2022.10.31

感情がない人は病気!?特徴や失感情症セルフ診断、克服法を解説

感情がない人になっていませんか?本来、感情は自然とわくもの。その感情がないとなれば「病気かも?」と心配になりますよね。今回は、感情がない人の特徴や試してほしいセルフ診断、感情を取り戻す方法を解説します。

感情がない人は病気?


感情がないことに気づいたとき、真っ先に頭をよぎるのが「病気の心配」。

心の病気なのかも?病院に行くべき?と不安になっている人も多いのではないでしょうか?
ですが「感情がない」という症状だけでは、病気だと断定することはできません。

精神医療の現場では、感情がない人を「失感情症(アレキシサイミア)」と呼ぶことがありますが、失感情症とはあくまで性格特性を表す言葉であり病名ではないのです。

失感情症とは


失感情症とは、感情の認知や感情表現に障害がある状態・人のこと。
性格特性や症状の一つのため病気ではありませんが、失感情症を引き起こしている根本的原因を探ると心の病気であるケースも多く、安易に見過ごせるものではありません。

ただし、感情は心身の状態によっても左右されるため、疲れているとき一時的に感情がなくなるだけなら、失感情症の可能性は低いでしょう。

反対に「感情がない状態がしばらく続いている」という場合は、失感情症である可能性が高いので、メンタルクリニックやカウンセリングの受診をおすすめします。

感情がない人の特徴


感情がない人には、共通する特徴や傾向が見られます。
自分に当てはまる特徴はないか、チェックしてみましょう。

場の空気が読めない


感情がない人は、場の空気を読むことが苦手です。
場の空気を読むときは、相手の感情を尊重することが必要不可欠。

その場の状況から相手の感情を予測して、相手の感情に合わせた言動をしなくては、場の空気は読めません。
ですが感情がない人は、自分の感情はもちろん周囲の人の感情も理解できないため、場の空気がうまく読めないのです。

よって、感情がない人は悪気なく場にそぐわない言動を取っていることも多く、周囲の人から反感を持たれるケースも。

人付き合いが苦手


人付き合いに苦手意識があり単独行動を好むのも、感情がない人の特徴。
感情がない人は、他人の気持ちを理解するのが難しく、友達作りや恋愛がうまくいきにくいです。

そしてうまくいかない経験を経て、最終的には「誰かと一緒にいると疲れる」「1人が楽」という意識を強めてしまいます。
ですが、誰にも心を開かず1人で過ごす時間が増えれば増えるほど、自分だけの世界が完成して、さらに感情をなくしやすいです。

仕事では評価される


意外かもしれませんが、感情がない人は仕事で高く評価されることが多いです。
感情があるとモチベーションが下がり、仕事の成果に悪影響を及ぼすことがあります。

ですが、感情がなければモチベーションは常に一定なので、いつでも同じクオリティで仕事をこなせるのです。
また、感情がない人なら大きなトラブルが起こっても動揺しないため、テキパキと冷静に対処できることも、仕事で評価される理由でしょう。

ただし、感情がない人が評価されやすい仕事は「1人でコツコツ取り組める仕事」であり、お客様の心に寄り添うことが求められる接客業には不向きです。

感情がない人の性格や心理


感情がない人は、どのような性格や心理状態なのでしょうか?
ここでは、感情がない人の性格や心理を解説します。

緊張している


感情がない人は、緊張しやすい人が多いです。
本当に親しいごく一部の人の前でしかリラックスできず、学校や職場など大勢の人と一緒にいると極度に緊張してしまいます。

そのため、何の感情もないように見えて、実は心の中では「どうしよう、緊張する!」とプチパニックを起こしていることも珍しくありません。

人は、強く緊張すると心が落ち着かなくなり、感情コントロールもうまくいかなくなります。
その結果、一切の感情が遮断され感情がない人になってしまうことがあるのです。

何事にも興味がない


感情がない人は、何にも興味がわかない、または興味を持てる対象が少ないです。
好奇心や興味を引くものが目の前に現れれば、人の心は自然と生き生きとして「これは何?」「楽しみだな!」など感情が生まれます。

ですが感情がない人は、そもそも興味を引かれるものが少ないため、感情が生まれにくいのです。
感情がない人は表情も乏しいことが多く、周囲から「ポーカーフェイスな人」というイメージを持たれますが、実は多くのシーンで「興味がないからつまらない」と思っているだけだったりします。

周囲に合わせようとしている


感情がない人の中には、自分の感情の乏しさに気づいており、周囲と自分との違いを理解している人もいます。
そして、違いがわかるからこそ、周囲に溶け込むために感情があるフリをしていることも少なくありません。

無理をしてでも感情があるフリをする理由は「周囲に合わせたほうが迷惑をかけないし、良好な人間関係のほうが自分も過ごしやすいだろう」と考えているから。

感情がないといっても思考力は正常なので、周囲や自分にとってベストな行動をしようと考えているのでしょう。

感情がない人になる原因は?


感情がない人になる原因は一つではありません。
どうして感情がない人になってしまうのか、その原因を探っていきましょう。

生まれつきや家庭環境


失感情症になる原因は、まだハッキリとは明かされていません。
ですが、遺伝による部分が大きいのではないかという見解が多く、生まれつき感情が薄い人もいると考えられています。

また、幼少期の家庭環境も、その人の感情に大きく影響を与えるもの。
たとえば、幼いころ親や周囲の大人から感情を抑制されて育った子どもは「感情を持つことは悪いこと」と学習するため、感情がない大人に成長しやすいです。

子どもの頃に身についた習慣はなかなか消えないので、誰かから「もっと感情を出してよ」といわれても簡単には出せません。

大きなストレス


後天的に感情がなくなる最も大きな原因はストレスです。
そもそも感情がない人は、感情をなくす前から努力家だったり辛抱強かったりします。

辛抱強く努力できる人だからこそ、ストレスを感じても我慢してしまい、最終的には心がいっぱいいっぱいになって感情がなくなったのです。
感情がなくなってからストレスを抱えても、疲労感を感じないためストレスに気づくことができず、どんどん蓄積してしまいます。

そうすれば感情がない状態が長期化する恐れがあるだけでなく、深刻な心の病気を発症する可能性も高くなるでしょう。

燃え尽き症候群


一つのことに集中して力を使い切ると「燃え尽き症候群」のような状態になり、感情がなくなることがあります。

頑張ることは悪いことではありませんが、自分の限界を超えてまで頑張ると心に負荷がかかって「何もしたくない」「何も感じない」という状態になってしまうのです。

特に、努力に見合った結果が得られなかったときは、悲しみや落ち込みを回避しようとするあまり心をシャットアウトしてしまい、感情をなくしやすいので要注意。

感情をなくさないためには、がむしゃらに努力するのではなく適度に息抜きすることも大切です。

感情がない人になってない?失感情症セルフチェック


ここからは「感情がない人になってるかも…」と心配な人に試してほしい診断テストを紹介します。
当てはまる項目が多ければ多いほど失感情症になっている可能性が高いので、ぜひセルフチェックしてみてください。

「好きなもの」がイメージできない


感情がない人は、自分が感情をなくしていることに気づけていないケースも多いです。
よって、まずは本当に感情がないのかをチェックしてみましょう。

あなたは、何が好きですか?
食べ物や飲み物、場所、物、人など「好きなもの」といわれてイメージするものは何でも構いません。

人には必ず好き嫌いがあるので、正常に感情がある人なら、好きなものという大きな括りの質問をされればすぐに想像力が働き答えが出てくるはずです。

反対に、好きなものを聞かれても何一つイメージできない場合は、感情がない人になっている可能性が高いでしょう。

物語のキャラクターに共感できない


ドラマやアニメ、漫画などのキャラクターに一切共感できない場合も、感情をなくしていると考えられるでしょう。
物語に登場するキャラクターは、視聴者や読者が物語に入り込めるよう、共感性を呼ぶ設定になっています。

もちろん全キャラクターが共感性を意識して作られたわけではありませんが、どのキャラクターにも共感できないとなれば、感情がないから共感力も落ちていると判断せざるを得ません。

気分が落ち込むことが増えた


感情をなくしてから、落ち込むことが増えたという人は要注意です。
失感情症が深刻化するとうつ病を代表とする心の病気にかかりやすくなりますが、気分の落ち込みはあらゆる精神疾患に共通する症状の一つ。

もしかすると、あなたは既に何らかの病気を発症しているから感情がなくなっているのかもしれません。
感情がないからこそ「何となく落ち込むかも?」くらいの認識かもしれませんが、あなたの心はとっくに限界を迎えている危険性があるのです。

感情消失とプラスアルファで落ち込みを感じたら、その状態がどれくらい長く続いているかをカウントし、早めに病院を受診することをおすすめします。

なぜか集団に馴染めない


集団に馴染もうという意識もあるし、努力もしているけど、なぜかいつもうまく馴染めない…という人も、感情をなくしている可能性大。

あなたが集団に馴染めない理由は、もしかすると「他人の気持ちがわからない」「空気が読めない」という感情がない人の特徴が出ているからかもしれません。

感情がない人は他人に共感できないからこそ「馴染めていない事実」に気づけていない場合も多いです。
一度、学校や職場での自分の立ち位置を振り返ってみましょう。

口数が減った


以前よりも極端に口数が減ったと感じる場合も、感情がない人になっていることを疑ったほうがいいでしょう。
人間は、考えたり感じたりしたことを言葉に出すので、感情がなく何も感じない人は必然的に言葉数も少なくなります。

また、自分の世界に引きこもりがちになり、他者とのコミュニケーションを避けるのは、失感情症の代表的な行動特徴です。

感情がない人を克服するための対処法


適切かつ早めに対処することで、感情がない状態を改善させられることがあります。
ここからは、感情がない人から脱却するための方法をお伝えしましょう。

日記やワークブックをつける

日記は、感情がない人にぜひ試してほしい手軽な克服法。
感情がない人が今やるべきことは、隠れてしまった自分の感情を探してあげることです。

ですが、ただじっと頭で考えるだけでは感情や思考はまとまりにくいので、日記をつけながら自分の内面と向き合いましょう。
日記なんて何を書けばいいのかわからない…という人は、感情を探すヒントが書かれたワークブックに挑戦するのもおすすめです。

「感情解放ワークブック」は、感情との付き合い方を考えさせてくれる一冊。
感情を掘り下げて受け止める手助けをしてくれます。

ボキャブラリーを増やす

言葉の引き出しが少なければ、せっかく感情を抱いてもうまく表現できません。
ですが、ボキャブラリーが多ければ些細な感情も的確に言葉で言い表すことができます。

そのため、日頃からボキャブラリーを増やす努力を怠らないようにしましょう。
人と積極的に話したり、テレビやネットなどメディアに触れたりすることを意識するだけで、ボキャブラリーは自然と増えていきます。

また、ボキャブラリーを増やしたい人に読んでほしい本が「感情類語辞典」です。
感情にまつわる言葉や言い回しがたくさん掲載されている本書は、読むだけで表現の幅をぐんと広げてくれます。

カウンセリングを受ける


何をしても感情が取り戻せないときは、メンタルクリニックやカウンセリングを受けましょう。

専門医に早めに相談することで、改善までの道のりも短くなります。
失感情症は人間関係を遠ざけるほど悪化するといわれているので、誰かに症状を話すだけでも気持ちに変化があるかもしれません。

受診する際は「いつから感情がない人になったのか」「今悩んでいることはないか」などを明確にしておくと、診断がスムーズに進みますよ。

感情がない自分を受け入れることが第一歩


感情がない人になっていると気づくと、病気の可能性を感じて不安になりますよね。

ですが、まだ病気だと決まったわけではないので、今はとにかく「心が疲れている」という自覚を持ち、できることから一つずつやっていきましょう。

ストレスや疲れを受け入れ、自分の心と向き合うことが、感情を取り戻すための第一歩です。

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ごとうゆき(ライター)
ごとうゆき

恋や仕事に悩む女性を応援するマルチライター

web制作会社に勤務し、デザイナー兼ライター業務を担当。女性らしいデザインや文章を学ぶ。認定心理士の資格を所持しており、心理分析をもとにした恋愛記事が得意。現在はフリーライターとして恋愛、キャリア、エンタメなどの情報を発信中。恋に悩む女性の背中を押せるよう、心を込めて記事執筆しています。

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