2021.11.02

営業ロープレは効果的なスキルアップができる!種類やメリットも解説

新人の営業社員が実際の商談でいきなり契約をとることは簡単ではありません。商談に慣れるためには実践に近い経験が積める営業ロープレが有効です。ここでは、営業ロープレの概要や種類などについて解説します。

営業ロープレは営業スキルを習得する実践的学習法


営業ロープレは、営業スキルを磨く効果的な方法です。
新人営業に対してロープレを行わせ、練習させる会社は多いでしょう。

ロープレとはロールプレイングの略で、ロール(role)は役割、プレイング(playing)は演技を意味します。
つまり、営業ロープレとは、社員同士で営業社員と顧客の役割を演じて、実際に近い商談を体験することです。

テレアポやヒアリング、クロージングなどは、いきなり営業の場に出てもうまくいくものではありません。
そこで、疑似的に営業活動のさまざまなシーンを体験し、経験値を積むために行うのが営業ロープレです。

商談を疑似体験することで、実際に営業現場に出たときにどのような対応をすればいいかわかるだけでなく、自分自身の課題を理解するきっかけにもなります。

  • 顧客にどう説明すればいいか
  • どこを落としどころにすべきか
  • 顧客の話をしっかり聞けていない
  • 商品知識が不足している

このようなことを把握し改善につなげられるため、営業ロープレは営業スキルを向上させるために不可欠な学習法なのです。

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営業ロープレの4つの種類


営業ロープレには主に4つの種類があり、それぞれやり方や特徴が異なります。
ロープレを行う際は、克服したい課題や練習したいポイントを明確にしたうえで、それにあった種類を選ぶことが必要です。

基本的には、指導する先輩営業担当や上司が設定しますが、自分の苦手なポイントがわかる場合には「このロープレをやりたい」と提案してみるのもいいでしょう。

ここでは、4つの種類のそれぞれの特徴について解説します。

ケース型ロールプレイング

ケース型は、特定の状況を細かく設定して行う、もっとも一般的なスタイルのロープレです。

  • 営業先の業種
  • 担当者の性格や傾向
  • 売り込む商材・商品・サービス
  • 抱えている課題

このような項目を細かく設定し、実際の状況に近づけることで、リアルな商談を擬似体験。
本番同様の対応力が求められるため、実践力が鍛えられます。

グループロールプレイング

グループロールプレイングは、営業役と顧客役に分かれて役割を交代しながら行う方法です。

顧客の立場も経験することで、次のようなさまざまな気づきが得られます。

  • こう伝えれば顧客にもわかりやすい
  • このクロージングでは契約しようと思わないな
  • 話すスピードをもう少し遅くしないと聞き取れない

顧客からの視点を活かすことで、相手の心をつかむ営業ができるようになるでしょう。

問題解決型ロールプレイング

問題解決型ロールプレイングでは、過去に実際にあった事例や、現在進行中の課題などを取り上げて解決策を検討します。

具体的な問題や課題に対する解決策を探るため、強い当事者意識を持って参加できるでしょう。

たとえば、契約まであと一歩だったにもかかわらず、注文には至らなかった事例をテーマにする場合、ロープレを通して次のようなことを探ります。

  • どうすれば受注しようと思えたか
  • このような説明ならどう感じるか
  • 契約をやめた理由はどこか

それぞれが自分なりの方法で解決策を実践するため最善策が検討できるロープレ。
新人だけでなく、ベテランのスキルアップにもなる方法です。

モデリング型ロールプレイング

モデリング型ロールプレイングは、成績の良い営業社員にロープレしてもらい、それをモデルとして営業社員全員が真似てみる方法です。

  • 話し方の特徴(リズムやスピード)はどうか
  • 表情やジェスチャーはどの程度入れているのか
  • 顧客が渋い顔をしている時の切り返しはどうか

このようなところに注目し、トップセールスマンの優れたノウハウが共有できるため、営業部署全体のスキルの底上げにつながります。

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営業ロープレのメリット4つ


営業ロープレにはさまざまなメリットがあります。
ここでは、主なメリットを4つ取り上げて解説します。

1.商談の場で話すことに慣れる

営業ロープレを行うメリットの1つとして「商談の場に慣れることができる」点が挙げられます。
ロープレをしなくても、営業社員が自分で練習することで、商材のスペックやメリットについてわかりやすく説明することはできるでしょう。

しかし、営業ではただ商品の魅力を説明するだけでは契約に結びつきません。
顧客の話を聞いて、悩みごとなどがあれば具体的な解決策を提案したり、顧客に契約を決断させるためのきっかけを作ったりすることが不可欠です。

とはいえ、新人のうちはなかなかスムーズにできるものではありません。
商談中に顧客から想定外の質問をされて、適切な返しができないこともあるでしょう。

営業ロープレで練習を重ねておくことで、さまざまな状況に対応できるようになります。
その結果、自信をもって商談に臨めるようになるでしょう。

2.自分の強みを活かした営業スタイルがわかる

営業スタイルは人によって異なるもの。
自信にあふれた態度で商品を力強く売り込む“体育会系タイプ”もいれば、情報やデータを緻密に分析し綿密に準備して商談に臨む“戦略家タイプ”もいます。

物腰柔らかで誠実に行動し、地道に顧客の信頼を積み重ねて契約につなげるタイプもいるでしょう。

仮に、所属する営業部のトップ営業マンが体育会系タイプだったとして、営業社員全員がその真似をして上手くいくとは限りません。
自分に合った営業のやり方は、体育会系タイプ以外の可能性もあるからです。

まずは、自分の特性や強みを活かした営業スタイルをとることが大切。

営業ロープレをすることで、自分はどのような営業タイプなのか把握できます。
その結果、自分の強みを活かしたスタイルで営業活動が行えるようになるのです。

3.改善すべき課題点がわかる

成績が振るわない原因は、営業社員によって異なります。

  • 顧客の課題を理解するのが不得意
  • 商品の魅力をうまく伝えられていない
  • 自信なさそうに話すことで信頼が得られない

営業ロープレでフィードバックを受けることにより、自分の何が問題なのか明確になります。
課題点がわかれば、あとは克服する努力をするだけ。

実際の商談に近いロールプレイングを通して、改善点をはっきりできるのがメリットです。

4.商品の知識や準備の漏れがないかがわかる

商材について深く理解し、必要な資料も十分にそろえたつもりでも、実際に商談に臨んでみたら不足している部分があることもしばしば起こることです。

実際の商談の場で受け答えに困ったり、間違ったことを伝えてしまっては取り返しがつきません。

事前に営業ロープレをしておくことで、何が足りていないのかが明らかに。
反省点を活かすことで、実際の商談では抜けや漏れのない状態で臨めるようになります。

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効果的な営業ロープレを行うためのポイント3つ


営業ロープレは営業スキルをアップするのに役立つ方法ですが、適切な方法で行わなければ想定したような効果は得られません。
ここでは、営業ロープレを行う際に注意すべきポイントについて解説します。

1.ステップ単位で行う

顧客との商談は、1時間以上かかることもよくあります。
とはいえ、営業ロープレで1時間以上かけて商談を再現するのは効率的ではないことも。

そこで、アポ取りやヒアリング、提案、クロージングなどのステップ単位でロープレするといいでしょう。
ロープレの時間は内容に合わせて15~30分程度にしておくと、集中力も持続し、効果的な練習ができます。

2.動画撮影しておく

営業ロープレの様子は、動画で撮影しておきましょう。
あとで動画を見返すことで、客観的に自分の営業スタイルを振り返ることができるためです。

表情や言葉遣い、姿勢といった見逃しがちな点も見返すことができ、改善につなげられます。

3.フィードバックする

営業ロープレをしたら、必ず営業役に「良かった点」「改善点」などをフィードバックしましょう。

このとき大切なことは、欠点ばかり探さないことです。
悪い点ばかり指摘されると、フィードバックを受ける側は営業に対して自信を失いかねません。

まずは良い点を伝え、改善点についても「こうするともっと良い」といった方向で伝えることが大切です。
フィードバックを受ける側は、指摘されたポイントを真摯に受け止め改善に努めましょう。

営業ロープレで営業スキルを磨こう


営業ロープレは、社員が顧客役と営業役に分かれて商談を疑似体験する実践的な練習法です。
商談に慣れたり、自分の強みを活かした営業スタイルや改善点がわかったりするなど、さまざなメリットがあります。

しかし、適切な方法で行わなければいい効果は得られません。

営業ロープレを行うときは、動画を撮影してあとで見返せるようにし、必ずフィードバックすることが大切です。

また、商談を通しで行うのは非効率な場合もあるため、ヒアリングや提案など小分けにして短時間のロープレを行うのがおすすめ。
効果的なロープレを重ね、営業スキルを上げて成績向上を目指しましょう。

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百日紅(ライター)
百日紅

正社員、派遣社員経験を経て、現在はWebライターで活動中です。読者が「読んで良かったな」と思える情報を提供できるよう心がけ、日々執筆しています。

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