2021.12.27

お正月には着物がおすすめ!色や柄の選び方と出掛けるときの注意点

お正月は着物で過ごしたい、イベントには着物で参加したいというケースも多いのではないでしょうか。しかし、お正月にどのような着物を選べば良いのかという方も多いです。そこで、お正月に着用する着物はどのような種類が良いのか、様々な柄や色から選ぶ方法や、出かける際の注意点を紹介します。

お正月に着物を着るのがおすすめの理由


お正月には、新調した着物を着用して新しい年を迎える「着衣始め」という風習があります。
着衣始めは、普段から着物を着ていた時代に家族で行っていた文化ですが、近年では普段から着物を着用する方は非常に少ないです。

そのため、着衣始めの風習を知らないという方もいるでしょう。
着衣始めは、着物の足袋や帯も新しいものにします。

新年のおめでたい日に、新調した着物を着れば、新たな気持ちで1年を過ごすことにつながるでしょう。

お正月におすすめの着物の柄


新しい年を迎えたお正月には、着物の柄に縁起物を選ぶのがおすすめです。

自分好みの柄を選ぶことが大切ですが、縁起が良いものをモチーフにした柄を選ぶことで、着物姿を見る方も晴れやかな気持ちになるでしょう。

そこで、着物の柄のなかでも、日本で親しまれている縁起が良いモチーフや柄、縁起物といわれる理由を6つ紹介します。

松竹梅


昔から日本のおめでたいことの象徴で使われていた松竹梅です。
お正月も自宅の前に門松を飾ったり、結婚祝いの結納品で使用されたりすることが多いでしょう。

松竹梅は中国の「歳寒三友(さいかんさんゆう)」のことわざが由来です。
寒い時期に縁を切ることがない(枯れることがない)松と竹、冬にも花が咲く梅を組み合わせて、松竹梅といわれるようになりました。

松竹梅は、お祝いの席やおめでたい席で使用される柄です。
おめでたいお正月の時期に最適な柄のひとつだといえるでしょう。

亀と鶴


亀と鶴の着物の柄は、「長寿」の意味が込められていることが特徴です。
亀や鶴は長寿の動物として有名であり、亀は小さいものでも30年、長生きする亀は100年生きることもあります。

鶴は30年と、どちらも動物のなかでは長生きする生き物です。
鶴や亀の柄は、晴れ着でも使用されています。

熨斗


熨斗(のし)は、熨斗鮑が由来の柄であり、慶事の進物に添えられた熨斗をより細長い帯状に文様化した柄です。

熨斗鮑は神様に供える物であり、昔から縁起物といわれていました。
熨斗鮑が由来の熨斗柄の着物は、おめでたい日に着用されています。

牡丹


牡丹は花のひとつであり、着物の柄として使用する場合は大きな牡丹の花が描かれていることが特徴です。
牡丹は大きな花が咲くため、百花の花と表現されることもあります。

幸せや高貴をイメージする花として、裕福な家庭で親しまれている花でした。
昔は裕福な方しか着用できなかった柄でしたが、現在では身分を問わず着用できる高級感がある柄として人気です。

牡丹の柄は、春に着る春ボタン、お正月に着る冬ボタンに分けられます。
お正月は、冬牡丹の柄の着物を着用しましょう。

鳳凰


鳳凰は、昔から中国で伝えられている空想上の鳥のことです。
幸せで平和な世界に現れる鳥といわれており、カラフルで美しい色合いが魅力だといえます。

鳳凰の柄の着物はお正月をはじめ、おめでたい時に着用することが多いです。

宝尽くし 


宝尽くしは、様々な宝物を描いた柄です。
小づちや宝島などが描かれており、福を呼ぶ縁起物の柄として晴れ着で使用されます。

お正月におすすめの着物の種類


着物にはいくつかの種類があり、カジュアルな種類やフォーマルな印象のもの、自宅で着るのに適しているものなどに分かれます。

お正月にどこで過ごすのか、誰と過ごすのかによって、着物の種類を選びましょう。
主な種類と、種類ごとの印象、着用するのに適した場面などを紹介します。

華やかでも気軽に着れる小紋


初詣は礼服を着るのではなく、紬や小紋などの気軽に着用できる着物を選ぶのもおすすめです。
特に新年は、華やかな印象の小紋が良いでしょう。

小紋は着物のなかでもカジュアルな種類で、かっちりとした印象ではありません。
しかし、華やかであり、お正月の初詣や新年会などに最適でしょう。

小紋と比べてフォーマルな江戸小紋


江戸小紋は、帯を工夫するだけでフォーマル、カジュアルどちらにも変えられることが魅力です。

目上の方への挨拶や、親戚の家に挨拶に行く際にフォーマルな服装にしたいものの、訪問着ではないものを使いたいというときに最適でしょう。

自宅で着物を着るならウール


初詣や挨拶回りでは着用しないものの、お正月に自宅で着物を着たいときにおすすめなのはウールのものです。
保温効果が高くメンテナンスしやすいため、便利に使用できるでしょう。

素材の印象から、「ウールはボリュームがあるのでは」というイメージを持つ方も多いですが、着物はモコモコとした印象にはなりません。

また、帯を半幅帯にするのがおすすめです。
浴衣の帯でもしっかりとした作りの物を使えば、夏の時期以外でも使用できます。

ウールのカジュアルな印象の着物で過ごしてみるのも良いでしょう。

お正月に最適な着物の色の選び方


お正月に着用する着物は、カジュアルな小紋やフォーマルな江戸小紋がおすすめです。
着物の種類や、どのような色のものを選ぶのが良いのか、着物の選び方を紹介します。

白や赤の着物


日本では、紅白の色の組み合わせはお正月をはじめおめでたい場で使用されてきました。
そのため、着物の色としても白や赤を使ったものがお勧めです。

赤は鮮やかで目を引く色でもあり、抵抗がある方もいるでしょう。
しかし、日頃から赤い模様や赤色の服装のコーディネートをしていなかったとしても、特別な日のお正月なら着用しやすいです。

特別なお正月の時期には、白と赤の目立つ色の組み合わせの着物を選んでみましょう。
また、紅白の色は着物を着る人だけではなく、見る人を明るい気分にする効果も期待できるといわれています。

緑の着物


お正月の時期は、自宅の前に門松を飾る方も多いでしょう。
寒い季節にも緑色の葉っぱを維持できる松は、縁起物のひとつです。

緑色は着物を着用している人だけではなく、見た人にも活気を与えられる色です。
そのため、お正月には松をイメージした緑色の着物やアイテムを身につけましょう。

門松のしめ縄でも、松が使われています。
緑色の着物は好みではないという場合には、ワンポイントで緑色のアイテムを入れてみましょう。

帯留めでワンポイント


着物ではなく、帯留めや小物類などのアイテムの選び方によって、お正月の雰囲気を演出することが可能です。

例えば、小紋でも帯留めに干支をモチーフにしたものを使うだけで、お正月らしいコーディネートになるでしょう。

着物だけではなく、小物や帯を工夫することで雰囲気を変えられます。
着物だけではなく、小物も意識してコーディネートをしましょう。

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お正月に着物を着る際に注意したいポイント


お正月に着物を着て食事をしたり、長い時間外で過ごしたりする方が多いでしょう。
普段着ることがない着物で過ごすと、着崩れる、着物を汚すなどのトラブルが起こることがあるため注意が必要です。

そこで、着物を着る際の注意点や、着崩れたり汚れたりしたときの対処法を紹介します。

着崩れた時の対処法と着崩れ予防法


着物が着崩れすると、だらしない印象になってしまいます。
着崩れを予防する方法は、大股で歩かないことです。

また、ゆっくりと動くことも着崩れを予防するためのポイントだといえるでしょう。
例えば、階段を上がる際にはかかとを持ち上げてつま先だけで歩くなどです。

さらに、定期的に鏡で着物姿をチェックすることも大切です。
着物は伸縮性がないため、たるんだり緩んだりしがちです。

胸元がたるんだりシワができたりした場合は、帯揚げの中に指を入れて、たるみやシワを脇の方に寄せましょう。

裾が広がったり踏んでしまったりといった場合には、腰ひもの上や腰ベルトの「おはしょり」を引き上げて対応します。
腰ひもや、腰ベルトの緩みがないかどうかもこまめに確認しましょう。

着物で食事をする際に汚れないようにする工夫


お正月に着物を着てレストランに行くと、気分が盛り上がります。
しかし、普段から着物を着ていないと、慣れない服装で食事をすることになり、食べにくかったり着物が汚れたりすることがあります。

グラスや調味料を取る際に着物の袂に手を添えても、グラスが倒れたり、着物が料理に触れたりすることがあるでしょう。

慣れない着物姿で食事をする際には、大きめのハンカチを持参します。
万が一着物を汚してしまった場合には、ハンカチで軽く押さえます。

着物は、こすらないように注意しましょう。
ハンカチで押さえてある程度汚れを落とした後は、着物に対応できるクリーニング店で染み抜きを依頼することが大切です。

なお、汚れが付着しやすい足袋は、足袋カバーを着用すると汚れの付着を予防できます。

着物を着る際には防寒対策をする


着物だけを着用していると、寒さで体調を崩すことがあります。
特に初詣では、長い列に並ぶこともあるため、防寒対策をすることが大切です。

そこで、着物を着ている時の防寒対策に使えるアイテムを紹介します。

羽織 

羽織は、着物に最適な防寒アイテムのひとつです。
羽織は丈が短いものや長いものが選べるため、自分のコーディネートに合わせられます。

短いものは若干ラフな印象、長いものはフォーマルな印象になるため、自分好みのものを持って行きましょう。

また、羽織は無地のため着物の絵柄や色に適したものを選べます。
着回しできるアイテムを探している人にも最適でしょう。

コート

コートのなかでも、和装のものは着物用の防寒アイテムとして作られています。
着物用のため袖や襟にボリュームがあることが特徴で、丈も長めです。

ファッションアイテムのコートと同じ素材で作られているため、防寒機能も高いでしょう。

なお、コートを着用した場合、着物の柄や色が見えるのは裾の部分のみになります。
そのため、着物の色や柄を問わず選べることがメリットです。

ケープやポンチョ

着物を着ていても、普段使用しているファッションアイテムのケープやポンチョも良いでしょう。

ラフな印象になるため、派手な色だと悪目立ちする可能性があります。
派手ではない、柔らかい色のものを選ぶのがおすすめです。

ストールやショール

ストールやショールは、首に巻くタイプの防寒アイテムで、着物用ではなく普段使用しているものを使っても良いでしょう。

ショールは人工毛皮といった高級なイメージのものを使うと、着物にマッチします。

着物用のストッキング

防寒対策は、足元を温めることが重要です。
着物用のストッキングを着用すると、足元の冷えを予防できるため、屋外で長時間過ごす際には活用しましょう。

長い時間屋外で過ごす場合には、着物用ストッキングは必ず着用した方が良いアイテムです。
ストッキングを履いているかどうかで、体感温度も大きく変わるでしょう。

手袋

指先の冷えや、手の乾燥による手荒れを予防するためにも手袋を使いましょう。
普段使っているファッションアイテムの手袋でも十分です。

着物は袖が広いため冷気が入ってしまうため、手首までの長いタイプのものを使うのがおすすめです。
手袋のデザインによっては全体的にレトロな印象になるため、周囲とは一味違う着物スタイルを楽しみたい方にも最適でしょう。

足袋カバー

本来は足に履いて足袋の汚れを予防するアイテムですが、防寒効果が期待できます。
足元の冷えを予防できるため、寒い時期に着物を着る際にはおすすめのアイテムです。

お正月は着物と防寒アイテムでコーディネートを楽しもう


お正月は新しい年を迎えるおめでたい日なので、新しい気分を一新にするためにも着物を新調して初詣やイベントに出かけるのがおすすめです。

着物そのものの柄や色選びだけではなく、帯やバッグなどの小物類や防寒アイテムも合わせてコーディネートする必要があります。

冬の時期にはしっかりと寒さ対策をしながら、美しい着物姿でお正月気分を盛り上げましょう。

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ゆうき(ライター)
ゆうき

企業やクリニックのコラムを担当するフリーライター

大学を卒業後、商社で勤務。退職後、リモートワークをすべく文章を書く仕事を始めてみる。ホームヘルパー2級、スキューバダイビングライセンスなどを所持。ダイビングと動物を飼うことが趣味。資格や経験を活かして、アウトドア・動物医療のほか、法律、美容など幅広く取材・記事の作成を担当。

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