代表的な営業スタイル3選
まずは、代表的な営業スタイルをいくつか紹介します。
今の自分がどの営業スタイルなのかも含め、確認してみましょう。
2021.11.06
商品やサービスを売ったり高い評判を得たりするためには、自分の適性と合った営業スタイルを貫くことが大切です。うまく結果に結びつかないときは、営業スタイルを見直してみるのがよいでしょう。今回は、適性に合わせた営業スタイルになっているか、見極める方法を紹介します。
まずは、代表的な営業スタイルをいくつか紹介します。
今の自分がどの営業スタイルなのかも含め、確認してみましょう。
アウトバウンド営業は、営業からクライアントに対してアプローチをおこない、案件を獲得する手法です。
「営業職」と聞いて多くの人がイメージする営業スタイルだと言えるでしょう。
主に、新規顧客開拓の現場で活用されることが多いです。
例えば、下記のような取り組みは、全てアウトバウンド営業に当てはまります。
ひとつひとつの企業に対しダイレクトにアプローチできることが、最大の魅力だと言えるでしょう。
一方で、「興味がない」「忙しいから後にしてほしい」と断られてしまうことも多く、強いメンタルが必要な営業スタイルでもあります。
インバウンド営業は、クライアントから営業に対して問い合わせがおこなわれ、案件を獲得する手法です。
「受け身営業」と言われることも多く、種を撒いて周りからの反応を待つ営業スタイルだと言えるでしょう。
主に、見込み客など自社に興味のある顧客を開拓するシーンで使われます。
例えば、下記のような取り組みは、全てインバウンド営業に当てはまります。
幅広い企業に向けて一斉にアプローチしやすく、「興味はあるけれど行動に至っていない」というクライアントを獲得する際に便利です。
一方で、マーケティングが欠かせない営業スタイルであり、問い合わせや資料請求がないとその後につながらないというデメリットもあります。
ソリューション営業とは、クライアントが抱える課題や悩みを丁寧にヒアリングし、二人三脚で解決に臨む手法です。
クライアント本人ですら課題に気づいていないケースも多く、課題のリストアップから始まることもあるでしょう。
主にインバウンド営業と同時におこなわれ、長期的な目線で関わる傾向が強いです。
例えば、下記のような業種で積極的に活用されています。
また、一般顧客向けにサービス展開をしているBtoC企業でも、ソリューション営業を採用している場合が多いです。
代表的なものとして、塾・家庭教師などの学習支援業や、子どもの習い事・大人のカルチャースクールなどが挙げられます。
ファーストコンタクトから課題解決まで一貫して営業が携わることもあり、クライアントと深い関係性を築けます。
次に、適性に合った営業スタイルであるかどうか、見極めるための視点を紹介します。
今の営業スタイルに疑問がある人や、今後のキャリアに不安がある人は、ぜひチェックしてみましょう。
まずは、自分の得意分野と合っているかを確認します。
例えば、電話やメールなど顔を突き合わせないコミュニケーションが得意な人は、アウトバウンド営業に向いているでしょう。
反対に、直接対面で会わないと相手の温度感を上手く察知できない人は、セミナーや展示会で直接クライアントとの接点を作ることがおすすめです。
また、とにかくスピード重視で仕事をすることが得意であれば、営業メールの一斉送信等の業務が向いています。
自分の得意分野と苦手分野を共にリストアップしながら、営業スタイルを照らし合わせてみることが近道です。
自分の性格と合っているかで、営業スタイルの方向性を考える視点もあります。
ひとりのクライアントと何年間も関わりながら、根本的な課題解決を支援したい人は、ソリューション営業が向いています。
また、クライアントの元に細かく通いながら、じっくりニーズを育てていくことにやりがいを感じるのであれば、同じくソリューション営業向きだと分かります。
反対に、大量の件数をこなす楽しさや行動力を活かしたい人は、アウトバウンド営業に挑戦してみるとよいでしょう。
特に、多少冷たい対応をされて断られてもめげない強いメンタルを持つ人であれば、更に適性が高まります。
自分の性格面で向き・不向きを考えていけば、より結果につながる営業スタイルの確立につながります。
扱う商品・サービスの性質と営業スタイルが合っているか、根本的な部分を見直す視点も必要です。
例えば、住宅向け建築資材を販売したい場合、顧客はある程度絞られてきます。
ハウスメーカー・建設会社・地域の工務店・大規模チェーンのホームセンターなどが主な顧客となるため、営業の対象も限定されるでしょう。
このような場合は、展示会やセミナーなどによるインバウンド営業が効果的です。
大量の会社と接点を作るよりも、自社に興味のある会社を取りこぼさない動きを取るのがよいでしょう。
反対に、Webサイト構築など全ての業種でニーズのある仕事を提供したい場合は、アウトバウンド営業が向いています。
とにかく大量の会社と接点を作り、まずは自社を知ってもらうための取り組みが欠かせません。
個人の適性だけでなく、商品・サービスとの相性も見ながら判断していくことが理想です。
自分が所属する会社にノウハウがある営業スタイルであれば、成約率は格段に伸ばせます。
何十年も前からアウトバウンド営業を手掛けていた会社であれば、古参の先輩社員たちが効果的な営業手法を身につけているでしょう。
都度ロールプレイングをしてもらって営業の精度を高めたり、ときには同行してもらったりしてアドバイスしてもらうことも可能です。
チーム全体にノウハウが行き渡りやすく、自分だけでなく営業職全員で目標達成に向けて動きやすいというメリットも得られます。
個人でなく会社自体の得意・不得意もあるため、あわせて確認しておくことをおすすめします。
万が一、営業スタイルが適性に合っていないと感じた場合、早急な見直しが必要です。
ここでは、見直しの方法を解説していきましょう。
速やかに営業スタイルを変更し、適性に合った方向性に修正することが第一です。
特に、インバウンド営業からアウトバウンド営業に変更する場合、比較的コストを抑えながら切り替え可能です。
スキマ時間を有効活用しながらメールを送ったり、電話営業だけに集中する日を作ってみたりするのがよいでしょう。
また、ソリューション営業に切り替える場合、1社あたりの訪問時間を長めに予定するなど、スケジュール調整で対応できるケースもあります。
じっくり腰を据えてクライアントのニーズを探るためにも、ヒアリングと事前調査の時間を十分確保しておくことをおすすめします。
チーム単位で営業スタイルを見直す場合、会社に提案が必要です。
なかでも、展示会への出席・セミナーの開催・ダイレクトメールの大量送付など、コストがかかるものについては、事前に承認を取っておく必要があるでしょう。
場合によっては営業部の枠を超え、マーケティング・経営戦略・広報の部署と連携しながら、方向性を決めていく必要があります。
会社全体を動かす大きなプロジェクトとなるため勇気が必要ですが、成功したときのリターンは大きくなるでしょう。
人事評価・給与査定の面でも、大きくアピールしやすくなります。
自分の性格と自社のやり方がどうしても合わないと感じた場合、思い切って転職することもひとつの手段です。
得意分野や適性を最大限活かす環境が見つかれば、同じやり方でも飛躍的に結果が伸びるかもしれません。
そのためには、「どんな会社でどんな営業スタイルを貫きたいか」「営業マンとしてどう成長したいか」を考えておく必要があるでしょう。
まずはしっかり自己分析する時間をつくり、自分と仕事の関わりについて見直すことが肝心です。
一時の勢いだけで転職することはあまりおすすめしませんが、納得のうえで行動するのであれば、後悔のない選択ができるでしょう。
営業をする際には、自分の得意分野・性格・商品やサービスの性質・会社が保有しているノウハウなど、適性に合ったスタイルにすることが大切です。
スキルを最大限活かせる営業スタイルが築ければ、業務の効率もよくなり、成績は確実に伸びていくでしょう。
結果として会社全体の収益があがり、給与や賞与での還元も多くなることが期待されます。
今の営業スタイルに不安がある人は、一度時間をかけて見直してみることをおすすめします。