仕返しされて当然!?パワハラ上司とは
そもそもパワハラ上司とは、文字の通り「パワハラ」行為を行う「上司」のことですが、ただ上司から怒られただけではパワハラに当てはまりません。
パワハラとは主に、社内の立場を逆手に取って行う他人への嫌がらせ行為のこと。
厚生労働省ではパワハラの代表的行為を以下6つに分類し、細かく定義しています。
- 身体的攻撃:殴る蹴るのほか、物を投げつけるなどの暴力
- 精神的攻撃:怒鳴る、脅す、暴言を吐くなど言葉による暴力
- 人間関係からの切り離し:仲間外れや無視など疎外感を与える
- 過大な要求:達成困難なノルマや時間内に終わらない量の仕事を押し付ける
- 過小な要求:窓際族に追い込む、一日中掃除させるなど業務に直接関係のない仕事を任せる
- 個の侵害:プライベートの情報をしつこく聞き出そうとする
「自分の上司はパワハラ上司かも?」と思った時は、ぜひ上記の基準を参考に判断してみてくださいね。
上司がパワハラをする理由
上司がパワハラをするのは「ただ意地悪な人だから」という理由だけではありません。
ここからは、上司がパワハラをする理由をお伝えします。
自分に自信がないから
自分に自信が持てない上司は、部下を下げてでも自分を良く見せようとします。
上司は自分の能力が高くないことを自覚しているので、部下に追い抜かれないためにはパワハラをするしか自分のメンツを保つ方法がないと考えているのです。
また、上司は心の片隅では常に「自分の無能がバレたらどうしよう」と不安に思っています。
そんな弱い部分を隠したいからこそ、上司はパワハラ行為に走り強い自分を演出しているのです。
ナルシストだから
自信がないと不安に駆られ上司はパワハラに走りますが、過剰に自信を持ちすぎる上司も要注意です。
自意識過剰でナルシストな上司は「自分が間違うはずがない」と根拠のない自信を持っているので、悪気なく部下にパワハラすることがあります。
このほか、上司は自分で自分のことをすごいと思っているので、そのすごさを部下にも認めさせたいと考えているのでしょう。
部下を攻撃することで自分が偉くなったかのように錯覚し気持ちよくなれるため、パワハラがやめられません。
何でも自分の思い通りに進めたいから
パワハラ上司の中には、まるで子供のように「何でも自分の思い通りに進めたい」と考えている人もいます。
このタイプの上司にとって部下は「思い通りに仕事を進めるための駒」でしかないため、部下を大切にしようという気持ちすら起こらないのです。
そのため、部下が上司の思惑から少しでも外れたことをすれば、上司はパワハラという手段を使ってでも部下に言うことを聞かせようとします。
自分の仕事を勘違いしているから
上司の仕事とは何なのかをよく理解しないまま上司になってしまった人も、無意識のうちに部下にパワハラしがち。
「頭ごなしに怒鳴ること」を指導と思い「部下が話したがらないプライベートを詮索すること」を部下とのコミュニケーションだと思っている上司は少なくありません。
また、このタイプの上司は管理職のスキルがないまま管理職に就いてしまっているので、仕事中も意味不明な指示を出しては部下を混乱させることが多いです。
ストレス発散方法がわからないから
部下にパワハラをすることで個人的なストレスを発散させている上司も少なくありません。
「何か嫌なことがあった」「部下と性格が合わない」など、個人的な理由が原因で八つ当たりをすれば、それはパワハラに該当します。
この場合、上司の機嫌が良い時はパワハラが収まる傾向にあるため、部下としては非常に混乱するでしょう。
パワハラ上司に仕返しするメリット・デメリット
パワハラはやる側の上司に100%問題があり、許されるものではありません。
ですが、そんなパワハラ上司に仕返しすることは、メリットばかりではないのです。
ここからは、パワハラ上司に仕返しするメリット・デメリットをチェックしていきましょう!
パワハラ上司に仕返しするメリット
上司のパワハラが軽減する
仕返しされたパワハラ上司は「これ以上パワハラを続ければさらにひどい仕返しをされるかも」「自分の立場が危ない」と考え、パワハラを控える傾向にあります。
また、無意識にパワハラをしていた上司なら、仕返しされることで自分の行為を反省し態度を改めるかもしれません。
このように、パワハラ上司に仕返しをする一番のメリットは「上司のパワハラ行為を抑制できる」ことです。
この他、あなたが仕返しをすることで会社全体に「パワハラは悪いことだ」という意識が芽生え、社内の空気もいい方向に変わる可能性があります。
助けてくれる人が増える
陰湿な手法でパワハラを行う上司の場合、周囲の人たちはあなたがパワハラ被害に遭っていることに気づいていないケースがあります。
しかし、あなたがパワハラ上司に仕返ししようとすることで周囲の人たちはあなたが被害者であることに気づき、助けようと力を貸してくれるかもしれません。
味方が増えれば知恵も増え、仕返しが成功する可能性も上がります。
仲間ができれば一人でパワハラに耐えるよりもずっと気が楽になるはずです。
あなたの気持ちがスッキリする
パワハラ上司によってつけられた心の傷は、なかなか癒えることはありません。
しかしパワハラ上司に仕返しをすることで「きちんと報復して終わらせた」と思うことができるため、比較的早く気持ちの整理が付けられます。
反対に仕返ししなかった場合、いつまでも「あの時こうしていれば…」と考えてしまい、ずるずると後悔してしまうことも。
仕返しが成功する・しないに関係なく、自分の気持ちに区切りをつけるために仕返しをするという人も少なくありません。
パワハラ上司に仕返しするデメリット
パワハラが激化する
仕返し方法を間違えたり、周囲や会社がパワハラ撲滅に非協力的だったりした場合、あなたが仕返しをすることでパワハラ行為がさらに激化する可能性があります。
パワハラ上司にとって部下から仕返しされることはもっとも屈辱的な行為なので、上司は「さらにパワハラを強化して仕返しする元気すらなくしてしまおう」と考えるのです。
そのため、仕返しをする際はできるだけパワハラ上司に反撃されないよう工夫することが重要となります。
すぐには結果が出ないこともある
場合によっては、仕返しをしてもすぐには効果が出ないこともあります。
パワハラ被害者はすでに心身ともにかなり疲弊していることも多いため、仕返し成功までに時間がかかるのは正直大きなデメリットといえますね。
しかし、できるだけ時間がかからない方法を選んだり、結果が出るまで一緒に励ましてくれる仲間を見つけたりすることで、デメリットを緩和することが可能です。
自分の状態や上司に適した仕返し方法を見つけて、できるだけ短期間で結果が出せるように努力しましょう。
方法を間違うと信頼を失う
単にパワハラ上司をこらしめるだけなら、方法はいくらでも存在します。
ですが、結果が見込めるからと人情を欠いた方法で仕返しをすると、今度はあなたが周囲から評判を落とす結果となるので要注意。
特に、自分もされたからといって、パワハラ上司を徹底的に攻撃する行為は絶対にNGです。
どんなに腹が立っても仕返しは合法的に行ってくださいね。
パワハラ上司に仕返しする方法8選
この項目では、パワハラ上司への仕返し方法を8つご紹介します。
パワハラ上司のタイプや自分のメンタルの限界度合いによって、ベストな方法を選んでください。
仕事のスキルを上げる
仕事ができる人は周囲から信頼されるのはもちろん会社からも大切にされるので、それがパワハラ上司のプライドを傷つけ仕返しとなります。
仕事ができるようになれば質問する回数や怒られることも減るため、パワハラ被害に遭いにくくなるところも嬉しいポイントですね。
また、スキルを上げることでパワハラ上司と同等に渡り合えたり、意見しやすくなったりするため、仕事のしやすさも格段に向上するでしょう。
仕返しのために表立った行動は一切していないにもかかわらず、パワハラ上司の心に大ダメージを与える方法です。
社内に仲間を作る
社内に味方を作っておくことで、仕返しをするときに力を貸してもらえます。
一緒に仕返しをしなくとも、相談できたり愚痴を聞いてくれたりする相手がいると心強いですよね。
パワハラ上司は定期的に攻撃対象を変えることも珍しくないため、過去にパワハラ被害に遭っていた人がいる場合は話を聞かせてもらうのもおすすめ。
仕返しとして声を上げる際も証言者となってもらえる可能性が高く、一人でパワハラと戦うよりも良い効果が期待できます。
暴言を復唱する
暴言や理不尽な要求に対して「どうしてそのようなことを言うのですか?」「こうしろということですか?」など、わざと大きな声で復唱するのも効果的です。
あなたがパワハラ上司との会話を大きな声で復唱することで、周囲の人に上司のパワハラぶりを広めることができます。
パワハラ上司は「周囲からどう見られるか」を過剰に気にするので、仕返し効果は絶大ですよ!
また、パワハラ上司は大人しい人を攻撃ターゲットに選ぶ傾向があるため、あなたが過剰な復唱や面倒くさい質問をするだけで自然にパワハラ行為をやめる場合もあります。
理不尽な要求はハッキリ断る
明らかに嫌がらせだとわかる要求や、上司が楽をするためだけに押し付けてくる仕事の要求は、ハッキリ断ってもいいでしょう。
この時のポイントは、きちんと理由を付けて断ることです。
「それは自分の仕事とは関係がないのでできません」「今は急ぎの案件で手いっぱいなのでできません」など、ハッキリと「できない」という言葉まで伝えてください。
できるだけ多くの人がいる前で断ることで上司のメンツが潰れ、仕返し効果は上がります。
証拠を集めて上司より会社に報告
パワハラ上司にもっともダメージを与える仕返しは「パワハラ上司よりも上の人間に報告すること」です。
報告する際はパワハラの証拠として、上司との会話ややり取りを記録した音声データやメール、パワハラ上司の行いを綴った業務日誌などを提出してください。
パワハラ上司は会社や上の人間からの評価を何よりも大切にしているため、上の人間から怒られると大きなダメージを負います。
会社を巻き込むことで大問題に発展する可能性が高いですが、だからこそ大きな仕返し効果が期待できるでしょう。
診断書を持って休職を申し出
上司のパワハラが原因でひどく追い詰められている場合は、病院で診断書をもらい休職を願い出ましょう。
その際、休職の原因がパワハラであることを証明できるよう、事前にパワハラの証拠も集めて一緒に提出できるといいですね。
休職者が出ることは会社にとって大事な戦力を一時失うことになるので、当然上司には調査や注意が入ります。
また、上司には「パワハラで部下を休職させた人」と悪い印象がつくため、良い仕返しになりますよ。
今よりもいい会社に転職
パワハラ上司は基本的に僻みっぽく、自分よりも成功している人や幸せそうな人を見ると悔しい気持ちでいっぱいになります。
だからこそ、あなたが今以上の会社から内定をもらい、転職を理由に退職することは最高の仕返しになるのです。
まだパワハラに耐えられるだけの体力が残っているのなら、今の会社で働きながらこっそり転職活動をしてみましょう。
即日退職
「パワハラ上司にもう耐えられない!今すぐ辞めたい!」という場合は即日退職という仕返し方法もあります。
退職届と有給休暇申請書を送って即日退職してもいいですし、会社と揉めるのが怖い場合は退職代行サービスを使うのも一つの手です。
出社すると思っていた部下が出社せず、いきなり退職の意思を伝えてきたら、会社もパワハラ上司もびっくりするでしょう。
即日退職する際は、自分の中で「あと〇日で辞める」と決め、少しずつ荷物を持ち帰ってから決行してくださいね。