食事と運動が大事」と言えそうです。
最近流行りの「機能性表示食品」をうたったサプリは、あくまで自分(製造者)たちの責任の範囲で効能が期待されるものであり、消費者庁の個別審査をうけたものではありません。
またサプリは薬とは違い、病気の治療を目的としたものでもありません。
基本は食事と運動でLDLコレステロールの改善を目指し、補助的にサプリを取り入れるのが良さそうです。
※サプリの使用は自身の体の状態や服薬状態を確認して摂取するようにしてください。
高いLDLコレステロールは将来の大病の原因ともなる動脈硬化を引き起こす、かなりやっかいなものです。
LDLコレステロールが高い原因を知り、しっかりコントロールして健康的に生きていきたいものですね。
英語・キャリア系の記事が得意◎ブラジル在住ライター
英語力0からアメリカ高校留学・オーストラリアTAFE留学を経て英検1級・TOEIC950に。ブラジル現地会社で英語とポルトガル語で経理関係の仕事をしています。ブラジル会計士資格取得済み。ブラック企業から転職エージェントを利用しコンサル企業に転職成功した経験からキャリア関係の知識も豊富。趣味は読書と遺跡巡りと美容研究。
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