2021.12.05

ゆで卵ダイエットのやり方とは?メリット・デメリットも解説

ゆで卵ダイエットは手軽にできるイメージがあり、興味のある人も多いのではないでしょうか。ただし、ゆで卵ダイエットにはメリットだけでなくデメリットもあり、適切な方法で実施することが大切です。本記事では基本的な方法や注意点などについて解説します。

ゆで卵ダイエットとは


ゆで卵ダイエットとは、日々の食事にゆで卵を取り入れて体重を減らすダイエットのことです。

ただし、誤解している人もいるようですが、これは「毎食ゆで卵のみを食べる」単品ダイエットではありません。
食事の一部をゆで卵に置き換えて食べるもので、1日に食べる個数の目安は2個程度です。

ゆで卵ダイエットの基本的な方法4つ


ゆで卵ダイエットにはさまざまなやり方があり、厳密な決まりはありません。
主なパターンは以下のとおりです。

  • 朝食にゆで卵2個・昼と夜は普段通り
  • 昼や夜のどちらか1食のみ、主菜をゆで卵にする
  • ご飯をゆで卵2個に置き換える
  • 間食をゆで卵1個にする

ライフスタイルや嗜好に合わせ、取り入れやすい方法を選ぶとよいでしょう。

なお、ゆで卵は半熟ではなく固ゆでにします。
これは、固ゆでのほうが消化に時間がかかり、腹持ちが良くなるためです。

方法1.朝食にゆで卵・昼と夜は普段通り

朝食をゆで卵2個に置き換え、昼食や夕食はいつもどおりの食事にする方法です。
卵をゆでるだけの簡単な調理のため、忙しい朝でもできるでしょう。

とはいえ、昼や夜に脂質や糖分の多いものをたくさん食べていてはダイエット効果は見込めません。
なるべく、主菜は高タンパク質低エネルギーなものにしましょう。

高たんぱく質低エネルギーの食材としては、あじやいわし、鮭などの魚、鶏ささみ、鶏むね肉、豚ひれ肉、豚ロース肉、豆腐などがあげられます。

方法2.昼や夜どちらか1食のみ、主菜(肉や魚)をゆで卵にする

昼食か夕食のどちらか1食の主菜を、ゆで卵に置き換える方法です。
肉料理や魚料理をゆで卵に変えることで、カロリーがカットできます。

とはいえ、卵のカロリーはMサイズ1個で約71キロカロリー(※)ほど。
5つも6つも食べてしまうと、主菜をゆで卵に置き換えた意味がありません。

ゆで卵は、2個程度に抑えておくようにしましょう。

出典:文部科学省|食品成分データベース(外部リンク)

※卵Mサイズの正味重量を50gとして計算

方法3.ご飯をゆで卵に置き換える

昼食か夕食のどちらか1食で、ご飯をゆで卵に置き換える方法です。

ただし、炊いたご飯は100gで約156キロカロリーあります。(※1)
ご飯茶碗に中盛りで約150gのため、換算すると約234キロカロリーです。(※2)

ゆで卵1個が約71キロカロリーなので、3つ食べるとほとんど変わらなくなり、置き換えた意味がありません。
ご飯と置き換えて食べるゆで卵は2個までにしましょう。

※1 出典:農林水産省|「子どもから、「茶碗1杯のごはんはお米何粒?また、稲だと何株?」と質問されました。目安を教えてください。」(外部リンク)
※2 出典:文部科学省|食品成分データベース(外部リンク)

方法4.間食をゆで卵1個にする

食事の合間の間食をゆで卵にする方法もあります。
これは、普段おやつとして甘いお菓子やスナック菓子などを食べる習慣がある人向けの方法です。

チョコレートやスナック菓子はハイカロリー。
そのうえ、食べ始めるとなかなか止められず、ついついつまんでしまう人も多いのではないでしょうか。

おやつをゆで卵にすれば、1個でも満腹感が得られ、摂取カロリーを大きく減らせます。
ただし、普段からあまりおやつを食べない人には向かない方法です。

ダイエットでゆで卵を取り入れる理由は?


置き換え食材にゆで卵を使うのには、ちゃんとした理由があります。

1.栄養豊富

まず第一に、卵は栄養が豊富なため、という理由があげられます。
人間が健康に生きていくためにはタンパク質、糖質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの五大栄養素を摂取することが欠かせません。

卵には、ビタミンCと食物繊維以外のほとんどの栄養が含まれています。
そのため、「完全栄養食」と呼ばれているほど。

ちなみにタンパク質を構成するアミノ酸には、食物によって摂取しなければならない必須アミノ酸と呼ばれる成分が9種類あります。
卵にはこの9種の必須アノ酸もバランスよく含まれており、タンパク質の栄養価を示すアミノ酸スコアはなんと100点。

食物から摂取したタンパク質が筋肉や内臓、髪や肌を作ることは知っている人も多いでしょう。
無茶な食事制限ダイエットをすると、タンパク質が不足してしまい、肌や髪がツヤやハリを失ったり筋肉量が減少したりとトラブルを招く恐れがあります。

ゆで卵ダイエットでは、良質なタンパク質が豊富に含まれている卵を摂取するため、そのような心配がありません。

出典:農林水産省 広報誌aff(あふ)2018年9月号|特集1 たまごのチカラ(2)(外部リンク)

2.低カロリーで腹持ちが良い

卵はMサイズでおおよそ71キロカロリーほど。
これは、3つ食べて茶碗1杯分のご飯と同じくらいです。

また、固ゆでにすると消化に時間がかかるため、腹持ちが良くなります。
固いのでよく噛む必要もあり、満腹中枢が刺激されるため、満足感も得やすいでしょう。

「なんとなく物足りない」「小腹が空いたから間食する」といったことがなくなり、食べる量も摂取カロリーも抑えられ、体重を減らしやすくなります。

ゆで卵ダイエットのメリット・デメリット


ゆで卵ダイエットにはメリットもあればデメリットもあります。
どのようなものか、知っておきましょう。

メリット

まずはゆで卵ダイエットのメリットについて、主なものを2つ紹介します。

1.手軽に取り組め長続きしやすい

ゆで卵ダイエットの大きなメリットは、方法が簡単で経済的な負担も少なく、取り組みやすい点です。

主菜やご飯、おやつなどをゆで卵に置き換えるだけでよく、たとえば複雑なカロリー計算をして献立を考える必要があるといった面倒なことをする必要はありません。
また、卵はスーパーやコンビニで簡単に手に入れられます。

さらに、卵は物価の優等生と言われるほど価格が安定していて安く買える食材です。
ゆで卵は卵を買う回数が増える程度の出費ですむため、ダイエットを始めても経済的な負担が大きくなることはありません。

手軽に取り組めて経済的な負担も少ないため、長続きしやすいでしょう。
ダイエットは継続することが重要なため、これは大きなメリットといえます。

2.栄養がバランスよく摂れる

先に述べたように、卵は身体が必要とする栄養のうち、食物繊維とビタミンC以外のほとんどが含まれる食材です。

食物繊維とビタミンCの摂取にさえ気を付ければ、ゆで卵ダイエットで栄養の極端な不足を心配する必要はありません。

きれいに痩せるためには、栄養をバランス良く摂ることが不可欠です。
栄養をきちんと摂れることも、ゆで卵ダイエットの大きなメリットの1つといえます。

デメリット

ゆで卵ダイエットにはいくつかのデメリットもあります。
どのような点がデメリットなのか、見ていきましょう。

1.味に飽きる

まずは、味に飽きてしまやすい点があげられます。
ゆで卵は淡白な味わいのため、毎日食べていると「もういいかな」という気持ちになることもあるでしょう。

その場合、淡白なだけにほかの味と合わせやすいので、さまざまな調味料をつけて変化をつけるのがおすすめです。

ゆで卵のおいしい食べ方は、最後で紹介しています。
ぜひそちらも参考にしてください。

2.腸内の悪玉菌が増える

ゆで卵に豊富に含まれるタンパク質は、健康な身体づくりに欠かせない栄養成分です。
その一方で、腸内に存在する悪玉菌のエサにもなります。

つまり、毎日せっせとゆで卵を食べていると悪玉菌が増える恐れがあるのです。
この悪玉菌が増えると、腸内でタンパク質を分解する際におならを作り出します。

悪玉菌を減らすには、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を意識的に摂取するとよいでしょう。
ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が増え、腸内環境を整えてくれます。

ゆで卵ダイエットの4つの注意点


手軽に取り組め、あまり難しいルールのないゆで卵ダイエットですが、いくつか注意すべきポイントもあります。

ここではゆで卵ダイエットの注意点を4つ紹介します。

注意点1.適切なやり方で行う

ゆで卵ダイエットは、毎日の食事や間食のいずれか1食にゆで卵を取り入れ、摂取カロリーを減らして減量につなげるものです。
ところが名前の印象からか、「毎食ゆで卵のみを食べる」とのイメージを持つ人がいます。

このような極端な方法でダイエットを実行すると、食物繊維やビタミンCが摂れず栄養が偏ります。
腸内環境が悪化して便秘になる恐れもあるでしょう。

コレステロールについても注意が必要です。
ゆで卵ダイエットについて解説している記事のなかには、以下のように説明しているものがあります。(※1)

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2015年版)では、それまで「成人男性750mg/成人女性600mg」と定めていたコレステロールの上限値を撤廃した。
以前は卵は1日2個までとされていたが、気にせず食べてよい。

実は、これは古い情報です。
2020年版においては、以下のように改定しています。(※2)

(コレステロールは)脂質異常症及び循環器疾患予防の観点から過剰摂取とならないように算定することが必要である。
一方、脂質異常症の重症化予防の目的からは、200 mg/日未満に留めることが望ましい。

いくら食べても問題ないわけではなく、健康な人であっても過剰に摂取しないよう注意する必要があります。

誤った方法では美しく痩せるどころか健康を害しかねないため、適切な方法を理解して実践しましょう。

※1 出典:The SANKEI NEWS|食事コレステロールもう気にしなくていい? 「血中濃度と無関係」 厚労省は抑制目標値「撤廃」(外部リンク)
※2 出典:厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020 年版)(p143)(外部リンク)

注意点2.食物繊維やビタミンCも意識して摂る

完全栄養食ともいわれる卵ですが、食物繊維とビタミンCは含まれていません。
そのため、この2つは特に意識して摂取するようにしましょう。

食物繊維は、切干大根やごぼう、モロヘイヤ、きのこ、海藻類、豆類などに豊富に含まれます。

ビタミンCを多く含む食材は、ピーマンやブロッコリー、キャベツ、じゃがいもなどの野菜やイチゴ、キウイフルーツなどの果物です。

注意点3.運動も実施する

ゆで卵を食事に取り入れると同時に、運動も実施するとよいでしょう。
健康的に痩せるには、食生活の管理だけでなく運動してカロリーを消費することも欠かせないためです。

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動と、スクワットなどの筋トレを組み合わせるのがおすすめ。
とはいえ、「運動は苦手」「楽して痩せたいからゆで卵ダイエットをしようと思ったのに」という人もいるでしょう。

そのような場合は、「通勤や退勤時に一駅分多めに歩く」「エレベーターを使わず階段で上がる」など、毎日の生活のなかで普段よりほんの少し多めに体を動かすことを意識してみましょう。

注意点4.ダイエット効果は緩やか

Twitterなどでは、「ゆで卵ダイエットをして3日で〇kgも体重が落ちた!」「1週間で〇kgの減量に成功!」などの口コミが見受けられます。
「そんなにすぐ効果が出るならやろう」と思った人もいるのではないでしょうか。

残念ながら、数日で急激に体重が減っても本当の意味でダイエットの効果があったわけではありません。
なぜなら、もともと体内にあった水分や糖質が減っただけであり、余分な脂肪が減ったわけではないためです。

そもそも、体脂肪を減らすのにはもっと時間がかかります。
短期間で一気に痩せるものではないため、注意しましょう。

関連記事

ゆで卵の美味しい3つの食べ方


淡白な味で、毎日食べると飽きてしまいそうなゆで卵。
ここでは、美味しく食べる方法を紹介します。

1.調味料で味付けを変える

ゆで卵といえば、塩をつけて食べる人も多いでしょう。
塩にもハーブソルトや抹茶塩、藻塩などさまざなな種類があって味が異なります。

まずはいろいろな塩を試すというのも楽しいでしょう。

辛い味が好きなひとは、ゆで卵に七味唐辛子や柚子胡椒、タバスコなどをかけてみるのがおすすめです。
ピリッとした辛みが良いアクセントになります。

マヨネーズに黒胡椒をかけたり、わさびを混ぜたりするのもありです。
黒胡椒やわざびのダイレクトな辛みがマヨネーズでマイルドになります。

ただ、マヨネーズはカロリーが高めなので、つけすぎないように気を付けましょう。

和風のテイストが好きな人であれば、味噌やポン酢、ごま油などをつけて食べてみると、一味違った味わいが楽しめます。

2.味付卵

味がしっかりとしみ込んだ味付卵もおすすめの1つです。
作り方は簡単で、密閉できる保存用袋にゆで卵とめんつゆを入れ、空気を抜いて口を閉じ冷蔵庫で半日程度置くだけで作れます。

卵1個あたり、めんつゆは大さじ1程度でかまいません。
袋にいれてぴったり密着させるため、少量のめんつゆでしっかり味がつきます。

3.サラダ

お好みの野菜でサラダを作り、カットしたゆで卵と合わせるのも良いでしょう。
組み合わせる食材によって、卵に含まれない食物繊維やビタミンCも補えます。

上で説明した食物繊維やビタミンCを豊富に含む食材を参考に、サラダを作ってみてください。

正しい方法でゆで卵ダイエットを実践しよう


ゆで卵ダイエットは、食事の一部や間食をゆで卵に置き換えることで摂取カロリーを減らし、緩やかに体重を落とダイエットです。

まれに誤解している人がいますが、ひたすらゆで卵だけを食べるというものではありません。
健康的に痩せるためにも、適切な方法を理解して実践することが大切です。

また、卵には豊富な栄養がありますが、食物繊維とビタミンCは含まれていません。
これらは意識して摂取することが必要です。

手軽で取り組みやすいゆで卵ダイエットで、健康的にきれいに痩せましょう。

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百日紅(ライター)
百日紅

正社員、派遣社員経験を経て、現在はWebライターで活動中です。読者が「読んで良かったな」と思える情報を提供できるよう心がけ、日々執筆しています。

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