リモートワークでは椅子選びが重要
もともと部屋にあった普通の椅子を、リモートワーク導入当初からそのまま今も使い続けている、という方も多いのではないでしょうか?
しかし、長時間同じ姿勢で作業を行うリモートワークでは、椅子選びがとても重要です。
家庭用の椅子は長時間の作業に向かない
家庭用の椅子は座り心地などの機能性よりもデザイン性を重視しているものが多く、「長時間座って作業をする」ことには向いていません。
そのため、家庭用の椅子で長時間の作業を行うと、姿勢が崩れて体に負担がかかってしまいます。
無理な姿勢での作業は、肩こりや腰痛の原因にも。
肩こりや腰痛がある状態では、生産性はおよそ30%低下、やる気や集中力も35%低下すると言われています。
オフィスチェアはリモートワークを快適にする
デスクワーク用のオフィスチェアは、正しい姿勢を保つことで身体への負担が少なく、長時間の作業も快適に行うことが可能です。
リモートワークを毎日長時間行う場合や、すでに腰痛や肩こりを感じている場合は、オフィスチェアに替えることを検討してみましょう。
リモートワークの椅子選び5つのコツ
オフィスチェアといっても様々な種類があり、価格帯は5000円以下のものから10万円以上のものまで広範囲です。
また、オフィスチェアならどれでも良いわけではなく、快適に作業するためには自分に合ったものを選ぶことが重要です。
ここでは、リモートワークのためのオフィスチェア選ぶコツを詳しく解説します。
1.まずは価格帯を知る
短時間の作業であれば、1万円以下でも十分です。
しかし、ある程度長時間の作業がある場合や、楽な姿勢や座り心地にこだわるなら、2万円以上を選びましょう。
座るだけではなく、作業することを前提とした高機能のタイプが選べます。
4~5万円以上では、人間工学に基づいて座りやすさを追求したエルゴノミクスタイプも選択可能です。
毎日10時間ほどの作業時間の場合や、今後も長期的にリモートワークを行う予定の場合は、思い切って10万円代を選んでみても良いでしょう。
機能性はもちろん、品質や保証もしっかりしているため安心です。
安いものを買って短期間で壊れてしまうよりも、高品質のものを長く使った方がコストパフォーマンスが良いという考え方もできるでしょう。
2.自分に合った種類を選ぶ
シンプルな事務椅子
他のタイプと比べると座り心地や機能性は劣りますが、短時間のデスクワークには適しているでしょう。
重厚感のあるエグゼクティブ
エグゼクティブタイプは座面が広くゆったりとしたつくりで、ソファのような座り心地が特徴です。
見た目も重厚感があります。
しかし、サイズが大きめで圧迫感があるため、一人暮らしの部屋などには向きません。
人間工学のエルゴノミクス
毎日長時間の作業をする方や、リモートワークでの腰痛や肩こりに悩む方は、エルゴノミクスタイプを選びましょう。
エルゴノミクスは人間工学に基づき、楽な姿勢を保てるように設計されています。
長時間座っても腰や肩への負担が少なく、疲れにくいですが、機能性が高いぶん価格は比較的高額です。
3.背もたれの高さで選ぶ
背もたれは高さによって、ローバック、ミドルバック、ハイバックの3種類があります。
それぞれメリットとデメリットがあるため、作業時間や部屋の広さなどに合わせて選びましょう。
背もたれの高さによるメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
ローバック(背もたれが低い) | コンパクトで圧迫感がない | 長時間の作業には向かない |
ミドルバック | ハイバックより圧迫感が少ない | ハイバックより疲れやすい |
ハイバック(背もたれが高い) | 長時間の作業にも適している | 大きめで圧迫感がある |
4.素材は見た目の印象や機能で選ぶ
背もたれや座面に使われている素材によっても、見た目や機能が変わってきます。
メリットとデメリットを理解したうえで、自分に合った素材を選びましょう。
素材によるメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
ファブリック(布地) | 手触りが良い 価格が比較的安い カラーが豊富 | 水や汚れに弱い |
メッシュ | 通気性に優れ、蒸れにくい | メッシュにホコリが溜まる |
レザー | 高級感があり、見た目が良い 水や汚れに強い | 価格が比較的高い |
5.腰痛にはランバーサポート機能
腰痛や腰への負担が気になる場合は、ランバーサポート機能がおすすめです。
ランバーサポートは、背もたれの部分がやや内側に突出していることにより、部屋骨のS字ラインにフィットします。
背骨を伸ばして、腰への負担を軽くしてくれますよ。
座るだけで運動不足が解消できる椅子も
コクヨの「ing<イング>」は、座っているだけで運動した時と同じ効果が期待できます。
360°自由に動くグライディング・メカを搭載しているため、椅子に座りながら自由に体を動かすことが可能です。
前傾、後傾、左右のひねりなど体を動かす度に、背面も座面も体にフィットしてついてきます。
さらに、座った状態で体を揺らしがらデスクワークを行ったところ、4時間のデスクワークで約1.5kmウォーキングと同等のカロリーが消費されたという結果になりました。
長時間座りっぱなしで運動不足になりがちなリモートワークにとって、うれしい機能と言えるでしょう。
リモートワークにおすすめの椅子4選
いくら機能的でも、部屋の雰囲気と馴染まずに浮いてしまうオフィスチェアには抵抗がありますよね。
ここでは、機能的で見た目もおしゃれ、さらにコンパクトな椅子を紹介します。
1.コンパクトな椅子|コクヨ ピコラチェア
オフィスチェアは大きめでしっかりとしたつくりのものが多いため、部屋で使うと圧迫感が出てしまうことも。
一人暮らしの部屋だと特に気になってしまいますよね。
コンパクトな椅子は部屋に馴染みやすいだけでなく、女性の体にもフィットしてくれます。
コクヨのピコラチェアは、コンパクトなデザインながら安心のコクヨ製で座り心地は抜群です。
カラーも多彩で、部屋の雰囲気に合わせて選べますよ。
2.女性のためのオフィスチェア|イトーキ カシコチェア
イトーキのカシコチェアは、女性のために開発されたオフィスチェアです。
女性の骨盤を理解した構造で、長時間座っても足がむくみにくくなっています。
また、カシコチェアは2007年のグッドデザイン賞を受賞しました。
3.省スペースな折りたたみ式|オフィスチェア
一人暮らしの部屋では、大きくて場所をとってしまうオフィスチェアの設置は抵抗がありますよね。
折りたたみ式ならば、使わないときはコンパクトに収納できます。
オフィスチェアは、一見通常タイプのオフィスチェアですが、背もたれを前に倒し座面と一体化させることができます。
使わないときは、デスクの下に収納することも可能です。
4.北欧風の折りたたみ式|MY HOME 折りたたみチェア
木のぬくもりが感じられる折りたたみ式チェアです。
北欧風のナチュラルなデザインのため、部屋にもしっくりと馴染みます。座面はしっかりと厚みがあり、快適な座り心地です。
椅子と机の高さを意識して正しい姿勢に
意外と見落としがちなのが、椅子と机の高さです。
自分に合った椅子と机の高さの差は、以下の式で計算できます。
「身長(cm)×0.55÷3」
パソコン作業の場合は、この数値からさらに2~3cm引いた数字が理想的と言われています。
また、パソコンの画面は目線と同じ高さに合わせましょう。
正しい姿勢が維持しやすくなり、楽な姿勢で作業ができますよ。
ぜひ今すぐ取り入れてみてください。
「リモートワークがいつまで続くかわからないので、オフィスチェアの購入を迷っている」という方は、まずは椅子と机の高さ、パソコン画面の高さを見直してみるのもおすすめです。
これだけでも、作業時の疲労感が軽減されるかもしれません。
自分に合った椅子を選んでリモートワークを快適に
長時間同じ姿勢で作業するリモートワーク。
椅子が合っていないと、腰痛や肩こりだけでなく、集中力低下の原因にもなってしまいます。
リモートワークの作業効率を上げるためにも、自分に合った椅子を上手に選んで、快適な作業環境を整えましょう。