企業が志望動機を聞く理由
企業が中途採用の面接をするときは、ほとんどのケースで志望動機を聞かれます。
これは、企業にとって応募者の志望動機を知ることに重要な意味があるためです。
そこで、まずは企業が志望動機を聞く理由を理解しておきましょう。
志望の本気度を確かめる
理由の1つめは、「応募者の自社に対する志望度の高さを確認するため」というものです。
企業は、自社への志望度が高く本気で入社を目指している応募者を採りたいと考えています。
これは、志望度の低い応募者に内定を出して辞退されたり、入社してもすぐに離職されたりしては困るからです。
志望意欲の高い応募者であれば、長く自社で働き貢献してくれる可能性が高いでしょう。
そこで、志望動機の内容や深さから、志望動機の高さを測っているのです。
本当に入りたい会社であれば、企業について十分に理解したうえで志望していることが伺える内容となっているでしょう。
反対に、志望動機がどの企業でも通用する内容であれば、志望度はそれほど高くないと判断できます。
求める人物像や社風とマッチしているかを確認
採用にあたって、企業にはそれぞれ「我が社にはこういった人に入ってきてほしい」と願う人物像があります。
応募者にどれだけ実績があっても、求める人物像とかけ離れていれば採用の可能性は高くありません。
これは、採用しても期待する働きをしてくれない可能性があるためです。
また、企業にはそれぞれ培ってきたカルチャーや社風があります。
採用の際には、企業カルチャーや社風に合い、なじめる人材かどうかも重要視されます。
これは、仮に社の雰囲気になじめなければ、業務が円滑に進まなかったり、本人が思うように活躍できなかったりする可能性があるからです。
そこで、企業は志望動機をはじめ、さまざまな質問に対する回答から求める人材や社風に合う人物かどうかを判断しています。
面接での志望動機の長さは2分が目安
志望動機は、短すぎるのはもちろん、あまり長いのも良くありません。
ここでは、面接における志望動機の適切な長さや、長くなると良くない理由などについて解説します。
2分程度がベスト
面接での志望動機のおすすめの長さは、2分程度です。
2分間あれば、「志望度の高さ」や「企業が求める人材にマッチしているスキルや強み」を過不足なく伝えられます。
1分以下であれば十分に伝えるのは難しく、3分間も語ると冗長な印象を与えてしまうでしょう。
なお、盛りだくさんの情報を2分間で伝えようとして、早口でまくしたてるように話してはいけません。
大切なのは、1度に可能な限りたくさんの情報を伝えることではなく、必要な情報を面接官にきちんと伝えることです。
そのため、面接官が知りたいことに絞り、相手が聞き取りやすいスピードで落ち着いてハキハキ話すように心がけましょう。
内容がきちんと伝われば、面接官は「もっと知りたい」と考えて深堀りの質問をしてきます。
そのときに、伝えたいことを話せば良いのです。
話が長いと良くないのは冗長だから
応募者のなかには、意欲や熱意を伝えようとして、あれもこれもと長々と志望動機を語る人がいます。
しかし、長い時間をかけて話をしても、良い評価を得ることはできません。
かえって「要点を押さえた話ができない人」「コミュニケーションが取れない人」などと思われ、評価が下がる恐れがあります。
なぜなら、面接は、面接官の質問に対して求職者が一方的に話す場ではないからです。
「質問とその回答」という形で会話をキャッチボールする場であり、しっかりコミュニケーションを取って相互に理解を深めていく必要があります。
志望動機だけで3分間も5分間も語る行為は、キャッチボールになっていません。
そのため、評価が低くなるのです。
志望動機をはじめ、面接官に問われたことに対しては、「この質問を通して相手が知りたいことは何か」を考え、そこに要点を絞って簡潔に回答する必要があります。
時間の指定があったときは守る
これまで述べてきたように、面接で志望動機を語る際の理想的な長さは2分間程度です。
特に時間を指定されることがなければ、2分ほどで話すようにすると良いでしょう。
ただし、場合によっては「志望動機を1分間で話してください」など、時間が指定されることがあります。
このようなケースでは、もちろん指定時間を守って話すことが大切です。
1分間と指定されているにもかかわらず、2分以上話すとあまり印象が良くないので気をつけましょう。