転職すると年収は下がる?上がる?
転職によって年収が下がってしまうか、それとも今よりも上がるかはケースバイケースです。
たとえ年収が下がったとしてもやりたいことに挑戦するために転職したいと考える人もいれば、せっかく転職するなら今よりも年収アップを目指したいと望むひともいますよね。
また、自分のスキルや転職先企業の業種や体制などにより、下がることも上がることもあるのが実情です。
満足する転職を叶えるためにも、以下のことをきちんと考えてみましょう。
- 自分が転職したい理由(本当に転職したいのか?)
- 年収が下がる転職と上がる転職のパターン
- 転職後のプラン
自分が転職する理由を明確することにより、具体的な目標を持つことができます。
そして、その目標に向かうために自分がどう動くのかまでイメージできれば、後悔のない転職を成功させることができるでしょう。
転職後にどのようなキャリアを積んでいきたいのか、自分のスキルを生かしてステップアップが実現するのかなどをじっくり考えることも大切です。
その結果、年収が下がっても転職すべきか、それとも違う道を探すのかなど、転職への道筋が立てられるようになり満足する転職へとつながります。
転職によって年収が下がるケースと上がるケース
ここでは、転職によって年収が下がるケースと上がるケースについて紹介します。
転職後年収が下がるパターン5つ
転職後に年収が下がってしまう代表的なケースは主に5つあります。
転職後年収が下がるケース1.未経験・異業種に転職
- 昔から憧れていた業種へ転職したい
- 自分の可能性を試してみたい
このように未経験の職種などへキャリアチェンジする場合は、年収が下がる可能性が高いです。
年収は、企業にとって必要な「専門スキル」や「経験」に比例して上がります。
未経験や異業種に転職する場合、活かせるスキルや経験は少なくなりがち。
そのため年収ダウンとなってしまうのです。
転職後年収が下がるケース2.評価基準が低い
スキルや知識、経験などに対する評価は企業によって異なります。
たとえ同業種へ転職したとしても、転職先の企業の評価制度によっては前職よりも年収が下がってしまう可能性があるのです。
- 所持している資格に対する評価
- 経験年数に対する評価
- これまで経験してきた業務に対する評価
このような項目の評価が低いと判断されると、前職よりも年収が下がることがあります。
転職後年収が下がるケース3.役職が下がる
役職についていた人などは、ポジションによって諸手当がつくことが多いですよね。
しかし、転職先での役職が下がることがあります。
また、同じ役職であっても、責任の範囲やマネジメントする人数や管理業務の内容により、役職手当が付かないことも……。
そのため、手当などの関係で年収が低くなってしまう可能性があります。
転職後年収が下がるケース4.賞与・諸手当が少ない
評価基準や役職における業務内容が異なるのと同じように、賞与や諸手当は企業ごとに制度や基準が違います。
- 住宅手当・家賃補助
- 食堂・昼食補助
- 家族手当
このような福利厚生や手当などの支給は、企業によりまちまち。
賞与や諸手当の金額が前職よりも少なかったり、前職では存在した諸手当の項目が存在しなかったりといった理由から、年収が下がってしまう場合もあります。
直近の賞与の支給実績などを確認しておくと良いでしょう。
転職後年収が下がってしまうケース5.面接時の交渉不足
面接時に前職の年収や希望年収はきちんと伝えることが大切です。
適切に交渉ができないと、年収ダウンにつながってしまうことがあります。
自分のスキルや実績と希望する条件とのバランスを考慮したうえで交渉することは、決してマイナスにはなりません。
転職後に後悔しないためにも希望条件はきちんと伝えるようにしましょう。
転職して年収が上がるパターン5つ
反対に、転職後に年収アップが実現するケースもあります。
転職しても年収を下げたくない、もっと高い年収を目指したいという人はよくチェックしてください。
転職後年収が上がるケース1.高いスキルを持っている
高いスキルや専門的な知識、同業界での実績が豊富なひとは、転職後に年収が上がりやすくなります。
優秀な人材はいろいろな企業が採用したいと考えます。
自社に入社してもらうために、少しでも良い条件や年収を提示される可能性があるのです。
転職後年収が上がるケース2.給与水準が高い業種への転職
一般的に商社やコンサルティング、IT関連は年収が高いといわれています。
シンプルですが、そのような業種に挑戦することで必然的に年収アップが狙えるのです。
ただし、給与水準が高い代わりに、残業が多かったり休日出勤があったりと激務の可能性も。
ライフワークバランスが取りにくいことがあるため、自分の希望と合うか確認しましょう。
転職後年収が上がるケース3.業績が伸びている業種への転職
将来性や安定感がある業界で、なおかつ経営状態が良好な企業は、給与だけでなく賞与額にも期待ができます。
そのため、成長企業への転職は、年収アップを成功する秘訣ともいえるのです。
以下の条件に当てはまる企業は、成長性が高い企業といえます。
- 売り上げが伸びている
- 組織拡大している
- 経営陣のバランスが取れている
- 資金調達ができている
- 新規分野へ進出している
企業のホームページやニュースリリースを確認し、これらの項目もチェックしてみると良いでしょう。
しかし、どんな業界でも何が起きるかは誰にもわかりません。
自分自身のスキルも磨き続けることが大切です。
転職後年収が上がるケース4.福利厚生が充実している企業への転職
基本給が変わらなくても、福利厚生が充実していてさまざまな手当がつくことで、年収アップへとつながります。
例えば住宅手当や家族手当など、福利厚生や各種手当もチェックするようにしましょう。
転職後年収が上がるケース5.面接での適切な交渉
企業にとって即戦力となる優秀なひとや、豊富な実績を持っているひとには高い給与を払ってでも欲しいと思うものです。
そのため、「どうしても欲しい」と思わせられるように、自分の強みを面接でアピールし、適切な交渉ができるように準備してから面接に挑みましょう。
- 今回の募集内容に直結するような業務の実績を出している
- プロジェクトマネジメントの経験がある
- 目標成績の120%を達成しており、ノウハウや知識を十分に持っている
このように、具体的に自分の強みを伝えるのがポイント。
そして、転職前の年収を参考に、提示された月収プラス1~2万円を目安に交渉してみてください。
ただし、企業や業界の給与水準とかけ離れた高すぎる金額を要求したり、未経験でありながら前職と同額の金額を希望したりすることは、印象が悪くなる可能性があるので注意しましょう。
年収が下がっても転職すべき?転職したほうが良いケースとは
転職することで年収が下がったとしても、その転職を止めるべきとはいい切れません。
キャリアアップしたい、自分の目標を実現させたいなど、転職の理由はひとそれぞれです。
ここでは、年収が下がっても後悔しないために、転職したほうが良いケースを5つ紹介します。
転職したほうが良いケース1.新たなチャレンジができる
未経験の業界や、スタートアップ企業への転職は、どうしても年収が下がりやすくなります。
しかし、これからその業界で長く働き続けていきたいと考えている場合は、たくさんの経験が積めるのがメリット。
設立間もない会社であれば経営者との距離も近いので、成果を認められやすい環境で主体性を持って働くことができます。
挑戦してみたいことがあるなら、多少年収が下がってしまっても後悔しない転職ができるでしょう。
転職したほうが良いケース2.本当にやりたい仕事ができる
給与ももちろん大切ですが、自分が本当にやりたい仕事ができることは、モチベーションにもつながりますよね。
仕事が楽しいと感じられれば自然に成果も上がり、いずれは給与アップも狙えます。
生活できなくなるほどの年収ダウンでなければ、やりたい仕事ができる職場への転職は一歩踏み出してみると良いでしょう。
転職したほうが良いケース3.職場の評価制度が充実している
- 評価面談が年に何回か行われる
- 成果に対して給与がきちんと上がっていく仕組みがある
このような評価制度が充実している会社はおすすめです。
一時的に年収が下がってしまったとしても成果次第で上げることもでき、成果が給与に直結することで達成感を得ながら働けます。
転職したほうが良いケース4.注目されている業界への転職
今はまだ市場は大きくないものの、将来性があり、今後伸びていく可能性のある業界への転職も良いでしょう。
初期の段階で業界に関わることで、数年でかなりの経験者になることができます。
また、市場規模が広がり他社への転職を検討する場合でも、長い目で見ると、大幅な年収アップが望める可能性が高いです。
転職したほうが良いケース5.スキルアップできる
研修内容が充実しているような教育に力を入れている企業への転職も、スキルアップが望めるのでいいでしょう。
一時的に年収ダウンとなっても、会社の支援によって資格取得ができたり、キャリアアップのために学べる機会が多かったりする職場なら、スキルがどんどん身についていくはず。
さらに、会社の費用で勉強させてもらっているという意識から、成果を上げて還元しようという意欲にもつながります。
その結果、将来年収が上がっていく可能性が高まるのでおすすめです。
年収が下がっても満足できる転職は可能!やりたいことに挑戦してみよう
転職すると年収が下がる場合もあれば、上がる場合もあります。
年収のアップダウンを左右するのは、次のような項目。
- 業界での経験値
- 自分の持っているスキル
- 転職先の給与や諸手当
- 面接時の交渉
もし、年収を上げたくて転職を考えている場合は、年収が上がる転職のケースを参考に取り組んでみてください。
年収がダウンする転職の場合には、「当面の生活」や「家族の理解」など、不安に感じる部分もあるかもしれません。
そのような時は、支出を把握するところから生活レベルを見直したり、今後のプランや仕事への思いなどを家族に伝えたりすれば、踏み出すことができるはずです!
年収が下がったとしても、本当にやりたいことができたり、将来性のある業界で働けたりと、後悔しない転職先がたくさんあります。
もし、自分が本当に好きなこと、挑戦してみたいことがあるなら、一時的な年収ダウンを気にせずに、飛び込んでみてはいかがでしょうか。