退職前の有給休暇の取り方3選
社会人になって嬉しいことのひとつに有給休暇があります。
公休とは別に、労働基準法で決められている有給休暇の権利。
息抜きやリフレッシュなどで利用する人が多く、日々の業務の生産性UPにもつながるといわれています。
しかし、有給休暇はいくら社員の権利とはいえ、好きな時に取得できるわけではありません。
会社の規定のほかにも、部署内やチームの空気を読んで取らなければいけない場合も……。
特に、退職前の有給休暇は慎重に取るべきです。
ここでは、退職前の有給休暇の取り方をご紹介します。
繁忙期を避ける
繁忙期は人手が必要になるため、有給取得は避けたほうがよいでしょう。
自分が休んでしまうことでほかの社員にしわ寄せがいってしまったり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、ほかの社員からは「なぜこの時期に?」と迷惑がられる場合もあるため、繁忙期は避けた方がベターです。
早めに上司や仲間に伝える
有給休暇を取得する際は、直属の上司や仲間に早めに伝えましょう。
なぜなら先々の業務のスケジュールによっては、予定を変更する必要があるためです。
重要な役割を引き受けている場合は、その間の引き継ぎや代行などをお願いしなければいけません。
同時期に有給休暇を取る社員がいないか確認する
同じ時期に有給休暇を取得する社員がいないかどうか確認することも大切です。
同時期に2人以上有給休暇を取得すれば、その穴埋めが倍になります。
周りに配慮しながら、有給がかぶらないように取得しましょう。
有給休暇はいつまでに消化すればいい?
実は、有給休暇には有効期限があります。
労働基準法によれば、「有給休暇を取得してから2年で消失する」といわれています。
そのため、有給休暇を有効的に使いたい人は、期限が切れてしまう前に使いうことがポイントです。
例えば退職する場合は、退職するまでに有給を消化しておきましょう。
企業の中には、退職日に合わせてまとめて有給休暇を消化するように促されることもあります。
有給の消化は、会社と相談しながら決めることで、後々のトラブルを避けることができます。
ここでは、退職前における有給休暇の取り方例をご紹介します。
少しずつ小分けにして取る
有給休暇日数が多い場合は、退職の2ヶ月前くらいから小分けにして有給休暇を取る方法です。
まとめて取ることに抵抗がある場合や、取りづらい雰囲気の場合は、1週間に1〜2日取るのもおすすめです。
最終出社日前にまとめて取る
最終出社日前にまとめて取り、最終出社日を退職日とする場合です。
引き継ぎ業務もしっかり終えているため、最終出社日は挨拶や最終確認などで締めくくることが多いです。
最終出社日=退職日の後にまとめて取る
最終出社日=退職日の後に残っている有給休暇を消化します。
引き継ぎや最後の挨拶、身の回りの整理もすべて終了してから有給休暇を取って、そのまま出社せずに終えるパターンです。
有給休暇が残ったまま退職すると取り返せない?
退職日が迫ってくると、引き継ぎや手続きでバタバタする毎日。
「うっかり有給休暇を忘れていた!」なんてことは少なくありません。
「会社にお願いすれば取り返せるのでは?」
と思いがちですが、有給休暇の消化には決まりがあります。
基本的に取り返すことはできない
有給休暇が残ったまま退職してしまうと、基本的に取り返すことはできません。
つまり、退職後は無効になってしまうというわけです。
いくら勤続年数が長くても、例外が認められることはほぼないと覚えておきましょう。
残った分の有給休暇は買い取ってもらえる場合もある
有給の買取は原則的には禁止といわれていますが、退職後無効になった有給は会社に買い取ってもらうことができる場合があります。
しかし、それは会社との交渉の上で成り立つもの。
会社側が「NO」と言えば、買取は認められません。
認められた場合は、買取金額を会社側と相談して決定することになります。
基本的に有給休暇は就業中に消化することを促されるため、金額は会社の指示に従うことがほとんどです。
有給休暇が残ったまま退職する前に押さえておきたいポイント4選
有給休暇が残ったまま退職した場合、どこかもったいない気がしますよね。
しかし、退職後に気づいてもどうすることもできないのが現状。
退職前にきちんと対処しておくことが大切です。
ここでは、有給休暇が残ったまま退職してしまうことがないように、気をつけておきたいポイントを紹介します。
会社の就業規則を確認する
退職の事務手続きや引き継ぎなどで、就業規則までも確認できない人は多いと思います。
会社の就業規則には退職に関する事項が記載されていることがあるため、退職前に確認しておきましょう。
普段から有給休暇を取得していない人であればなおさらです。
・「現時点で有給休暇がどれだけ残っているのか」
・「どれだけ消失してしまっているのか」
などを知る意味でも早めに確認しておくことが必要です。
気になる退職金のことや有給休暇消化のことが記載されていれば、退職後にトラブルになることもありません。
引き継ぎや退職の挨拶の前に有給休暇を消化しない
退職する前に必ずやっておきたいのが、「引き継ぎ」です。
退職後に後任者がスムーズに業務を進めるために、引き継ぎ業務は最優先事項といっても過言ではありません。
引き継ぎの前に有給休暇を取得してしまった場合、不信感を持たれることも……。
円満に退社するためにも、まずはやるべきことをリストアップして優先順位をつけることが大切です。
せっかくの有給休暇、のんびり過ごしたいですよね。
すべての引き継ぎや手続きが終了してから、気兼ねなくリフレッシュするくらいが丁度よいでしょう。
周りの空気を読む
退職前に有給休暇を消化する場合は、周りが忙しくないか、人手が足りているかなど空気を読むことがポイントです。
周りの空気を読まずに有給休暇を取ってしまえば、あまりいい印象ではありません。
気持ちよく円満退職するためにも、周りに配慮しながら有給休暇の日程を決めましょう。
上司に相談する
有給休暇は社員の権利とはいえ、会社の規定に従うことや上司の了承などを得なければいけないことがほとんどです。
「有給休暇を取ることを前提に考えていたら実は取れなかった……。」
と、上司との間に相違がないように事前に相談しておくことが大切です。
相談することは以下のようなことです。
- そもそも有給休暇は取れるのか
- いつ取ればいいのか
あまり有給休暇を取る風習がない会社もしくは部署であれば、なおのこと相談は必須です。
中には上司が有給消化に対して前向きな考えではない場合もあるため、相談の仕方を事前に考えておきましょう。
有給休暇を退職前に消化して円満退職しよう
有給休暇が残ったままの退職は、トラブル回避のためにもできるだけ避けたいものです。
後から気づいても取り返したり、買取をしてもらうことは原則できないので、退職前に消化しておくのがベストです。
有給休暇は自分一人で決めるものではありません。
会社の就業規則に従うことや上司の了承、先輩や同僚からの理解などのもと決定することが社会人のマナーであると言えます。
円満退職するためにも、有給休暇について理解を深めておきましょう。