テレワークでコミュニケーション不足に陥りやすい原因4つ
「テレワークをすると、オフィスワークの時よりもコミュニケーションが不足する気がする……」
このように感じている方は多くいます。
まずはテレワークで、コミュニケーション不足になる4つの原因を確認しておきましょう。
1.顔を合わせる頻度が減るため
テレワークでは、周りに上司や同僚が誰もいない状態で仕事をすることになります。
そのためオフィスワークの時よりも、社員同士のコミュニケーション頻度が減る傾向にあります。
WEB会議などでコミュニケーションの機会を設ける方法もありますが、相手の仕事の時間を奪ってしまうことを考え、ためらってしまうケースも珍しくありません。
またテレワークでは、コミュニケーションの内容が業務上のものに限定されてしまいます。
そのため、世間話やアドバイスなどのコミュニケーションは、テレワークでは発生しにくいのです。
2.認識のずれが発生しやすいため
テレワークでは認識のずれが発生しやすいため、コミュニケーション不足を招くことがあります。
テレワークでのやりとりは、WEB会議やメール、チャットなどで行なわれます。
このうち、WEB会議は頻繁に行なうと時間を奪い仕事の妨げにもなるため、基本的にはメールやチャットなどを使い文章のやりとりをすることになるでしょう。
文章でやりとりする場合は、対面会話のように相手の表情や仕草から情報を読み取ることができません。
その結果細かいニュアンスが伝わらず、認識のずれが発生してしまい、積極的にコミュニケーションを取ろうとする意欲が低下してしまいます。
その結果、コミュニケーション不足を招いてしまうのです。
認識のずれによるコミュニケーション不足に陥ると、業務上のミスや人間関係の悪化につながってしまうこともあるため注意が必要です。
3.タイムラグが発生しやすいため
タイムラグが発生しやすいことも、テレワークでコミュニケーション不足になってしまう原因のひとつです。
テレワークでは、社員全員が同じタイミングでメッセージを確認するわけではありません。
そのためすぐに情報を共有したいと思っても、タイムラグが生じてしまいます。
急ぎで回答が欲しいときでも、席を離れている場合などで相手がメッセージを確認していないと回答はもらえません。
オフィスで一緒に働いていたときは、相手の状況を察して動くことができていたとしても、テレワークではそれが難しいのです。
4.テレワークツールに慣れていないため
テレワークツールの導入が、コミュニケーション不足を招く場合があります。
なぜなら、新たなコミュニケーションツールを使いこなせないことにより、コミュニケーションに支障をきたしてしまうためです。
例えばビデオミーティングツールであるZOOMで打ち合わせをする際は、招待リンクを送り、参加を許可するといった工程が必要です。
ZOOMを使用したことのない人がこの一連の流れを行うのは難しく、連絡を取ろうとして諦めてしまうケースも考えられます。
また、テレワーク中にツールトの使い方がわからなくなっても、教えてくれる社員が近くにいるわけではないため、周りに気軽に聞くことができません。
そのため、コミュニケーション不足になるという事例も決してめずらしくはないのです。
コミュニケーション不足が原因で起こる6つの悪影響
テレワークのコミュニケーション不足は、以下の6つのような問題を引き起こしてしまいます。
- モチベーションが低下する
- 信頼関係の構築が難しくなる
- 企業文化を育てにくくなる
- 生産性が低下する
- 業務ストレスが増加する
- 人事評価の不満につながる
ここでは1つひとつ詳しく解説します。
1.モチベーションが低下する
テレワークによって社員同士のコミュニケーションが不足すると、社員の働くモチベーションが低下します。
テレワークではどうしても孤独を感じやすく、チームで働いているという意識が薄れてしまいます。
そのため、「チームの一員として仕事を頑張ろう!」という意欲が低下しやすいのです。
また、テレワークのコミュニケーション不足によって情報共有の機会が減るため、会社や部署の目標が見えにくくなり、モチベーションが低下することも考えられます。
2.信頼関係の構築が難しくなる
テレワークによってコミュニケーションが不足すると、社員同士の信頼関係の構築が難しくなってしまいます。
なぜならテレワークは対面での仕事に比べ、情報共有の遅れやミスが生じやすいためです。
例えば連絡の返答が人によって差があったり、ちょっとした情報の行き違いでミスにつながったりするケースが積み重なると、仲間に対しての不信感が募りやすくなります。
このようにテレワークは、対面で仕事をしていた時のような信頼関係の構築が難しいと言えるでしょう。
3.企業文化を育てにくくなる
テレワークでコミュニケーション不足が深刻化すると、企業文化を育てにくくなります。
社員同士のコミュニケーションが不足しがちなテレワークでは、会社に対する愛着も薄れていき、会社独自の価値観や行動規範が守られにくくなってしまうのです。
例えば、これまでチームや会社のために営業成績を上げる努力をしていた社員でも、仲間とのコミュニケーション不足が原因で会社に対する愛着が薄れると、会社のルールを守ろうという意識が下がってしまいます。
その結果、企業文化が育ちにくくなってしまうのです。
4.生産性が低下する
テレワークのコミュニケーション不足は、生産性の低下にもつながります。
テレワークはオフィスワークに比べ、出社するときのようにスムーズにコミュニケーションが取れないため、仕事が思うように進まず生産性を低下させてしまうのです。
本当は今日中に済ませたい仕事があるのに、上司から確認の連絡がもらえないため思うように進められず、結局その日のうちに終えることができなかった。
このようなケースが続くと、本来やるべきことを終えられなくなり生産性の低下につながります。
5.業務ストレスが増加する
テレワークによってコミュニケーション不足に陥ると、業務の生産性低下や人間関係の悪化を招き、業務ストレスを感じやすくなってしまいます。
業務ストレスが増加した結果、コミュニケーション不足がさらに悪化し、生産性を低下させ、人間関係の悪化につながるという悪循環に陥ってしまうのです。
また、社員同士顔を合わせて愚痴を吐き出したり、雑談で笑い合ったりしてストレスを解消することも、テレワークでは難しくなります。
このように、出社時は解消できたはずのストレスが、テレワークでは解消しにくくなり、どんどんストレスが蓄積されていく場合があります。
6.人事評価の不満につながる
テレワークのコミュニケーション不足は、人事評価への不満につながる場合があります。
テレワークによってコミュニケーション不足になると、社員がどのように評価されているのかわからず、自分の働きが正しく評価されていないと感じやすくなります。
その結果、人事評価に対し不満を覚える社員が増えてしまうのです。