2021.09.09

会社選びの軸って?転職活動ではどう使う?一覧や決め方も紹介!

「会社選びの軸」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。会社を選ぶ上で重視する条件を指します。新卒時の就活でも使う考え方ですが、会社選びの軸は転職においても大切。この記事では、会社選びの軸の一覧や決め方、その使い方についてご紹介します!

転職における会社選びの軸とは


「転職における大切な条件」を指します。
ワークライフバランスを大切にしたい、給与アップを目指したいなど、転職にはさまざまな思いがつきもの。
仕事をする上で大切な基準となるものです。

「今の会社が嫌だからなんとなく転職したい」はNG。
自分が大切にしたいものを明確にした軸が大切なのです。

「企業選びの軸」「転職軸」などと表現することもあります。

就活活動の軸との違い


新卒で就職活動をした人は「就活の軸」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

・人のためになる仕事
・スキルアップできる仕事
・学校で学んだことを活かせる仕事

エントリーシートや面接などで、上記のような言葉を使った方もいるのではないでしょうか。
これらは就職活動をする上で軸となった価値観でしょう。

しかし新卒の頃の会社選びの軸は、少し抽象的なところも。
まだ社会人として働いた経験がないためです。

転職活動における会社選びの軸は、具体的であることがポイントになります。
働いた経験がある分、より明確に考えられる力が身についているはずです。

面接で質問される理由


面接で採用担当者に「会社選びの軸は?」と直接聞かれることがあります。
自社の価値観と合うかどうかチェックする意味合いがあるのです。

どんな人材が欲しいかどうかは会社によって異なります。
「与えられたことを忠実に遂行できる人材」が欲しい会社もあれば、反対に「既存の枠組みに捕われず行動できる人材」が欲しい会社も。

価値観のミスマッチが起これば、早期離職や休職など、お互いにとってよい結果にならないことも…。
そんな事態を防ぐため、面接では会社選びの基準を確かめておくのです。

担当者から仕事選びの軸について質問されたときは、そんな意図があると意識して回答しましょう。

会社選びの軸の決め方


理想の転職のために会社選びの軸が大切とわかっても、最初からはっきりと決まっている人は少ないものです。
どうやって考えたらいいのか、その方法をご紹介します。

転職したい理由を考える


転職をしたいと考えているということは、今の現状に何かしらの不満を抱えているということではないでしょうか。
どの部分が解消されたらいいのか書き出して整理してみましょう。

しかし、どの会社でも多少の不満は少なからず存在するという点には注意が必要です。
「転職をすることで、目的を本当に達成できるかどうか?」という視点でもチェックするようにしましょう。

キャリアをイメージしておく


理想のキャリアを想像しておきましょう。
3年後、5年後、10年後に、どのように暮らしていたいと思うでしょうか。

それを達成するために、必要な経験やスキルなども検討しておきます。
整理して考えていくうちに、次はどのような会社で働けばいいのか見えてくることも。

イメージ通りのキャリアを完璧に歩むことは難しいかもしれません。
しかし、目安として決めておくことで、計画的に行動できるようになります。

働きたい会社の条件を考える


実際に働きたい会社の条件を考えることも欠かせません。
応募から面接、入社決定までにわたって、判断の基準になります。

成長やチャレンジを大事に思っているのなら、教育制度や社風を。
プライベートを優先したいのなら、労働時間や環境面。

そんな風に譲れない条件を具体的に考えていきましょう。
どんな条件を重視するかはその人次第。

次の項目で、会社選びの軸になりうる条件の一覧をご紹介します。
気になる条件をピックアップしてみましょう!

会社選びの軸となる条件の一覧(働き方編)


仕事の内容や取り組み方・働き方は、やはりチェックしておきたい点です。
同じような仕事であっても、方向性は案外たくさんあるもの。

行動的にどんどんスキルアップしたいのか、今あるスキルを生かしたいのか…。
また、スペシャリストかゼネラリストか?という視点も。

ここでは、会社選びの条件や軸となる働き方の一例をご紹介します。
今後のキャリアを見据えて、会社に求める条件を考えていきましょう!

スキルアップできる


「社会人としてどんどん成長したい!」という目的があるなら、それを会社選びの軸にしてみましょう。

若手のうちから責任のある仕事を任せてくれる会社なら、目的を達成できるかも。
スタートアップなど比較的若い会社であれば、仕事を柔軟に任せてくれることがあります。

スキルアップを軸とするなら、成長率の高い仕事を選ぶことになる可能性もあります。
新規事業が頻繁に立ち上がるため、立ち上げに関わって多くの経験を詰めることも!
会社が成長していく場面に立ち会うことも可能かもしれません。

経験を活かせる


今持っている経験やスキルを活かせる会社で働きたいというのも、条件のひとつ。

学校で学んできたことや、今までの仕事でできるようになったことなど…。
せっかく今まで培ってきたきたものがあるのなら、しっかり活用したいですよね。

専門分野で活躍できる


自分がこれと決めた専門分野があるなら、それを軸にするのもおすすめです。

スペシャリストとして成長していける環境かどうかはチェックしておきたいところです。
せっかく専門分野があるのに、社歴が長くなるにつれ、部下の管理や指導に追われてしまう…ということも。

反面、スペシャリストではなく「マルチな業務やマネジメントをやりたい!」というタイプの人もいますよね。
専門分野に専念してスペシャリストになりたいのか、幅広くゼネラリストを目指すのか。
自分の希望を明確にしてみましょう!

会社選びの軸となる条件の一覧(待遇編)


給与や福利厚生など、待遇の面で会社を選ぶことも。
毎日の生活に関わる部分だからこそ、自分の中で明確に条件を決めておきたいところです。

近年ではテレワークや時短勤務、フレックス制度など、多様な選択肢が用意されている会社も。
自分に合った待遇で働けるかどうかを、会社選びの軸として考えてみてもいいですよね。

会社選びの軸となり得る待遇についてチェックしてみましょう!

給与


やっぱり気になるのが給与!
旅行や外食を気兼ねなくたくさんできたり、最新の服やコスメを買えたり…。
給与アップを目指して転職する人は多いものです。

しかし「どうしてもここで働きたい!」と思う会社であれば、多少目をつぶることも。
給与面をどの程度重視して転職活動をするのかは、人や状況によって変わってくるのです。

具体的な金額を決めるのが難しければ、今よりも年収を増やすことを条件にして転職活動をするのもいいでしょう。

勤務形態


週5日決まった時間にきっちり働きたいのか、シフト制で柔軟に働きたいのかなど、希望はさまざまです。

平日5日間働いて、土日はしっかり休みたいという人は多いでしょう。
「この日は仕事だったっけ?」とドキドキしてシフトを確認することもありません。

反対に、シフト制が自分に合っているという人もいます。
数日おきに休みがきたり、平日にのんびり好きな場所に出かけたり。

自分のプライベートに合わせて調整が可能な会社もあるかもしれません。
また、短時間勤務やフレックス制度、テレワークなどにも対応しているかということを条件にする人もいるでしょう。

福利厚生


社会保険が完備されているかどうかチェックするのは一般的なことです。
それに加え、会社独自の福利厚生がある場合があります。
例として挙げられるのは、下記の通りです。

・退職金がある
・育児や介護などの支援制度がある
・家賃補助がある
・社員食堂がある

このように生活に直結する部分がたくさん。
会社がどのくらい従業員を大切にしているのか、チェックしておきたいところです。

また、ユニークな福利厚生が用意されている会社も!

・フィットネスジムが無料
・午後に仮眠時間を取れる
・アイドルやアニメなどの推しメンの記念日に休暇を取れる「推しメン休暇」
・自分にあった椅子を購入できる「マイチェア制度」

さまざまな福利厚生制度が用意されていると、働くモチベーションも高まりそうですよね。

労働時間・残業


どのくらい会社で働きたいかという点も、会社選びの軸となります。

プライベートとのバランスをうまくとりたい人は、残業時間が少ない会社で働くことを条件にします。
退勤後の時間で資格の勉強や、習いごとなどをしたい人などもいるでしょう。

反対に忙しくするのが好きだったり、残業代をたくさんもらいたかったりすれば、長い労働時間の会社でも構わないという人もいるかもしれません。

どのくらいの労働時間で設定されているのか、また残業時間はどれくらいあるのかを軸に転職活動をする人も多いでしょう。

会社選びの軸となる条件の一覧(職場環境編)


どのような職場環境であるかどうかは、ミスマッチを防ぐために大切な部分です。
中には社風や風通しのよさなど、目に見えにくい部分も…。

先輩社員と話す機会を設けてもらったり、口コミサイトを見てみたりと、入社前に確認しておくようにしましょう。

教育・研修制度


新卒で入社した社員に対しては、フォローアップの体制が用意されている会社が多いものです。
しかし、中途で入社した社員に対してはどうなのでしょうか。
「せっかく入社したのに、ほったらかしにされた!」などとならないように、よくチェックしておきたいところです。

このように、仕事を覚えるまで先輩のサポートがあるのかどうかも仕事選びの軸になります。

また、外部の研修に参加させてもらえたり、資格取得のためのフォローがあったりする会社も。
長い年月を過ごす可能性がある会社であるからこそ、将来を見据えて選ぶことが大切です。

風通しのよさ


風通しのよさも見ておきたいポイントです。

風通しがいい会社では、改善できるところはすぐに改善したり、若い社員からの意見も聞いてくれれたりと、柔軟な雰囲気があります。
意思決定のスピードも早く、若い社員からのアイデアをすぐに実行できるという会社も!

反対に風通しが悪い会社では、窮屈に感じてしまう人も。
問題が出てきても「今までのやり方はこうだったから」と、会社がなかなか変化していかないのです。
そんな会社では、やがて社員はあきらめモードに…。

「自分の意見をしっかりと持っている」「アイデアを考えて実現させることが好き」という人は、事前に確認しておくといいでしょう。

チャンスの多さ


入社したばかりの社員や若い社員にも大切な仕事を回してくれるかという点を仕事選びの軸にする人もいます。
「20代〜30代のうちに経験をガンガン積みたい!」という人に多い考え方です。

自分がいつまでにどんな経験をしておきたいか考えて、イメージしておくことが大切。
どのくらいの成長スピードを望むのかは、人や会社によってさまざまです。

どんどん成長したいという人は、会社選びの条件にしてみましょう!

社風


長くストレスなく働くためには、会社の雰囲気や価値観が大切です。

普段の仕事に対して「仲間同士で励まし合いながらひとつの目標を目指す」という社風の会社も。
反対に「ひとりひとりが独立していて、自分の仕事に集中できる」ということが望ましいとされる会社もあります。

どちらが正解ということではなく、自分に合っているかどうかが何より重要です。
自分がどのような働き方を求めているのか考え、それを軸にしてみましょう。

目に見えにくい部分であるからこそ、事前の確認が大切。
ミスマッチを防ぐためにも、入社前によく見極めるようにしましょう!

会社選びの軸の使い方


ここまで会社選びの軸となる条件の一覧をご紹介してきました。
「この条件を大切にしたい!」というものがいくつか見つかったでしょうか。

ここからはピックアップした会社選びの軸を元に、次のステップに進んでいきます。
紙に書き出してみたり、次の行動をイメージしたりしながら考えていきましょう!

条件をランキングにして考える


気になる会社選びの軸が見つかったら、それを具体的にしていきましょう。
例として、給与を選んだのなら「年収○○○万円」。
スキルアップを選んだのなら、実際に習得できるスキルをリストアップしてみましょう。

視野が狭くならないように、会社選びの軸は複数用意しておきたいもの。
選んだものは下記の2つに分類してみましょう。

・MUST(絶対に叶えたい条件)
・WANT(できれば叶えたい条件)

さらに、それぞれ優先順位が高い順にランキングにしておきましょう。

会社選びの軸を参考に応募する


転職の軸のランキングを元に、実際に応募していきます。
条件がはっきりしているので、転職サイトでの検索や、エージェントへの伝え方もスムーズなはず。

MUST条件に合う会社には、積極的に応募します。
反対に「WANT条件には合うけど、MUST条件には合わない…」という会社は、いったん冷静に。

しかし、完璧にMUST条件を満たす会社を見つけるのが難しいことも。
その場合は一度応募してみて、面接で細かい条件をすり合わせてみましょう!

面接を受ける


応募して書類選考に通れば、いよいよ面接です。
ここでも会社選びの軸を有効に使っていきましょう。

今まで考えてきた会社選びの軸があれば、志望動機を聞かれても自信を持って答えられるはず。
「答えが整理されていて、明確だな」という印象を持ってもらえるかもしれません。

ただし、そのまま伝えすぎてしまうのはNG。
短い労働時間が条件であっても「仕事とプライベートを両立したいから」など、ポジティブな表現を使いましょう。
「残業したくないから」など、意欲が伝わりにくい表現には注意しましょう。

また、面接は入社前に会社をチェックする場でもあります。
「自分の会社選びの軸に合致しているか?」という視点で臨みましょう。

転職先を決定する


内定をもらった会社に本当に入るべきなのか、会社選びの軸を使って検討します。

「給与がいい」「見学した時の雰囲気がいい感じだった」など、よい印象があればいつの間にかそちらに流されてしまうことも。
内定をもらうとうれしくて、なんとなくその気になってしまうこともありますよね。

転職活動の成功のためには、いったん冷静になって考えることが大切です。
内定先の会社は、本来の条件に本当に合っているのでしょうか。

あらためて会社選びの軸と照らし合わせて考えてみましょう。

まとめ


会社選びの軸という視点を持って転職活動を行うことは、とても重要なことです。

その軸の内容は人によってさまざま。
全く同じ条件を持つ人はいないからこそ、自分だけの軸を考える必要があるのです。

会社選びの軸を意識して、納得のいく転職をめざしましょう!

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a_fuji(ライター)
a_fuji

Webライター、経営者サポート、社会福祉士のパラレルワーカー。穏やかに楽しく生きていく方法を模索中です。

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