仕事に向いていないと思うのは、甘え?
長くお仕事をしていれば、誰もが感じる「この仕事に自分は向いていないのではないか」という思い。
友人や同僚に相談してみたいけれど「甘えてるだけじゃない?」と言われそうで……とモヤモヤをため込んでしまっている方も多いかもしれません。
ですが、そんな思いを抱くことは甘えではありません。
むしろ本気で仕事のことを考えているという証拠です。
とはいえ、そのまま「向いていないかも?」と思いつ続けるのも辛いですよね。
今回は、仕事が向いていないのでは?とお悩みの方向けに、仕事の向き・不向き診断や不向きだと思う理由、改善方法などをご紹介します。
本当にその仕事は向いてない? 向き不向き診断
自分にとってその仕事が向いているかどうかを見極めることは、実は至難の業。
まずは、自分にとってその仕事が向いているかどうかということを客観的に判断してみてはいかがでしょうか。
以下の項目のうち、チェックが多くつけばつくほど今の仕事は向いていないということになるでしょう。
ただし、まだ仕事を始めて2ヶ月、3ヶ月といった短いスパンでは仕事の向き・不向きが分からなくて当たり前。
心身ともに限界ということでもない限りは、少し様子を見てみるのもおすすめです。
【仕事 向き・不向き診断】
・毎日行う作業に対して強いストレスを感じる。
・上司や取引先から呼ばれるたび「怒られるかも」と嫌な気持ちになる。
・同僚、後輩に対して明らかなスキル差を感じる。
・会社の利益に貢献していると感じられない。
・自分のやっている仕事や作業に対して、自信を感じられない。
・仕事内容や関係者に対して見下すような気持ちがある。
・向上心ややりがいといった気持ちを感じない。
上記のうちいくつ、チェックがつきましたか?
チェックがつく・つかないはその時の気分や状況によっても異なるかもしれませんが、一つの目安にはなるかと思います。
もし可能であれば、同僚など第三者から診断をチェックしてもらうのも良いですね。
続いては、ひとつひとつ、上記の診断内容についてその理由や対処法について考えてみましょう。
毎日行う作業に対して強いストレスを感じる。
突発的な仕事や、定期的に行われる報告会など、「非日常」にストレスを感じるのはよくあること。
ですが、毎日行う作業に対して強いストレスを感じる場合は、仕事が向いていない可能性が高いでしょう。
ただ、ストレスとひとくちに言っても、その理由や感じ方は様々です。
例えば「ミスをしたらどうしよう」と恐れるストレスであったり、「毎日つまらない」といらだつようなストレスだったり、「また〇〇さん間違っている」といった他人に対するストレスだったり。
ですが、実はこのストレスは工夫次第で解消することができます。
ミスをすることが怖いのであれば、ダブルチェックができる環境を作ったり、万一間違った時のリカバリー方法をあらかじめ調べておけば良いでしょう。
また、つまらないと感じるのであれば楽しくなる工夫をしてみる、他人にイライラしてしまうのであれば最初から期待をしないようにする、など心構えを変えるとストレスを軽減することができそうです。
ただ、それでもストレスが減らないというときや工夫をする気力もないというときには、その仕事は向いていないといえるでしょう。
上司や取引先から呼ばれるたび「怒られるかも」と嫌な気持ちになる。
ネガティブな思考の方や、過去にミスをして怒られた経験があるという方は「仕事に向いていないのかも……」と落ち込んでしまいがち。
場合によっては上司や取引先の方から「この仕事に向いてないんじゃない?」などと言われてしまうこともあり、より自信を無くしてしまうこともあるでしょう。
この時に気を付けて見ていきたいのは、第三者から見ても果たしてそれは怒られるべき内容なのかどうなのかということと、一時的なものなのかどうかということ。
例えば、パワハラ気味の上司や取引先からの叱責であればそれはあなたが仕事に向いていないのではなく職場環境の問題です。
また、一時的にミスをして怒られただけであれば、それはあなたが同じミスをしないよう、上司としては指導しただけということも考えられます。
出来れば同僚など第三者的な立場の人から状況を確認してもらい、あなたに非があったかどうか、改善可能なことなのかどうかというのも考えてみるのが良いでしょう。
同僚、後輩に対して明らかなスキル差を感じる。
スタートが同じだったはずの同僚や、本来は自分のほうがリードすべきである後輩のほうがスキルが高く、周りからも認められている場合、劣等感を感じ仕事に向いていないと思ってしまうことも多々。
それが一時的な状態であれば奮起も叶いますが、長期間同じ状態になってしまっている場合は、もうやめたほうが良いのでは?と落ち込んでしまうこともあります。
とはいえ、スキルがない=仕事に向いていないということではありません。
売り上げがあまり上がっていなくても、別のところでリカバリーをしていたり、スキルが足りない分を別の部分で補おうという気持ちがあれば、仕事に向いていないと落ち込むこともなくなるかもしれません。
会社の利益に貢献していると感じられない。
会社というのは、おおむね利益を目指して事業を行っています。
そのため、その利益に貢献していない場合や逆に不利益を生み出していると感じる時には仕事に向いていないと感じることもあるでしょう。
「足を引っ張っているのでは?」と思い、向いていないと落ち込んでしまうこともあるかと思います。
とはいえ、入社して数か月~数年は、仕事を覚えたり工夫するだけで精いっぱいのはず。
会社としても即戦力として期待をしているわけではないので、あまり気にしなくても良いでしょう。
長期間勤めているのになかなか利益を上げられないというときには一度自分の仕事を見直すのも大切です。
ただ、会社の利益の貢献度というのは一社員からはなかなか分かりづらいもの。
あまり決めつけすぎず、上司や経理の方に聞いてみるのも良いかもしれませんね。
自分のやっている仕事や作業に対して、自信を感じられない。
ドラマや漫画に出てくるようなお仕事女子たちは、自分の仕事に誇りを持ちキラキラと輝いているように見えます。
そのため、自分の仕事に自信が持てないと「仕事に向いていない……」と言った気持ちが増えてしまいます。
また、人の健康や命、人生を預かる仕事や、重労働、長時間労働など心身ともに負担がかかる仕事は辛く感じがち。
プレッシャーを強く感じる人やちょっとしたことで落ち込んでしまう人には、自分の性格と仕事の内容が合っていないと感じてしまうのも無理はないでしょう。
ただ、実は100%自信をもって仕事をしているという人はほとんどいないもの。
誰もが手探りで、不安を抱えながら仕事をしているのです。
仕事内容や関係者に対して見下すような気持ちがある。
過去の夢を諦められないという時はもちろん、結婚や出産、留学など仕事以外のことに目が向いた時には「仕事には向いてなさそうだし別の生き方があるのでは?」と思うことも多々あるものです。
そうなると無意識に「ここは私がいるべき場所ではない」と見下してしまうことも。
向上心があること自体は素敵なことですので、その別の道に向かって前向きに努力できれば良いですよね。
また、見下してしまうことがつらいというときには、その場所を自分にふさわしい場所に作り替えるというのもぜひやっていただきたいことになります。
「仕事向いていない……」と思うよりも、自分なりにマニュアルを整備してみたり、より良い環境になるように働きかけたり。
そういったことをしていけば、自然と職場環境もよくなるうえに自分自身もクラスアップできるでしょう。
向上心ややりがいといった気持ちを感じない。
仕事に対する気持ちというのは、人それぞれ。
そのため、上司や会社の方針がゆるいものだと向上心がなかなか出ないとお悩みの方も多いかもしれません。
ですが、本来向上心ややりがいというのは自分で生み出すものです。
どんな簡単な事務作業でも「〇〇分で終わらせる!」と自分なりに目標を決めたり、自分で使いやすいツールを開発してみるなど、やりがいを感じるよう工夫してみるのも良いでしょう。
もちろん、転職等で環境を変えると向上心・やりがいがあがることもありますが、自分の考えを改めるというのも重要なポイントになるでしょう。
向いてない仕事を続けるのは、アリ?ナシ?
お金のために、辞めるわけにはいかない仕事。
向いてない仕事をそのまま続けるという選択は、果たしてありなのでしょうか。
完全に割り切れるならアリ!
「仮に向いてない仕事でも、それはそれでよし!」と割り切れるなら、向いていない仕事でも続けることも一つの選択肢です。
特に、金銭的・勤務内容的にご自身が納得できるものであれば仕事は続けて、モヤモヤとした気持ちは趣味や副業で晴らすというのも一考。
周りに何を言われても気にならない、オンオフの切り替えが上手という方なら割り切って続けるのもおすすめです。
ただ、仕事は1日の大半を占めるものでもあります。
そこを無味乾燥なものにしてしまうと気づかないうちにモヤモヤが降り積もり、心身ともに不健康になってしまうことも。
時々自分を振り返り、「このままでいいかな?」と自問自答を繰り返すのも重要です。
少しでもモヤモヤがあるなら気持ち・環境の改善を。
友達と仕事について話しているときに気持ちがざわつく、オフの時にも向いてない仕事のことを思って心が沈んでしまう……という時には、改善をするのがおすすめ。
仕事への取り組み方を変えたり、気持ちの切り替え術を学ぶのも良いですね。
また、環境自体を変えてみるのも一考。
例えば別部署への強い憧れがあるなら、その部署に行けるよう人事や上司に掛け合ってみる。
希望職種につけるよう、転職も視野に入れて活動をするというのも良いでしょう。
しんどいなら、その場から離れる。
仕事のことを考えるだけで心がつらくなり、吐き気や頭痛がする。
心身ともに限界で、休み明けのことを考えるだけで涙が出てくる。
そんな時は、環境を変えるのが良いでしょう。
部署移動ができるかを相談する。
退職を視野に入れる。
仕事はあくまでお金を稼ぐための手段。
自分の心と体を第一に考えてみてください。
向いてない仕事を頑張るヒントとは
仕事は向いていないけれど、辞めるところまではいかない!という方や、向いてない仕事も頑張りたい!という方におすすめなのは、その仕事をとことん楽しむようにすること。
続いては、向いてない仕事でも頑張れるヒントをご紹介します。
①仕事を好きになる努力をする
もしも自分の仕事を「好き」と思えれば、きっと向いてない仕事でも頑張ろうという気持ちになれるでしょう。
製造・販売業であれば自分が手掛けている商品を。
オフィスワークであれば会社自体を。
少しでも「好き」と思えるポイントを探して、愛情を持てるようにしてみてください。
②自分なりの目標を決める
上司や会社に決められた目標は、長期的なものも多くモチベーションが上がりづらいもの。
自分なりの目標を決めて仕事をするようにすると、向いてない仕事でも頑張れるでしょう。
例えば「この資料を午前中に完了する!」「会議で最低3回は発言する」など、小さめの目標をたくさん作るとモチベーションもアップするでしょう。
慣れてきたら、「今週までにプレゼン資料を作る」「今月の売り上げを〇〇円にする」など大きめの目標を作るのがおすすめです。
③居心地の良い場所を作る
オフィスデスクの上を自分好みに整えたり、カバンの中身を好きなもので埋め尽くしたり。
仕事をする場所や持ち運ぶものは、モチベーションが上がるものにすると向いてない仕事でも楽しくできるでしょう。
もちろん、オフィシャルな場所を全て自由にするわけにはいきませんが、文房具やパソコングッズなどを好みのものにするだけでも、仕事場に行くのが楽しくなるでしょう。
④5年後、10年後の自分を意識する
5年後、10年後。
あなたは一体どうなっているのでしょうか。
先輩や上司の姿を見ながら、将来の自分を想像するのも仕事を頑張る原動力になります。
責任ある立場に立って、部下を育成する。
自分の思った企画を通せるようになる。
お客様からも信頼されるようになる。
そんな目標を立ててみれば、今は向いてないと思える仕事でもやる気がアップするのではないでしょうか。
⑤自分なりの武器を身に着ける
会社から今与えられている仕事だけが、あなたのこなすべきことではありません。
すぐに役立つわけではない資格や知識も、いつかは役に立つことがあるかもしれません。
語学や心理学、パソコンスキルなど、興味があることを深めて武器を増やしてみてはいかがでしょうか。
新しい生き方を発見したり、その武器を活かして評価されたりと、きっとその努力は無駄にならないはずです。
⑥周りと仕事について話してみる
一度「仕事に向いていないかも……」という思いを抱いてしまうと、なかなかその気持ちを払しょくするのは難しいもの。
同僚や先輩、また、社外の友人や家族などに仕事について話してみるのも良いかもしれません。
仕事に対する考え方はもちろん、あなたの仕事への姿勢なども第三者の視点から見てもらうことができます。
出来れば一人ではなく、様々な価値観を持つ人と話すと視野も広がるでしょう。
なかなか仕事の話をできる人がいないという方は、セミナーのような場所に行ってみるのも良いですね。
SNSなどインターネット上で相談をしてみるのも良いですが、個人情報や会社情報等を出しすぎると情報漏洩につながる可能性もあるので気を付けましょう。
向いてない仕事も、気持ち次第で楽しくなる!
社会人なら誰でも一度は思ってしまう、「この仕事、向いてない……」という思い。
そんな思いは、原因を突き止めて行けば解消することもできるんです。
ぜひご紹介した対処法を実践して、自分なりに満足いく仕事をしてみてくださいね。
ただし、向いていない仕事が原因で心身に不調が出ているときには、無理をしないのも重要。
世の中には星の数ほど、仕事があります。
きっとあなたに向いている仕事や職場があるはず。
辛い時にはぜひ、そんな場所を探してみてください。