内定承諾後の辞退は注意が必要
内定通知を受け取ったら、期日までに内定承諾書を提出するよう求められます。
承諾書に署名捺印して提出してしまえば、基本的にそれ以後は辞退できないと考えましょう。
なぜなら、内定承諾書を受け取った企業は、あなたの入社に向けてさまざまな準備を進め始めるからです。
その状態であなたに辞退されてしまうと、採用計画のやり直しや再調整をしなければならなくなります。
いったん承諾すれば、よほどのことがない限り辞退してはいけません。
迷っている企業から内定通知が届いた合は、安易に承諾せず慎重に検討して回答することが大切です。
内定辞退を伝える際の基本マナー
内定辞退は可能とはいえ、ここまで選考の手間と時間をかけた企業に負担をかけることになります。
そのため、辞退するのであれば、基本のマナーを守り誠意をもって連絡することが大切です。
ここでは、内定辞退を伝える際に守るべきマナーについて解説します。
なるべく早く伝える
基本中の基本として、内定を辞退する場合はなるべく早く伝えるようにします。
できれば内定通知を受け取って2~3日以内、遅くとも1週間以内に連絡するようにしましょう。
言い出しにくいからとずるずると先延ばしにしたり、連絡をしなかったりしてはいけません。
基本は電話で連絡する
内定辞退の連絡は、迅速かつ確実に担当者に伝えられる電話が良いでしょう。
電話で伝えた後にメールでも連絡しておくと、内定辞退を伝えたことが文書でも残るためより安心です。
何度か電話しても担当者が忙しく電話口に出られないときは、メールで辞退を伝えましょう。
もし、転職エージェントを利用して転職活動をしているのであれば、企業に直接連絡する必要はありません。
担当のキャリアアドバイザーに辞退したい旨を伝えましょう。
なお、キャリアアドバイザーによっては辞退せず入社するようすすめてくることもあります。
きちんとした理由があって辞退するのであれば、翻意するよう説得されても従う必要はありません。
毅然とお断りしましょう。
お礼とお詫びの言葉も伝える
転職活動の選考は、応募から始まって書類選考、面接日程の調整、数度の面接といくつものステップがあるものです。
求職者も大変ですが、企業の採用担当者も、手間と時間をかけて採用活動をしています。
そこで、辞退の連絡をするときは、内定通知に対するお礼とともに、手間や時間をかけさせたことに対するお詫びの言葉も申し添えるようにしましょう。
営業時間内に連絡する
連絡する時間帯にも注意が必要です。
先方の営業時間内に電話をするのはもちろんのこと、忙しい時間帯は避ける必要があります。
たとえば、始業直後や終業直前の時間帯は、あわただしくしている可能性が高いため避けたほうが無難です。
昼休憩の時間帯も避けましょう。
これは、離席している可能性が高く、相手の休憩時間を邪魔することにもなるためです。
内定を辞退する際のポイント
内定を辞退するときは、注意すべきポイントがいくつかあります。ここではポイントを2つ取り上げ解説します。
1.「辞退します」とはっきり伝える
せっかく出た内定を辞退するのは気が引けるもの。
とはいえ、辞退するなら辞退するで、はっきり明確に伝えることが大切です。
「内定をいただいたんですが、ちょっと無理かもしれないなあと思いまして……」のような、曖昧な言い方をするべきではありません。
社会人として、自分の出した結論は責任をもってはっきり伝えるようにしましょう。
2.理由は詳しく説明する必要はない
電話でもメールでも、面接を辞退する理由を詳しく説明する必要はありません。
「検討した結果、辞退いたします」のように伝えましょう。
ただし、採用担当者としては、内定を出した相手なだけに辞退する理由を知りたいもの。
「理由をお聞かせいただけますか」などと聞かれることもあるでしょう。
そのようなときは、詳細は省いて簡潔に伝えればOKです。
たとえば、以下のように伝えるとカドが立たないでしょう。
- 同時期に応募していた他社からも内定をいただき、非常に迷いましたが、適性を考えた結果そちらに入社することにしました。
- 家庭の事情で、転職自体を取りやめなければならなくなりました。御社には大変魅力を感じていましたため、非常に残念です。
場合によっては、入社する企業の名前や家庭の事情などをさらに聞かれることもあります。
そのようなときは、律儀にすべて答える必要はありません。
答えられることのみ伝え、言いたくないことは「申し訳ありませんが、お答えしかねます」で断ってかまいません。
電話・メールで内定辞退を伝える際の例文
実際に、電話やメールで内定辞退を伝える場合に使える例文を紹介します。参考にしてください。
内定辞退を電話で伝える場合の例文
まずは、電話で伝える場合を見ていきましょう。
あなた:お世話になります。内定の通知をいただきました××と申します。
人事部の〇〇様はご在席でしょうか。
(担当者が出たら)
あなた:お忙しいところ恐れ入ります。先日、内定の連絡をいただいた××です。今、お時間よろしいでしょうか。
担当者:はい。どうされましたか。
あなた:このたびは内定のご連絡をいただきありがとうございました。申し上げにくいのですが、検討させていただいた結果、今回の内定を辞退させていただきたく、お電話しました。
担当者:辞退ですか。理由を聞かせていただけますか。
あなた:はい、実は同時に選考を進めていた他社のほうでも内定をいただき、自分の適性も考えた結果そちらに入社することに決めた次第です。
担当者:そうですか、残念ですね。
あなた:貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、このような結果となり申し訳ございません。
ポイントは以下の4点です。
- 内定をいただいたことに対する感謝を述べる
- 辞退することをはっきり伝える
- 辞退理由を自分から話さなくても良いが、聞かれたら簡潔に答える
- 選考の手間をかけさせ辞退することに対しお詫びの言葉を伝える
内定辞退をメールで伝える場合の例文
メールで伝える場合の例文をみていきましょう。
件名:内定辞退のご連絡/××(あなたの名前)
本文:
〇〇株式会社
人事部 〇〇様
お世話になっております。
〇〇職の内定をいただきました××です。
お電話させていただきましたが、ご多忙のようですのでメールにて失礼いたします。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
大変恐縮ですが、検討しました結果、今回の内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
貴重なお時間を割いていただいたにもかかわらず、このような連絡となってしまい申し訳ございません。
本来であればお伺いして直接お詫びすべきところ、メールでのご連絡となり、重ねてお詫び申し上げます。
最後になりますが、貴社の益々のご発展をお祈りいたします。
………………………..
氏名:××
住所:〒〇〇〇-〇〇〇〇
〇〇県〇〇市…
電話番号:〇〇〇-〇〇〇〇
件名は内容が把握できるものにし、最後に自分の名前を入れておきましょう。
電話をしてもつながらずメールで連絡する場合は、その旨を一言入れておきます。
それ以外のポイントは電話と同じです。
内定辞退は撤回不可!よく考えて決めよう
転職活動では同時に複数の会社に応募することが一般的で、選考の過程で考えや状況が変わることもよくあります。
そのため、せっかく出た内定を辞退することもあるでしょう。
やむを得ず辞退するときは、なるべく早く企業に連絡することが大切です。
連絡の際は、内定に対するお礼や辞退することへのお詫びを伝えたうえで、辞退する旨をはっきり伝えるようにしましょう。