女性もハマる鬼滅の刃の魅力
共感ポイント① 主人公が「最初から」絶対的に強いわけではない。
『鬼滅の刃』は週刊少年ジャンプで連載されていた作品で、対象はどちらかというと男性。
つまり、主人公は「憧れる対象=ヒーロー」という位置づけです。
しかし主人公の「竈門炭治郎」は最初はすごく弱い。
しかも、家族を殺した鬼に敵討ちをするため修行して、実際に鬼殺隊に入るまでに約2年という月日が流れています。
他のジャンプ作品でも、作品の中盤以降で強くなるため修行をするという流れのものはありますが、序盤から修行に時間がかかる物語は珍しいです。
女性だって幼いころ美少女戦士に憧れたように、自分の世界では主人公でいたい。
でも大人になればなるほど、チャレンジしたい気持ちと自分の持つ素質や才能に直面して、自分の中で折り合いをつけたくもなります。
でも竈門炭治郎は、たとえ弱かろうが、師匠に向いていないと最初から三行半をつきつけられようが、とにかく決めた目標と妹への想いのために、何年も何年も努力するのです。
それが何かに頑張っている大人の女性に、とても響くポイントの一つです。
共感ポイント② コンプレックスを武器に変える。
『鬼滅の刃』に出てくる鬼殺隊の最高位である「柱」。
その中の一人に「胡蝶しのぶ」という女性が登場します。
彼女は毒を用いて鬼を殺すという特殊な方法を使うのですが、それは体格が小柄で非力ゆえに、鬼の首を切って殺すことができないから。
他の柱たちは当たり前に出来ることを自分だけが出来ないというのは、一見するとコンプレックスになるものでしょう。
しかし、胡蝶しのぶのすごいところは、鬼の首を切れないという不利な事実をきちんと受け止めたところ。
その上で自分に出来る方法を探し、自分にしか出来ない毒で鬼を殺すというやり方へと進化させるのです。
誰しも一度は持ったことのあるコンプレックスに対して、引け目を持つのではなくて、それすらも武器に変えていく芯の強さに、心を動かされた女性も多いはずです。
共感ポイント③ 選択する自由は、自分にあるんだという気づき。
主人公の「竈門炭治郎」と比較的初期の段階から行動を共にしている「我妻善逸」。
とにかく臆病者で自己中で考え方が常に後ろ向きでいう性格のキャラクターです。
もともと才能も実力も備わっているにも関わらず、自分のことが嫌いで劣等感の固まりなのです。
なぜなら、ちゃんとやらなきゃと思っているけど上手くいかない、変わりたいと思っているのに逃げ出してしまうから。
何回も何回も修行から逃げ出しながらも、でもこれじゃだめだと自分自身と必死で戦う姿に、つい応援したくなるような魅力を秘めています。
また、我妻善逸は雷の呼吸の使い手ですが、しんどい修行に耐えても、初期は六つのある型のうち一つしか会得できていませんでした。
そこで、我妻善逸の師匠は言うのです。
泣いても逃げてもいい、でもあきらめるな、極めろと。
「しんどくても頑張っているのに、上手くいかない!どうして!?」と思うことは、我妻善逸のように、一度は経験があるはずです。
まわりと比べて器用に立ち回れない自分に落ち込んだりということも。
その時に「やりたいことなら極めるぐらいやり抜く!でも自分に後悔がないなら逃げても良いんだ。」という気持ちにさせてくれました。
今回ご紹介した3人だけでなく、『鬼滅の刃』にはたくさんの魅力的なキャラクターが登場します。
各々に暗い過去を持っていますが、そんな過去と向き合い乗り越えていく姿はとても魅力的です。
いわゆる「推し」キャラを作ることで、更に『鬼滅の刃』にハマるのではないでしょうか。