会社を辞めさせてくれない4つの理由
会社を辞めさせてくれない理由は、会社によってさまざまです。
会社側としては、「人手不足」「離職による会社の評判」「上司個人の評価が下がる」などの理由で、なかなか退職させてくれないことが多々あります。
ここでは、会社を辞めさせてくれない理由について紹介していきます。
それぞれどのような背景があるのか、理解しておきましょう。
1.人手不足
物理的に人手が足りていないという理由で、退職が認められないことはよくあります。
例えば退職を申し出た時期が、会社の繁忙期と重なればなおさらのこと。
閑散期であればスムーズに退職を受け入れてくれることもあるため、退職の申し出は時期を見極めることが大切です。
2.離職による評判の低下
会社側の評価の一つに「離職率」があります。
社員が一人でも退職すれば離職率が上がり、会社の評判につながります。
社員個人の能力とは関係なく、会社のイメージダウンを回避することだけ考えていることになります。
3.上司の都合
上司自身の評価が下がることを恐れて、会社を辞めさせてくれない場合もあります。
「部下が退職する=「上司のマネジメントができていない」など、上司の評価に直結することもあるようです。
4.「今後も一緒に仕事をしたい人材」と思われている
「今後も一緒に仕事をしたい」と思われていると、退職を引き止められる場合があります。
会社への貢献度が高かったり、よい人間関係を築けていたりする場合、辞められると大きな損失になると考えるためです。
仕事ができると認められているというのは、今後の活躍を期待されていということ。
そうなると、プロジェクトリーダーや昇進の打診などを提示され、そう簡単に会社を辞めさせてはくれないでしょう。
会社を辞めさせてくれない時の対処法5つ
会社側が退職させないように言いくるめてくる場合、退職の決意が揺らいでしまう経験をした人は多いと思います。
ここでは、「そのままズルズルと辞められなくなってしまった……」ということを防ぐために、会社側への対処法を紹介します。
1.会社を辞めたい理由を明確にしておく
上司にさまざまな角度から退職を否認されてしまうと、「やっぱり辞めないほうがいいのかな」「もう少し頑張ってみようかな」と、気持ちが揺らいでしまうことがあります。
本当に会社を辞めたい理由があるのであれば、その理由を曲げずに貫き通すことです。
自分の中で辞めたい理由を明確にしておくことで、上司にどんなことを言われても揺らぎにくくなるでしょう。
上司の入る隙がないほど理由を具体的に決めておきましょう。
退職理由の注意点
「人間関係が嫌だから」「業務が多いから」という理由だけでは、会社を辞めさせてくれないかもしれません。
人間関係が嫌だとすれば、今後良くなる見通しがつかない理由や、人間関係によってプライベートにも支障をきたしてしまったなどの理由付けが必要です。
また、業務量が多いという理由であれば、残業が増えたことでワークライフバランスが整わなかったことや、本来やるべき業務が疎かになっていた点などを挙げるとよいでしょう。
2.辞める時期を決めておく
会社を辞めたいと思ったら、まずは辞める時期を決めましょう。
会社によって繁忙期がある場合はその期間を避けることをおすすめします。
また、就業規則で退職に関するルールを設けている場合は、退職日や退職するまでの手順を確認するなど、時期を見極めることが重要です。
基本的には退職日の14日前に退職の意思を表明することで、法律上では会社を辞めることができます。
しかし就業規則によっては、たとえ14日前だとしても認められない場合があるので注意が必要です。
「2週間後は急すぎて受け入れられない」と言われる可能性もあるため、余裕を持って時期を決めましょう。
3.次の転職先の目星をつけておく
ある程度次の転職先の目星をつけておくと、会社に未練を残しにくくなります。
転職にイマイチ踏み込めなくても、転職サイトを見ているだけで今の会社にはない魅力的な部分をたくさん見つけることができます。
・カフェのようなオープンスペースがある
・オフィスの内装がおしゃれ
・常に新しいことに挑戦している
・社員が楽しそう
・給与形態が今よりもよい
など、新しい転職先を想像することで会社を辞める意思を固くすることができるかもしれません。
4.退職届を書いて意思を固めておく
上司に退職の意思を表明する前に、退職届を書いておきましょう。
退職届を書くことで、より退職の意思が固まり、口頭で伝える際にも迷いがなくなりやすい場合があります。
また、退職届は意思表示をする退職願いとは違い意思決定になるため、会社を辞めたい意思をはっきり伝える手段となります。
しかし、会社を辞めさせてくれない場合は、退職届を出しても上司でストップすることがあります。
「もう少し考えてみては……」「一旦預かっておく」という流れになりかねません。
受理してくれなさそうであれば、権限のある立場の人に直談判するのも一つの方法です。
5.労働監督基準署に相談する
どうしても会社を辞めさせてくれない場合は、労働基準監督署や弁護士に相談する手もあります。
特に、不利益な条件を提示された場合は相談することで退職できる場合があります。
不利益な条件とはどのようなことか解説します。
- 違約金の支払いを要求される
- 懲戒解雇処分を提示される
- 損害賠償の支払いを要求される
など、脅しを強要された場合は一人では解決できない可能性があるため、専門家に相談するのが望ましいです。
最近では、退職代行サービスを利用する人も多くなってきています。
メリットは弁護士の資格を持った人が代行してくれるという点です。
一人では解決できない金銭面の問題も代行してやりとりをしてくれるので便利です。
気持ちよく会社を辞める前にしておきたいこと
退職の際は、誰もが気持ちよく辞めたいと思いますよね。
すっきりした気持ちで辞めるには、辞める前にしておきたいことがいくつかあります。
ここでは、それぞれ詳しく紹介していきます。
業務の引き継ぎをしっかりしておく
後任となる人に、業務を引き継ぐことは社会人として大切なことです。
スケジュールを組んで、引き継ぐ内容やデータ、書類などを用意して、引き継ぎ方を整理しておきましょう。
後任者がいない場合でも、あとあと後任者がわかりやすいようにしておけば、トラブルなく退職できるでしょう。
退職の意向を伝える前に感謝の意を述べる
会社を辞める決断をしたら、これまでお世話になった会社に対して感謝の意を伝えましょう。
口頭でも書面でも、感謝の言葉があるのとないのとでは、辞め方に大きな差が生じます。
次のステップにも気持ちよく進むため、互いにしこりが残らないよう意識することがポイントです。
有給休暇や退職金の有無など確認をしておく
会社を辞めさせてくれないことに気をとられすぎて、事務手続きが疎かになってしまっては気持ちよく退職できません。
有給休暇や退職金の有無、またはどれだけもらえるのかまで確認しておきましょう。
退職事由が自己都合の場合、有給休暇や退職金が少なくなる場合もあるため注意が必要です。
まとめ
会社を辞めさせてくれない理由は、ほとんどの場合が会社都合です。
会社を辞めたいと思っても、辞めさせてくれない場合もあるでしょう。
その点を考慮し、事前に準備しておくことが大切です。
ポイントは、自分自身でどれだけ辞める意思が固いかということ。
基本的にその気持ちが強ければ強いほど、会社を辞める方向に持っていきやすくなります。
今回紹介した内容を参考にして、気持ちよく会社を辞めるための材料としてください。