面接時の自己紹介は何故大切なのか?
転職をする場合、年齢が上がるごとに面接まで辿り着く道のりが長くなってきます。
20代よりも30代のほうが書類選考で落とされる確率が上がり、面接の回数が格段に減るのが一般的です。
応募者が多ければそれだけ書類選考でふるいにかけられるので、面接まで辿り着いたらそこで勝負をかけたいものです。
数社受けて複数社から内定をもらったらその時点で考えればいいので、まずは内定をもらうためには自己紹介でどれだけアピールでき、好印象を与えるかが大切になってきます。
実際、経歴などは履歴書を見ればわかることなのですが、あなたがどのように自分をアピールするかを面接官は見ているのです。
まずは前職での経歴や今後どのように活躍できるかを簡潔にまとめておきましょう。
前職での経歴を知りたい
今までの仕事ではどのような仕事に従事していたか、自分なりに整理するために箇条書きで挙げていきましょう。
・顧客や取引先との電話応対
・受付やインフォメーション窓口での対応
・経理、請求書作成、給料計算など
・どのような営業かまたは接客か
など自分が携わってきた業務を挙げ、どのように会社に貢献できたかをまとめていくといいでしょう。
今後どのように活躍したいか
転職したのちに前職の経験をどのように生かしていきたいかもきちんと整理しておく必要があります。
要は前職での経験と今後どのように生かしたいかは必ずセットで答えてくださいね。
答え方の例として
「前職ではさまざまな顧客や取引先の受付窓口として応対して参りました。特にクレーム対応に対してはご連絡いただいた内容に関しての謝罪とともに、感謝の気持ちを持つことを教わりました。少々のことでは動じない強さと対応力を身につけることができたので、御社の受付業務と接客に生かしたいと思いこのたび志望させていただきました。」
このような形で前職での経歴を通して何を学び、新たな会社でどう活躍したいかを簡潔に伝え、志望動機まで理解してもらえるとベストでしょう。
面接時の自己紹介でのポイントと流れ
面接時の自己紹介の流れとしては
・挨拶
・今までの経歴
・自分の得意分野や強み
・入社後の決意(強味をどう生かすか)
・締めの挨拶
これらを1分程度、または2分以内に簡潔にまとめて話すことが大切です。
長ければいいというものでもないので、1分程度を目安にするといいでしょう。
1分と聞くと短く感じるかと思いますが、文字数にすると300文字前後になるんです。
そう思うとわりとしっかり要点を盛り込むことができるので、内容をしっかりとまとめておきましょう。
また求人の募集要項をしっかりと見て、会社のホームページをすべてチェックしどのような人物像が求められているのか自分なりに分析してみることをおすすめします。
最初の挨拶は感謝の気持ちを込める
「本日は面接のお時間をいただきありがとうございます。〇〇〇〇(名前)と申します。」
面接をしていただくこと、自分のために時間をとっていただくことの感謝の気持ちをのべてくださいね。
面接官というのは当然通常は別の業務をしていて、あなたの面接のために時間を空けてくれているのです。
あなたがどんな人物か実際に会って話をしたいと思ってくれているので、感謝の気持ちを持つことでメンタル的にもスムーズに入っていくことができると思います。
経歴はわかりやすく簡潔に述べる
〇〇大学卒業などは履歴書を見ればわかるのでわざわざ口頭で伝える必要はありません。
前職(または現職)ではどのような仕事に携わりどのようなことを学んだか、また自己最高でどのような成績を収めたのかを簡潔に話します。
社内で表彰などされたことがあれば忘れずに盛り込みましょう。
事務職ならパソコン能力の高さや的確な資料作り、社外の受注書や発注書作成、メール対応から来客対応までマルチにこなせるなどポイントを明確に伝えるとわかりやすいです。
このときに自分の強みや得意なことは何かを伝え、その強味を入社後どのように生かしたいかという決意を表します。
最後は「本日はどうぞよろしくお願いいたします」と締めの言葉をいれましょう。
自己紹介は練習して録音
自分では気が付かないけれど、人それぞれ話し方のクセがあります。
特に面接という場面ではとても緊張するので「えーと」「あの」「それでですね」などいらない言葉がつい出てしまうこともあります。
自己紹介を練習するときに、スマホなどで録音して改めて聞くと改善点が見えてきますよ。
面接官がチェックする重要事項とは
面接官というのは、あなたの経歴やスキルだけでなくどんな人物であるかを見極めたいと思っています。
何故なら、自社の社風に合うか、今いる社員とうまくやっていける人なのかも重要だからです。
実際に私が面接官として面接をしていたときに、チェックしていた経歴以外の部分をお伝えしたいと思います。
面接官はココを見ている①話し方
正しい日本語ときちんとした敬語で話すのは当たり前ですが、意外にきちんと出来ている人が少ないです。
新卒の場合はある程度マニュアルに沿った答え方が、ウケがいいと思いますが転職の場合にはあまりマニュアルにこだわらないほうがいいと感じています。
応募者が多くたくさん面接をする場合、教科書通りの受け答えだと印象に残りにくいです。
また声が小さい、早口になるのも気を付けて相手がきちんと聞き取れる声の大きさとトーン、間の取り方も工夫してみてください。
面接官はココを見ている②雰囲気
人と話していると「この人はイラっとする話し方をする」「この人と話をすると気持ちがなごむ」など普段の生活の中の会話でも感じることがありますよね。
面接でもそれは同じなのです。過去の話を武勇伝のように「自分はすごいんです」を早口で話し出すと逆に面接官をイラっとさせ、マイナスイメージになりがちです。
女性ならではのやさしい話し方で、常に口角をあげて面接官の方を笑顔にさせるくらいのオーラを出していくように心がけてみましょう。
面接官はココを見ている③性格
自分アピールが強く「私は~で頑張ってきました」「私は~で全力で頑張りたいと思います」「私は~私は~」と自己主張が強すぎると「うちの社員と上手くやっていけるのか?」「他者との協調性はあるのか?」と疑問を抱かれます。
逆に営業職など数字がすべてのような会社だと、自己アピールが強い個性的な人が好感が持たれる場合もありますが、たいていの職場では倦厭されてしまいます。
仕事すると実勤務時間は約8時間、休憩をはさむと9時間以上になることが多いですよね。
その長時間の中で、協調性がない人や自己主張が強すぎる人を人間関係がうまくいっている会社に入れるのはちょっと…となってしまうのです。
会社側はトラブルメーカーになるかもしれない人を敢えて取りたがりません。
5分も話せばだいたい性格も分かってくるものです。
面接時の自己紹介NGなこと
面接の自己紹介でマイナス評価になってしまうことや、あなたの人格が疑われるNGな発言は絶対に控えましょう。
特に気をつけたい3点を挙げて説明していきますね。
面接時のNG自己紹介①前職を悪く言う
面接のときに高い確率で聞かれるのが、「前職を辞めた理由」「なぜ辞めたいのか」「転職したいのか」という質問。
面接官も辞めた理由というのは、みんながみんな円満退職ではないことは承知の上で聞いています。
例えば上司からのパワハラに遭って、うつ状態になり休職したまま退職した方や、営業成績が上がらず後輩にどんどん抜かれて居づらくなって退職した方などもいるでしょう。
どんなに環境が悪い会社で理不尽な思いをしたとしても、前職の会社を悪く言うのはNGです。
日本語には「本音」と「建前」という言葉があります。
本音の部分は封印し建前で話すことも時によっては必要なのです。
人間関係が悪い会社やパワハラを受けた会社については、
「1部署に50名ほどの社員がおり、仕事の基本であるホウレンソウについては徹底した会社でした。おかげで先輩方には人間関係ではとても鍛えさせていただきました。」
など人間関係では「勉強させもらった」「鍛えさせてもらった」など言い方を変えてみましょう。
それだけで面接官には「人間関係で大変だったのだな」と伝わります。
辞めた理由の結論は「前職で学んだ仕事をより生かしたいから御社を志望した」という方向で話をしていくといいです。
面接時のNG自己紹介②マイナス面を話す
自己紹介では自分の長所を生かした内容で話すのが基本なので、苦手なことや短所にはなるべく持っていかないようにしたいものです。
「あなたの長所、短所はどんなところですか?」などの質問には、長所は問題なく話せると思いますが、短所に関しては裏返せば長所にもなりえる発言がベストです。
「私の短所は人前で話すのが苦手なところです。接客において自分の意見を話すことも大切ですが、お客様の要望や希望をしっかり受け止める聞き役に回ることでよりよい提案ができることも多かったと感じています。今後も大切なことや相手の要望に関した的確な答えはしっかりと伝えられるよう努力して参ります。」
と言った感じで話すのが苦手でも聞き上手であること、相手の話をしっかり聞くことで良い結果が生まれる、そしてこれからの決意などの流れだといいと思います。
面接時のNG自己紹介③待遇面ばかり確認する
転職をするときには前職よりも待遇のいいところを探す人が多いと思います。
・会社が遠いから近くのところで働きたい
・残業が多かったから少ないところがいい
・年収をアップさせたい
・年間休日が休みのところがいい
仕事を探すうえで生活に便利な場所や待遇面を考慮していくのは当たり前のことですよね。
でもストレートに語るとマイナス面が出やすくなるので注意が必要です。
「前職では残業が多かったので、残業が少ない会社がいい」「家から近いところで働きたい」
など伝えると、条件重視で働く意欲はあまりないのか?と思われがちです。
とんでもない発言をする方もおられ「シフトで取る休みは必ず水曜日をお願いしたいです。彼氏が水曜日が休みなので同じ曜日に休める会社で働きたいです。」
こんなあきれた理由を平然と言われたときは唖然としました。
また「前の職場では営業のノルマがきつすぎて嫌だったからノルマがない営業に魅力を感じた」など自分の能力を下げる発言は控えていくのがベターです。
面接時は女優になり弱点をカバーする
面接の時には相手に好印象を与えることが最も大切な重要事項になってきます。
嫌な人間だなと思われた終わります…。
相手に好印象を与えるにはあなたの持ち味を生かし、女優になってみましょう。
見た目の長所を生かし、短所をカバーする
人と言うのは見た目の第一印象で好感度というのはかなり左右されるものです。
例えば、きりっとした顔だちの美人系の方だと見た目がきつく見られることもあります。
その場合は常に笑顔で口角を上げて、柔らかい雰囲気を出すといいでしょう。
ゆっくりとした話し方で優しい口調で話すときつく見えにくくなります。
また見た目がふんわりとした方は、はっきりとした口調で話すのも手だと思います。
普段おとなしい印象の方でも明るい雰囲気をかもし出せるように、鏡を見ながら練習してみることをおすすめします。
女性はメイクや髪型でも雰囲気はかなり変わりますので、男性よりもこの点は有利だと思います。
私自身は見た目がとてもきつく見えるようで「怖そう」「近寄りがたい」と人から何度言われた経験があります。
仕事でお客様に「怖い」なんて思われると致命的です。
笑顔でいると随分違う印象を与えるので仕事中はとにかく笑顔、口角は常に上げていくように気をつけるようになりました。
自分の短所を知り直そうと努力することも必要です。
自分が演じたい女優になって表情や雰囲気、笑顔を作って好感度を上げるのです。
なんとなくズルい感じがするかもしれませんが、これも訓練のひとつだと思います。
デパコスで化粧品を販売するBAさんはとても上品で笑顔が素敵な方が多いですよね。
品のある言葉使いやキレイな姿勢とスマイルでそのブランドにふさわしい自分を演じているのだと思います。
笑顔や雰囲気、話し方は女優になって演じて内面の誠実さはそのまま訴えていくことが大切です。
上昇志向の方は管理職側に立った逆質問も◎
前職で役職があった方や、今後転職して管理職まで目指したいという方は管理職側に立った考えで演じていくことをおすすめします。
面接でこちらから逆質問をするときには、経営者側よりの考えで質問をするといいでしょう。
「御社の求人では営業のノルマなしと書いてありましたが、経営をしていく上でこれだけの数字は必要というものがあると思います。ノルマなしでどのように営業の方のモチベーションを上げられているのでしょうか?」
営業の仕事などでは「ノルマなし!」などを掲げて求人を出しているところもありますが、「本当はどうなの?」とストレートには聞きにくいものですよね。
ですが経営側立った目線で聞くと「営業の数字に対してシビアな世界にいた人だな」とポイントが高くなります。
また「残業になし!」などの項目についての逆質問に関しては次のように質問しましょう。
「業務時間内にその日の仕事をすべて終わらせるのがベストだと思いますが、月末や月初の事務処理が多い時期はどのように業務時間内で乗り切られているのでしょうか?」
ストレートに「本当に残業はないのですか?」と聞くよりもムダに残業代を払わなくてもよい優秀な人である印象を残すことができます。
自分の長所を最大限に生かすことが大切
面接での自己紹介で大切なことは自分の長所を最大限に生かすことです。
持ち前の明るさや素敵な笑顔、若さなども大きな武器になります。
実際25歳、30歳、35歳の方が面接に来た場合はやはり25歳のほうが有利でしょう。
35歳のほうが実経験も積んで、豊かな知識を持っていても25歳のほうが採用率が高いのが現実なのです。
特に30歳前後のアラサー世代は、面接を受ける中で若い人と同じ土俵に立つわけなので勝ち抜いていくにはどうしたらいいのか考えるのです。
自分の長所を徹底的に洗い直して、20代前半の女子にはない知恵と培ったスキルをスマートにアピールしていきましょう。
特にアラサー世代の転職は結婚後も働きやすい職場や安定を求める方も多いと思います。
企業側も寿退社されて新たに求人を出すよりも長く勤めてくれる方を希望する場合も多いです。
結婚後や出産後も働きたい場合は企業側に腰掛けでの転職ではないと分かってもらえるので伝えておくといいと思います。
企業側も採用したが、すぐに結婚して辞められたでは損失が大きくリスクになってしまうので避けたいところなのです。
自己肯定感を高く持って、今までやってきた仕事に自信を持ちあなたの良い面を最大限に出せる自己紹介をしていきましょう。