営業電話・テレアポが必要な理由
IT時代である今日、営業電話やテレアポは一見、古典的な方法にも思えるかもしれません。
しかし、電話は現代でも営業において重要なツールのひとつです。
新規顧客の開拓には電話営業が有効
新商材や認知度が低い商材を見込み顧客に売り出す場合、営業電話の他に自社サイトのホームページなどがあります。
しかし、自社サイトにアクセスするのは完全な新規層ではないことが多く、認知度が低い場合は商品名による検索も見込めません。
ダイレクトメッセージやメールでは、目を通してもらえないことも多いでしょう。
電話営業は直接相手の反応を見ながら話せて、見込みがあればそのまま売り込むことも可能です。
一方、すでに顧客数や認知度に十分な余裕がある場合は、新規顧客を開拓するために電話営業を行う重要性は低いといえるでしょう。
電話は情報に集中しやすい
対面の会話と電話の情報伝達量を比較した心理学実験によると、電話の方が対面よりも伝達される情報量が多いという結果が出ています。
対面の場合、話し方や声に加えて、相手の表情や動き、しぐさ、周辺環境など多くの情報が入ってきます。
そのため、処理すべき情報量が多く、脳の認知機能に負担がかかってしまいます。
一方、声だけの電話は情報に集中しやすいため、より多くの情報が伝わるのです。
電話営業で重要な事前準備
営業電話は、やや難易度が高い営業方法です。
限られた時間で、さらに音声のみで相手と信頼関係を築く必要があるためです。
営業電話の成功率を高めるには、「当たって砕けろ」精神ではなく、十分に事前準備をしたうえで営業に臨みましょう。
電話先の情報を調べておく
まずは「相手をよく知る」ことが大切です。
自社内ですでにリストアップされている場合でも、下記のような項目を事前にしっかりと調べておくといいでしょう。
- 会社名
- 会社規模
- 事業内容や商材
- 担当者・キーマン(可能であれば)
しかし、時間をかけて情報を深堀すれば良いというものではありません。
1つの会社を長時間費やして調査しても、実際に電話してすぐに断られてしまえば、その時間は報われません。
事前準備をする際は効率よく行い、かける時間も意識して調査をしましょう。
台本であるトークスクリプトを用意する
トークスクリプトとは、営業電話の台本です。
「Aと言われたらBについて話す」「Cに関して聞かれたら、Dを説明する」というように、営業電話の目標やクロージングまでの道しるべとなります。
相手に「同じことを何度も言っている」「話し方に自信がない」と思われてしまうと、自らチャンスを潰すことにもなりかねません。
事前にしっかりとトークスクリプトを準備しておきましょう。
トークスクリプトの作り方
トークスクリプトは、オープニング・メイントーク・クロージングの3部構成で作成していきます。
ここでは、具体的な作り方を解説します。
オープニング
営業電話の最初のアプローチは、受付突破の意味でも重要です。
ここでの目的は、「電話に出た受付の方から決裁権者に取り次いでもらうこと」。
電話に出た受付の方としては、用件がよくわからない人を、目上の決裁権者に取り次ぐわけにはいかないのです。
明らかに商材を売り込むような内容は避けましょう。
端的にわかりやすく、セールスではなく情報提供が目的であることが伝わる内容で話します。
メイントーク
受付を突破し、伝えたい内容まで話が進んだ場合、相手に興味をもってもらえるようなメイントークの内容を準備します。
最初に、相手にはどのような用件で電話しているかを伝えましょう。
商材のセールスポイントはだらだらと長くならないように意識し、最低限に要点を絞って簡潔に話します。
単なる商材の売り込みにならないように、自社目線ではなく相手のメリットを明確にしましょう。
クロージング
クロージングでは、目的であるアポイントにつなげることを目標とします。
話の流れによっては、「1度ご説明に伺いたいのですが、何日がご都合よろしいですか?」と話を進めるのも良いでしょう。
アポイントが取れなかった場合は、相手先の担当者名や次回電話をかけてもいい時間帯などをしっかり聞き出せると、次につなげることができます。
トークスクリプトは定期的な見直しを
トークスクリプトは1度作ったらそれで終わりではありません。
定期的に見直し、ブラッシュアップを続けることでより質の高いトークスクリプトになります。
実際に使いながら、使いにくい点やズレている点はないか、より成功率を上げるためにはどのような改良が必要か、メンテナンスしていきましょう。
営業電話の実践的なコツ5つ
営業電話の成功率を上げるには、いくつか意識しておきたいコツがあります。
ここでは、5つのコツを詳しく紹介していきます。
1.断られないように話を持っていく
相手の都合がわからない営業電話は、そもそも失礼なことが多いです。
「いまお時間よろしいでしょうか?」「お話してもよろしいですか?」と相手の様子をうかがうような質問をすると、相手も「いま忙しいのでお話できません」と断りやすくなってしまいます。
断られるような話し方はせずに「お忙しいところ恐れ入りますが」と言い切りましょう。
アポを取る際も、「来週の金曜日にそちらに伺ってもいいでしょうか?」と言うと、「来週の金曜日」の都合が悪い場合に話が終わってしまいます。
「来週でしたら金曜と火曜日、どちらのご都合がよろしいでしょうか?」など選択式に尋ねるようにしましょう。
2.電話の時間帯も意識する
電話営業では、電話をかける時間帯も考慮しましょう。
営業担当者の場合は、日中は外出で不在が多いため、出勤直後や夕方以降が理想的です。
事前準備の際に電話の時間帯も調査しておけるとスムーズですね。
もし相手が不在の場合は、何時ごろに戻るかを必ず聞きましょう。
自分の名前と会社名、相手に電話があったことを伝言してもらうことも忘れずに。
戻る時間に再度電話ができるよう、自分の時間も空けておきましょう。
3.読み上げではなく目の前の相手に話す
電話では声だけのやり取りですが、相手が実際に目の前にいると思って話をしましょう。
特にトークスクリプトに沿って話を進める場合、説明に夢中になり読み上げのような話し方になってしまうかもしれません。
電話は声だけの情報に集中しやすいため、言葉以外にも相手に伝わることが多いです。
対面以上に、相手の反応や様子に配慮しながら話を進めましょう。
4.相手のメリットを強調する
受注することで相手にどんなメリットがあるのかを強調しましょう。
「人気がある」「素晴らしい内容である」などは営業担当者自身の感想であり、相手からするとメリットを感じないため注意が必要です。
相手に興味を持ってもらえるように、価値提供できることをしっかりと伝えましょう。
5.言葉の選び方に注意する
電話をかけている時点で、相手は「押し売りされるのではないか」と敏感になっています。
「売る」「販売」「ご案内」などセールスを連想するような言葉を選ぶのは避けましょう。
受付の時点で、決裁者に電話をつなげてもらえなくなってしまう可能性もあります。
「ご確認」「ご提案」などに言い換えるだけで、相手が受ける印象は変わります。
「ご推薦」と切り出して、推薦理由を一緒に伝えるのも効果的です。
優遇されたという特別感もあり、「話を聞いてみようかな」と思ってもらいやすくなります。
営業電話を成功させるコツは事前準備から!
営業電話では、実際に電話をかけているときと同じくらい事前準備が大切です。
電話は対面よりも声の情報に集中しやすいため、準備不足や余裕のなさは相手に伝わってしまうかもしれません。
事前調査やトークスクリプトなど入念な準備を行い、営業電話のコツを意識することで成功率はぐっと上がるはずです。
ぜひ、できることから取り入れてみてくださいね。