2021.09.09

ピル休薬中なのに生理がこない…もしかして妊娠?病院にいくべき?

ピルを休薬したのに生理がこない、ピルの使用を中止したのに生理がこない...ピルは避妊効果も高く便利ですが、こういった問題をかかえている人もいると思います。今回はピルを飲んでいるのに生理がこない理由とその対策をまとめました。

ピルってそもそも何?


ピルを休薬したのに生理がこない理由を考えるまえに、まずピルについての基本をおさらいしましょう。

低用量ピルとは

避妊を目的として作られた薬です。
女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)を配合しており、基本的には1日1回服用することにより避妊効果を得ることができます。

1シート21錠もしくは28錠が基本で、どちらも28日を1サイクルとしています。
1日~21日女性ホルモンが配合された薬を服用し、その後7日間が休薬期間です。

休薬期間とは薬効成分の服用をしない期間のことで、1シート21錠の場合は21日分服用後7日間なにも薬を飲みませんし、1シート28錠の場合は7日間ホルモンのふくまれていない偽薬 (プラセボ)を飲みます。

21錠タイプでも28錠タイプでも休薬期間に入ると、3日~4日で生理(消退出血)がおこります。
消退出血とはピルによる出血のことで、自然の排卵をともなう「月経」とは本来は別物です。

また避妊効果だけではなく生理周期を整える、生理痛の軽減など、他の効果を狙って服用する場合もあります。
日本まだまだ一般的とは言い難い低用量ピルですが、欧米ではかなり普及がすすんでおり、成人女性の約30~60%くらいが服用しているとするデータもあります。

低用量ピルの作用

低用量ピルにはいくつかの作用があります。

まず1つ目が排卵を停止させること。
排卵を促すホルモンの分泌をおさえ、排卵をストップさせます。

2つ目が受精卵の着床を妨げること。
通常であれば生理が終わってからの1週間ほどで、妊娠にそなえ子宮内膜が厚くなっていきますが、低用量ピルはそれを防ぎます。

このことにより、万が一受精しても受精卵が着床しづらい状況をつくることができます。

3つ目が子宮内へ精子が入ってきづらくすること。
低用量ピルには子宮頚管の粘液が濃くする作用がありますが、このことにより精子が子宮へ入ってきにくくなります。

この3つがあわせて作用することにより、高い避妊効果をえることができるのです。

低用量ピルの種類

低用量ピルには、黄体ホルモンの種類の違い、ホルモン配合量の違いによりいくつか種類があります。

黄体ホルモンの違い

まず黄体ホルモンの違いにより3つ種類があります。

まず第1世代とよばれるものは、黄体ホルモンにノルエチステロンが使われています。
黄体ホルモンの作用が弱いため含有量が多くなっています。

 第2世代は黄体ホルモンにレボノルゲストレルを使っており、第1世代に比べて含有量をおさえることに成功しました。
一方アンドロゲン作用(体毛が濃くなったり、にきびが出やすくなったりする作用)がおこることもあります。

 第3世代は黄体ホルモンにデソゲストレルを使っており、アンドロゲン作用が少ないです。
子宮内膜症の治療やニキビ防止などの効果も期待できます。

一方、血栓症のリスクが第2世代と比べて約2倍となっています。

ホルモンの配合量の違い

1シート(21日もしくは28日)のうち、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの配合量がずっと一定なものは一相性と呼ばれます。
1シートに配合量が異なる3種類の薬が入っているものは三相性です。

女性の体内では卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌量は変化しており、実際の女性の体内のホルモン分泌の変化に近いのは三相性です。

どの世代がよいか、一相性・三相性どちらがよいかは、全てのタイプに一長一短があるので一概にはきめられません。
医師と相談の上で処方してもらいましょう。

低用量ピルを飲んでいれば妊娠しない?

低用量ピルを毎日しっかり飲んでいれば、妊娠確立は0.1%です。
ただし飲み忘れたり、ピルが体内に吸収される前に吐いてしまったりしたら、妊娠確立はあがってきます。

低用量ピルの注意点

乳がんや子宮頸がんやその疑いがある人、血栓症の人、中性脂肪値に異常がある人など、低用量ピルを使用してはいけない場合があります。
医師に必ず相談しましょう。

ピルの休薬中なのに生理がこない原因~妊娠の可能性~


さてピルの基本をおさらいしたところで、本題に入ります。
ピルの休薬期間にはいったのに生理(消退出血)がこない場合についてです。

一般的には休薬期間に入って2~3日後に4~5日間くらいの生理(消退出血)がくることがほとんどです。

では休薬したのに生理がこない原因はなんでしょうか?

まず最初に妊娠をしていないか確認してください。
生理予定日を1週間すぎても生理がこない場合は、妊娠検査薬でチェックしましょう。

ピルは非常に避妊効果が高いですが、それでも以下の理由で妊娠する可能性があるからです。

飲み忘れ

当たり前ですが、飲み忘れることによって妊娠の確立はあがります。
飲み忘れて性行為をする場合は、他の避妊法を実施してください。

下痢や嘔吐のあと

体調不良などで、下痢や嘔吐があるとピルの効果が弱まることがあります。
薬効が体内にとどまらず、体外にでてしまっている可能性があるからです。

ピルの効果を下げる薬を飲んでいる

「ペニシリン系」と「テトラサイクリン系」の抗生物質はピルの効果を下げる作用があります。
また一部のサプリメントも効果を下げる可能性があります。

ピルを処方してもらう時に、自分が飲んでいるその他の薬をちゃんと薬剤師や医師に伝えてください。

生理がこなくてもそのまま低用量ピルを服用し続けてかまいません。
仮に妊娠していた場合でも、お腹の赤ちゃんに影響はないと言われています。

ピル休薬中なのに生理(消退出血)がこない場合の対処法


低用量ピルを服用中に、生理がこない確立は1%に満たないと言われています。
生理がこなかった場合は、念のため病院の受診をおすすめします。

妊娠の可能性はもちろん、子宮の病気などが隠れている可能性があるからです。

受診のタイミングは生理開始予定日から1週間後くらいが目安です。

ピルの服用をやめたのに通常の生理がこない場合の対処法


次に休薬ではなく、ピルの服用をやめたのに通常の生理がこない場合を考えます。

妊娠の可能性

休薬時と同じくピルの服用を中止したのに通常の生理が来ないときは、妊娠していないか確認しましょう。
ピルをやめたあとに排卵があり性行為があれば、妊娠する可能性はあります。

生理再開には個人差がある

ピル中止後の通常の生理再開には個人差があります。
1か月でくる人もいれば3か月近くかかる人もいます。

生理不順

ピル服用前に生理不順だった人は、ピル服用中止後も生理が遅れることがあります。
また子宮内膜症や無排卵といった問題が原因の場合もあります。

病院にかかるタイミング

生理開始予定日から1週間~2習慣を目安に病院を受診してください。
妊娠しているのであれば適切な対処が必要です。

生理不順であれば、妊娠希望かどうかや年齢などを考慮して、ホルモン治療などを行うこともあります。

まとめ


低用量ピルは避妊効果がとても高いだけではなく、生理周期を整えたり美肌になることが期待出来たりとさまざまな効果もあります。

服用にはいくつか注意すべきことがありますので医師と相談の上、低用量ピルを上手に活用していきたいですね。

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レイトン愛加(ライター)
レイトン愛加

英語・キャリア系の記事が得意◎ブラジル在住ライター

英語力0からアメリカ高校留学・オーストラリアTAFE留学を経て英検1級・TOEIC950に。ブラジル現地会社で英語とポルトガル語で経理関係の仕事をしています。ブラジル会計士資格取得済み。ブラック企業から転職エージェントを利用しコンサル企業に転職成功した経験からキャリア関係の知識も豊富。趣味は読書と遺跡巡りと美容研究。

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