ギフテッドの種類とは?
ギフテッドにも種類があり、「英才」と「2E」の2種類に分けられます。
まず「英才」は、記憶力や言語力などあらゆる分野で高い知能を持つ子どもです。
100を平均値とするIQが130以上と高い数値を出す能力を持つ子どももいます。
もうひとつの「2E」は、とある能力に秀でている一方で、他の能力が平均以下である子どもです。
一部の分野にずば抜けた才能を持ちつつも不得意な分野との差が激しい2Eは、発達障害を併せ持っていることが多くあります。
そのため才能に気付かれず、つぶれてしまうことも多いのです。
同じく神に与えられた才能を持つ同士ですが、その持ち方や社会性の有無でギフテッドであると分からず、悩んでいる親子は今も多くいるでしょう。
アスペルガー症候群とギフテッドの違い
アスペルガー症候群とは、他人とのコミュニケーションや社会性に障害があり、対人関係に支障を来してしまう発達障害を指します。
アスペルガー症候群が持つ特徴の中には、
- 感情の起伏が激しく、制御出来ない
- 集団行動が苦手で、対人コミュニケーションに困難がある
- 敏感で、大きな音が苦手
- こだわりが強すぎる
など、ギフテッドの持つ特徴に似ているものも。
ギフテッドは高い能力を持ちますが、こだわりが強く周りから孤立し、対人関係に悩んでしまうケースも多くあります。
アスペルガー症候群と診断された中でこだわりの強さを示す子どももいるので、両者はよく似ているように見えますね。
しかし厳密にいえば、アスペルガー症候群の子どもはこだわりが強いことから才能を見つけていきますが、ギフテッドは才能からこだわりが生まれるという考え方の順番が異なります。
両者の違いはそれほど明確ではなく、ギフテッドの定義もまだはっきりとしたものは存在していません。
そのためアスペルガー症候群とギフテッドの違いについては、これからも変化していくでしょう。
ギフテッドの顔立ちは特徴がある?
全てに当てはまるとは言えませんが、ギフテッドの顔立ちには中性的な特徴を持つ子どもが多いと言われています。
それは見た目だけでなく、常識や性別にとらわれない自由な考えがあるためでしょう。
ギフテッドは中性的な心理的思考を持っていて、女の子であれば男の子が好むような趣味をしたがる傾向があり、その逆も然りです。
性別に関係なく、好きなことや得意なことに注力する傾向があります。
ギフテッドにはひとつの分野だけでなくマルチに活躍している方も多く、そんな方々は世間の常識にとらわれません。
また、中性的な顔立ちだけでなく、肌がきれいですっきりとした顔立ちの特徴を持っているとも言われています。
美男美女が多いという見解もありますが、抽象的な見解なのでこちらも全てのギフテッドに当てはまるとは言えません。
こちらもギフテッドの定義の変化によって変わる可能性がありますね。
ギフテッドの親は大変!
ギフテッドは世界でも未だ定義が曖昧で、分からないことも多くあります。
日本では「天才児」というイメージが強いため、漠然と羨望の対象になりがちです。
しかしギフテッドは一部の才能が突出している一方で集団生活に馴染めず、学校や社会で苦労しやすい点も持ち合わせています。
日本は今でこそ少しずつギフテッドの認識が増えつつありますが、現在もアスペルガー症候群や発達障害などの病気として扱われることも多いのです。
アスペルガー症候群の診断を受けたあとに、実はギフテッドだと分かったというケースも実際にあるといいます。
彼らは学校の授業が苦痛で受けられず、周りから「面倒な子」扱いをされてしまうことも。
ギフテッドの子どもにとって、すでに理解している内容を授業で受けなければならないことが苦痛で、他の子どもと合わせるのが難しく、集団で孤立してしまうことで悩む事例もあります。
さらに興味のない科目の成績が平均以下であれば、学校では「嫌いな科目の出来が悪い子」として扱われてしまうでしょう。
とても繊細で、ちょっとしたことでひどく落ち込んでしまうなど感受性が強すぎる特徴も持っています。
「どうしてうちの子は普通のことが出来ないの」「とにかく目立たず普通にしてほしい」と願う親の思いを否定は出来ませんが、そのために子どもの貴重な才能をつぶしてしまうのは避けなければなりません。
しかし周りに合わせることを美徳とする日本では、いじめの対象になってしまうことさえあります。
ギフテッドに関してはまだまだ認知、定義が追いついていないのが現状です。
もし我が子がギフテッドだったら?
もしあなたの未来の子どもがギフテッドだったとき、親としてどのような対応をしてあげれば良いのでしょうか?
まず、現在の日本でギフテッド教育が出来る学校はごくわずかです。
ギフテッドは義務教育の小中学校で集団生活が出来ず、そのままはじき出されてしまうこともあります。
そんな子どもたちの中には、ギフテッド教育に特化した国内のスクールへ入学したり、カナダやアメリカへ移住したりする子どももいます。
ギフテッド教育に特化しているスクールはまだまだ一部にしかなく、そのスクールで上手くいくかどうかも分かりません。
周りに同じような子どももおらず、家族ごと孤立してしまう事例も多くあります。
しかし、ギフテッドである可能性が少しでもあるなら、わが子に最適な環境を探してあげたいと思うのは親として当然ですよね。
そのためにはギフテッドの知識を深め、どうしたら良いのか勉強することが大切でしょう。
ぜひ手にとってほしいギフテッド関連の作品
我が子がギフテッドである場合、親として何をしてあげれば良いのでしょうか?
現在はギフテッドに関する書籍や映画なども多くあります。
いずれ子どもを授かったときのために、今のうちから触れておくのも良いでしょう。
では、ギフテッドをテーマにした作品についておすすめのものを5つ紹介します。
1.映画「ギフテッド」
自殺した姉の娘であるメアリーを、男手ひとつで育てるフランク。
7歳のメアリーは母親と同じく天才的な数学の才能を持っており、フランクは小学校からメアリーを特別な学校へ編入させてはどうかとすすめられます。
しかし、普通の子どもとして育ってほしいと願うフランクは、それを拒絶します。
フランクには、生前の姉から託された強い希望があったのです。
そんな中、メアリーの才能に目を付けた絶縁中の母、メアリーの祖母にあたるイブリンがやって来ます。
メアリーに英才教育を施したいイブリンは親権を渡すようフランクに求め、両者はやがて裁判に。
メアリーとフランクの幸せな日々は終わってしまうのか?
なぜフランクの姉は自殺し、メアリーに普通の子どもとして生きてほしいと願ったのか?
ギフテッドの子どもは大人の力によって才能を伸ばさせるべきなのか、周りとコミュニケーションを取って普通に生きるべきなのかという難しいテーマですが、映画としてとても素晴らしい作品に仕上がっています。
2.「わが子が「ギフティッド」かもしれないと思ったら:問題解決のための実践ガイド」ジェームス・T・ウェブ他
ギフテッド教育に多大な影響力を持つ有名心理学者、ジェームス・T・ウェブ氏をはじめ、ギフテッド教育に尽力する筆者たちの共著。
ギフテッドである子どもの育てにくさ、世界における認識の低さと教育の遅れに苦しむ親たちの葛藤に向けて書かれた「ギフテッドとその親たちのバイブル」です。
ギフテッドたちの優れた才能だけでなくその苦悩、親として何が出来るのかについて実践しやすい方法を伝授してくれます。
さらに、発達障害を併せ持つと言われるギフテッド「2E」についても詳しく書かれており、我が子の教育を見直せる必読書であると言っても過言ではないでしょう。
3.「ギフテッド その誤診と重複診断:心理・医療・教育の現場から」ジェームス・T・ウェブ他
2.と同じく心理学者ジェームス・T・ウェブ氏と専門家たちの共著であり、ギフテッドの子どもの特性について詳細に解説しています。
また、ギフテッドはその強すぎるこだわりや社会性の問題により、天才児ではなく精神障害を患っていると誤診されてしまうことも多々あります。
才能に恵まれながらも成長のチャンスを失ってしまうギフテッドを少しでも減らすため、この書籍では15章に分けてギフテッドへの理解を深める内容になっています。
専門的ではありますが、悩めるギフテッドの子どもとその親、教育者にとって必読の書です。
4.「「ギフテッド」天才の育て方」杉山登志郎他
日本にて自閉症やアスペルガー症候群の権威と呼ばれる精神科医、杉山登志郎氏と人間心理の専門家たちによる共著。
障害児教育の現場から、突出した才能を伸ばす教育プログラムの必要性を説いています。
ギフテッドの教育をどう変えていくのか、どんな環境を用意すべきなのか。
幼少期の教育において深く考えさせられる書籍です。
5.「ギフテッド育児奮闘記」ギフテッド応援隊
ギフテッド、2Eを育てる親たちによって結成された「ギフテッド応援隊」。
この書籍ではギフテッド応援隊に属し、ギフテッドの子を持つ母親8人に聞いたギフテッドの現状が描かれています。
ギフテッドの子どもたちは学校に馴染めず、不登校になったり心に深い傷を負ったりと辛い経験を持っています。
日本の義務教育に悩み、ギフテッドを受け入れてくれるフリースクールに入学した子ども、最適な環境を求めてカナダへ留学した子どもなど、それぞれの向き合い方からギフテッド教育の大切さを学べる書籍です。
小児科医のすすめで受けさせたIQ検査で我が子が高い数値を出し、驚いたというエピソードは、もし分からずその場で精神障害と診断されていたら気付けなかったかもしれません。
日本国内にギフテッドの保護者たちが集まる場があると知るだけで、とても心強いですね。
内容もとてもリアルに描かれ、ギフテッドがどんな子どもなのかを知る入り口としてもおすすめです。